エフェクターボードにデジタルペダルを加えたら「ジー」というノイズが出るようになった、パワーサプライを替えたのに症状が変わらなかった。そんな悩みは、電源の選び方を見直すことで解決できる場合があります。
パワーサプライは見た目がよく似ていて、スペックを並べても違いが分かりにくい機材です。この記事では、選ぶときに確認したいポイントを整理したうえで、出力がアイソレートされたおすすめのパワーサプライを10機種紹介します。
パワーサプライの選び方
いちばん大切なのは、出力がアイソレート(絶縁)されているかどうかです。出力どうしが内部でつながっている非アイソレートの電源では、デジタルペダルを混ぜたときにグラウンドループなどが原因のノイズが出やすくなります。各出力が独立したアイソレート電源なら、アナログとデジタルを混在させても影響を受けにくくなります。
次に確認したいのが、出力の数と電流です。デジタルペダルは消費電流が大きいものが多いので、つなぐペダルの必要電流(mA)と電圧を確かめ、それを満たす出力がそろっているかを見てください。将来ペダルを増やす予定があるなら、出力に余裕のあるモデルや、増設できるモデルを選ぶと安心です。
- 出力がアイソレート(絶縁)されているか
- つなぐペダルの台数より出力の数が多いか
- デジタルペダルに必要な電流(mA)を出せるポートがあるか
- 12V・18Vなど、9V以外が必要なペダルに対応できるか
- ボードに収まるサイズ・厚さか
下の表で、10機種の出力構成と向いている使い方を比べてみてください。
| 機種 | 出力構成・特徴 | 向く人・選ぶ目安 |
|---|---|---|
| VITAL AUDIO VA-08 Mk-III | アイソレート8系統(9V 500mA×3、9V 100mA×3、9/12/18V 500mA×2)。別にマルチ用の9/12/18V・最大2000mAポートとUSB-A/USB-C(PD)。厚さ22mm。 | コンパクトとマルチ、タブレットまで1台でまとめたい人。 価格・在庫を見る |
| Strymon Ojai R30 | 5系統。9V 500mA×3、9V 500mA/12V 375mA/18V 250mAの切り替え×2。24V THRUで増設可能。 | 小型ボードでも消費電流の大きいペダルを使う人。将来増設したい人。 価格・在庫を見る |
| Walrus Audio Canvas Power 8 | アイソレート8系統。9V 500mA×6、9/12/18V可変×2。USB-C(5V 1.5A)充電用出力、残り電力を示すLEDメーター付き。 | 電源の使用量を目で確かめながら、8台前後のボードを組みたい人。 価格・在庫を見る |
| CAJ DC/DC Station II | フルアイソレート8系統。9V 150mA×6、9V 500mA×2(1系統は電圧計付き)。電流・電圧ダブラーケーブル付属。 | アナログ中心で、デジタル用の500mA出力も2口ほしい人。 価格・在庫を見る |
| VITAL AUDIO VA-05 MkII | アイソレート5系統。9V 300mA×3、9V 500mA/12V 375mA/18V 250mAの切り替え×2。111.5×60×21.3mm。 | ミニボードやサブボードに、小さなアイソレート電源を置きたい人。 価格・在庫を見る |
| K.E.S KIP-V.A.C.9 | フルアイソレート9系統。9.4V 500mA×6、6.5〜18Vの無段階調整・500mA×3(電圧表示付き)。 | ファズやビンテージ系ペダルの電圧を変えて音作りしたい人。 価格・在庫を見る |
| MXR ISO-BRICK PRO | フルアイソレート。9V 300mA×4、9V 500mA×2、9/12/18V切り替え500mA×2、9V 1.5A×1に、増設用の18V 2Aリンク出力。最大42W。 | マルチエフェクターと複数のコンパクトを1台でまとめたい人。 価格・在庫を見る |
| Voodoo Lab Pedal Power X8 | ガルバニック絶縁8系統。すべて9V 最大500mA。140×70×25mmの薄型。 | 9Vペダル中心のボードで、どの口にもデジタルペダルをつなげたい人。 価格・在庫を見る |
| Fender Engine Room LVL5 | グラウンドアイソレート5系統。すべて9V 500mA。100〜240V入力(IECケーブル)。 | シンプルな5口構成で、デジタルペダルにも余裕を持たせたい人。 価格・在庫を見る |
| CIOKS SOL | アイソレート5系統。各出力を9V 660mA/12V 500mA/15V 400mA/18V 330mAに切り替え。最大30W、100〜240V入力。 | 小〜中型ボードで、消費電流の大きいペダルや電圧の違うペダルを使う人。 価格・在庫を見る |
※各ペダルの必要電圧・極性・消費電流は、必ずメーカーの仕様を確認してください。出力の合計値や使用条件によって、各ポートで使える電流が制限される場合があります。
パワーサプライおすすめ10選
ここからは、出力がアイソレートされたパワーサプライを10機種紹介します。ボードの大きさや使うペダルに合わせて選んでください。
No.1:Vital Audio バイタルオーディオ / POWER CARRIER VA-08 Mk-III
【定番VA-08シリーズの最新モデル】定番パワーサプライVA-08 Mk-IIの後継モデルです。アイソレートされた8系統のDCポートと、9V/12V/18Vを切り替えられる2つのポートという基本構成はそのままに、マルチエフェクター用の最大2000mAの大容量ポートと、USB-A/USB-C(PD対応)ポートが加わりました。
