歪みを深くすると音の芯が潰れてしまう。かといって浅くすればバンドの中に埋もれてしまう。特に速いフレーズや歌わせたいソロを弾くとき、この二択のあいだで悩んだ経験のある方は少なくないはずです。Electric Town Exit「Parfum de Rose(パルファン・ドゥ・ローズ)」は、まさにその狭間を埋めるために、ひとりのギタリストが理想を追い続けて完成させたオーバードライブです。
Versailles/Jupiterのギタリスト・HIZAKI氏、初のシグネチャーペダル
Parfum de Roseは、Versaillesのギタリストであり、Jupiterではリーダー兼コンポーザーも務めるHIZAKI氏のシグネチャー・オーバードライブです。華麗かつ繊細なプレイで知られる同氏にとって、これが初めてのシグネチャーペダルにあたります。
製品名はフランス語で「バラの香り」を意味します。ESPとHIZAKI氏が長年にわたって築いてきた関係性を背景に、ESPの協力のもとで誕生した一台であり、Electric Town Exitにとってもブランド初のシグネチャーモデルとなります。
HIZAKI氏は「いつか自分のシグネイチャーペダルを作りたい」という夢を長く抱いていたと語っており、その実現先としてElectric Town Exitを選んだ経緯そのものが、このペダルの性格を物語っています。
開発の出発点は「高級ヴィンテージに引けを取らない完成度」への驚き
Electric Town Exitは、「見た目も音もカッコいい」をコンセプトに2024年から“ロックの街”高円寺で生産を開始した国産ブランドです。弾き手のキャラクターを活かすナチュラルなサウンドと現代音楽のエッセンスを融合させたエフェクターを、自社工房で一点ずつ手作業により製作しています。ブランド名は、創業者が秋葉原でパーツを探していた際に目にした「Electric Town Exit」という英語表記に着想を得たものです。
HIZAKI氏が同ブランドのペダルを初めて試したとき、そのクオリティの高さに衝撃を受けたといいます。高級ヴィンテージペダルにも引けを取らないサウンドでありながら、現代の機材や音楽シーンにも自然に溶け込む完成度。そのポテンシャルに惹かれ、「自分にとって理想のオーバードライブ」を目指して何度も試行錯誤を重ねた末に完成したのが、このParfum de Roseです。
つまりこのペダルは、既存の回路にアーティスト名を冠したものではなく、量産ラインを持たない工房のポテンシャルを見込んだうえで、ゼロから理想像を詰めていった一台ということになります。
HIZAKI氏が語る、こだわり抜いた3つの帯域
サウンドづくりの狙いについて、HIZAKI氏は3つの周波数帯域を挙げて具体的に説明しています。
- 500Hz付近……サウンドに確かな存在感を与える厚みの領域。バンドアンサンブルの中で音が痩せないための土台にあたります。
- 1000Hz付近……HIZAKIサウンドに欠かせないというプッシュ感。まるで歌うようなギターソロを生み出す帯域として位置づけられています。
- 3000Hz付近……煌びやかな倍音と、鋭い噛みつき感を加える領域。製品名にちなんだ「薔薇の棘」のようなアタックを担います。
薔薇のように官能的で美しい響きと、薔薇の棘のように鋭く噛みつくアタック。この2つを同居させることが、Parfum de Roseという名前に込められたコンセプトです。細部までこだわり抜き、自分が理想とするサウンドへ仕上げることができた、とHIZAKI氏は述べています。
ブースターからリードまで、ゲイン幅で使い分けられる設計
Parfum de Roseは、ゲインを抑えたブースターライクなサウンドから、歌うように伸びやかなリードトーンまで幅広く対応します。ピッキングニュアンスを損なうことなく、自然なコンプレッション感と豊かな倍音を加えることで、プレイヤーの表現力をより鮮やかに引き出すことを狙った設計です。
艶やかでありながら芯のあるサウンドは、メロディアスなリードプレイはもちろん、バッキングに存在感を加えたい場面にも向いています。HIZAKI氏自身も、バッキングにおいて音の芯と安定感を支えてくれる点を挙げています。
コントロールはVolume・Tone・Over Driveの3ノブというシンプルな構成です。つまみが少ない分、Over Driveの設定量によってキャラクターを切り替えていく使い方が中心になります。1台でクリーンブースト的な役割とリード用の歪みを兼ねさせたい場合にも、扱いやすい構成といえるでしょう。
デジタルアンプ・モデラーの前段でも活きる
近年はアンプシミュレーターやモデラーを中心にシステムを組むギタリストも増えました。この点についてHIZAKI氏は、自身もライブで使用したうえで、デジタルアンプやモデラーなどのデジタル機材の前段に接続しても非常に相性が良く、その魅力を存分に発揮してくれると語っています。
実際のアンプの前でも、モデラー主体のシステムでも運用できるという想定は、機材構成を移行しつつある方にとって判断材料になるはずです。
主な仕様
- ブランド:Electric Town Exit(エレクトリック・タウン・エグジット)
- タイプ:オーバードライブ
- コントロール:Left: Volume / Center: Tone / Right: Over Drive
- 電源:DC9V(φ2.1mm センターマイナス)※電池駆動不可
- 製品サイズ(D/W/H):116 × 69.5 × 53 mm
- パッケージサイズ:140 × 102 × 72 mm
- 製品重量:250g
- 総重量(パッケージを含む):320g
- JANコード:4595557820066
導入前に確認しておきたいポイント
Parfum de RoseはDC9V電源専用で、電池駆動には対応していません。パワーサプライやアダプターの空き口を必ず確保したうえで導入してください。極性はφ2.1mmのセンターマイナスです。
サイズは奥行116mm・幅69.5mm・高さ53mm。幅は一般的なコンパクトエフェクターの範囲に収まりますが、ノブやフットスイッチの位置関係もあるため、すでにペダルが密集しているボードへ追加する場合は、事前に配置を確認しておくと安心です。重量は250gと、持ち運びの負担が大きくなるほどではありません。
なお、内部の回路方式やバイパス方式、消費電流についてはメーカーから公表されていません。パワーサプライの残容量がぎりぎりの構成で組んでいる場合は、購入前に販売店へ確認しておくとよいでしょう。
こんな方に向いています
- 速弾きや装飾音の多いフレーズで、粒立ちを保ったまま歪ませたい方
- ソロで音を前に出したいが、ハイゲインに振り切ると芯が消えてしまうと感じている方
- ブースターと軽めのドライブを1台に集約して、ボードをシンプルにしたい方
- モデラーやデジタルアンプの前段に置く歪みを探している方
- 国産ハンドメイドブランドのペダルに関心がある方、HIZAKI氏のサウンドに惹かれている方
よくある質問
- Parfum de Roseは電池で動作しますか?
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電池駆動には対応していません。DC9V(φ2.1mm センターマイナス)のアダプターまたはパワーサプライが必要です。
- コントロールはいくつありますか?
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Volume、Tone、Over Driveの3つです。左からVolume、中央がTone、右がOver Driveという配置になっています。
- HIZAKI氏はどのバンドのギタリストですか?
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VersaillesおよびJupiterのギタリストです。Jupiterではリーダー兼コンポーザーも務めており、ソロ・プロジェクトでも活動しています。
- Electric Town Exitはどこのブランドですか?
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2024年から東京・高円寺で生産を開始した日本のブランドです。自社工房ですべての製品を一点ずつ手作業で製作しています。国内ではキクタニミュージック株式会社が取り扱っています。
- モデラーやアンプシミュレーターと組み合わせても使えますか?
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HIZAKI氏は、デジタルアンプやモデラーなどのデジタル機材の前段に接続しても非常に相性が良く、その魅力を存分に発揮してくれると語っています。
まとめ
Parfum de Roseは、高円寺のハンドメイド工房の製作技術と、HIZAKI氏が長年かけて描いてきた理想像が交わって生まれたオーバードライブです。500Hzの厚み、1000Hzのプッシュ感、3000Hzの煌びやかな倍音という3つの帯域への具体的なこだわりが、艶と芯を同居させたキャラクターにつながっています。
コントロールは3ノブとシンプルながら、ブースター的な使い方から歌うリードトーンまで守備範囲は広く、実機アンプでもモデラー主体のシステムでも運用できます。ピッキングのニュアンスを残したまま音を前に出したい方にとって、選択肢に加える価値のある一台といえるでしょう。

![Electric Town EXIT エレクトリックタウンイグジ / Parfum de Rose [HIZAKI SIGNATURE MODEL] 【オーバードライブ】](https://effectorbox.com/wp-content/uploads/2026/08/electric-town-exit-parfum-de-rose.jpg)