厚さは22mmで、すのこ型ボードの裏にも組み込みやすくなっています。コンパクトエフェクターとマルチ、タブレットなどのUSB機器まで、1台の電源でまとめたいボードに向いています。ポート4〜6は最大100mAなので、消費電流の大きいデジタルペダルは500mAのポートにつないでください。
No.2:Strymon ストライモン / Ojai R30
【小さな筐体で、全ポート500mAクラス】5つの出力すべてが9Vで500mAを供給でき、そのうち2つは12V・18Vにも切り替えられます。2段階のアイソレーションで、グラウンドループやACラインからのノイズを防ぐ設計です。
24V THRUジャックから別のOjaiへ電源を送って出力を増やせるほか、Zumaの増設用としても使えます。小さなボードから始めて、あとから規模を広げたい人に向いています。
No.3:WALRUS AUDIO ウォルラスオーディオ / Canvas Power 8
【残り電力が見えるLEDメーター付き】8つの出力はそれぞれアイソレートされていて、6系統が9V 500mA、2系統が9V/12V/18Vの可変出力です。本体のLEDメーターで残りの供給能力が分かるので、ペダルを増やしたときに余裕があるかをすぐ確認できます。
USB-C(5V 1.5A)の充電用出力も付いています。電源アダプター付属のモデルと、ほかのCanvasから給電するリンクケーブル付属のモデルがあるので、単体で使う場合は電源アダプター付属のほうを選んでください。
No.4:CAJ カスタムオーディオジャパン / DC/DC Station II
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【電圧計付きで状態を確かめやすい】8つの出力すべてがアイソレートされたパワーサプライです。9V 150mAが6系統、9V 500mAが2系統で、500mAのポートの1つには電圧計が付いています。
電流を2倍にするカレントダブラーケーブルと、18Vを作るボルテージダブラーケーブルが付属しているので、消費電流の大きいペダルや18Vのペダルにも対応できます。
No.5:VITAL AUDIO バイタルオーディオ / POWER CARRIER VA-05 MkII
【ミニボードにちょうどいい5系統】VA-08シリーズのアイソレート仕様を受け継いだ、5系統のコンパクトなパワーサプライです。9V 300mAが3系統、9V/12V/18Vを切り替えられる500mAクラスのポートが2系統あります。
横111.5mm・厚さ21.3mmと小さく、ミニボードのメイン電源にも、大きなボードのサブ電源にも使いやすいサイズです。
No.6:K.E.S ケーイーエス / KIP-V.A.C.9
【3つのポートで電圧を自由に調整】9系統すべてがアイソレートされ、6系統は9.4V 500mA、残りの3系統は6.5Vから18Vまで無段階で電圧を調整できます。調整中の電圧は表示で確認できます。
電圧を下げたときの反応の違いを試したり、電圧の異なるペダルにそれぞれ合わせたりできるので、ファズやビンテージ系のペダルで音作りを楽しみたい人に向いています。
No.7:MXR エムエックスアール / ISO-BRICK PRO POWER SUPPLY
【1.5A出力とリンク出力で大型ボードに】ペダル用の9系統に加え、増設用のリンク出力を備えたフルアイソレートのパワーサプライです。9V 1.5Aの大容量出力はマルチエフェクターにも使え、9V/12V/18Vを切り替えられる500mAの出力も2系統あります。
最大42Wの供給能力があり、リンク出力(18V 2A)からIso-Brickシリーズを増設できるので、アナログとデジタルが混在する大きめのボードを育てていきたい人に向いています。
No.8:VOODOO LAB ブードゥーラボ / Pedal Power X8
【8つすべてが9V 500mA】8つの出力すべてがガルバニック絶縁され、どの出力も9Vで最大500mAを供給できます。ポートごとの電流の違いを気にせず、デジタルペダルをどこにでもつなげるのが便利です。
厚さ25mmの薄型で、18Vが必要なペダルには別売りのダブラーケーブルで対応します。Pedal Power 3と組み合わせて出力を増やす拡張用としても使えます。
No.9:Fender フェンダー / Engine Room LVL5
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【5口すべて9V 500mAのシンプル構成】5つの出力はグラウンドアイソレートされ、すべて9Vで500mAを供給できます。電源はIECケーブルで本体に直接入力する方式で、100〜240Vの電圧に対応しています。
出力は9Vのみのシンプルな構成なので、9Vのペダルを5台前後使う小〜中型ボードに向いています。
No.10:CIOKS チョークス / SOL
【全出力で電圧を選べる小型ハイパワー電源】5つの出力それぞれで9V・12V・15V・18Vを切り替えられ、9Vでは各660mAを供給できます。合計30Wの出力があり、消費電流の大きいデジタルペダルを複数使う小〜中型ボードにも対応します。
ACアダプターを使わず、電源コードを本体に直接つなぐ方式です。さまざまなプラグに対応するFlexケーブルが付属しています。
まとめ:ボードに合った電源でノイズの悩みを減らす
パワーサプライは、出力がアイソレートされているかどうかと、ペダルに必要な電圧・電流をまかなえるかどうかで選ぶのが基本です。マルチエフェクターやUSB機器までまとめたいならVA-08 Mk-IIIやISO-BRICK PRO、小さなボードならOjai R30やVA-05 MkII、SOLが選びやすいでしょう。
新しい電源を導入すると、ボード全体を見直したくなるのがギタリストの性というものです。しばらく出番がないペダルがあれば、イシバシ楽器の宅配買取で整理してみるのもいいかもしれません。

