ジミ・ヘンドリックスが「Voodoo Child」で踏んだ瞬間、スラッシュが「Sweet Child O’ Mine」のソロで引き出したあのうねり。ギターが人の声のように叫び、語りかける——それを実現するのがワウペダルです。
足元のペダルを踏む角度ひとつで音が劇的に変わる感覚は、他のどのエフェクターとも違う独特の面白さがあります。一度踏んだら手放せなくなるプレイヤーが多いのも、そこに理由があります。
いざ選ぼうとするとCry Baby系・VOX系と系統が分かれ、サイズや機能の違いも加わって、どれが自分に合うのか判断しにくいのも事実です。この記事では2026年現在の現行モデルから8台を厳選。系統・予算・用途別に整理しましたので、あなたの「あの音」に近づく1台を見つける参考にしていただければ幸いです。
ワウペダルとは——踏み方で音が変わる仕組み
ワウペダルはロッカー型のペダルを前後に動かすことで、音のフィルターが変化するエフェクターです。つま先側を踏み込むと音の高域が強調されて明るく開き、かかと側に戻すと低域寄りに閉じていきます。この動きがギターに「ワウワウ」という声のような独特のうねりを与えます。
使い方は大きく2通りあり、ペダルをゆっくり前後させてうねりを表現する「スウィープ奏法」と、ペダルを素早く細かく動かしてリズミカルなチャカポコサウンドを作る「チキン奏法」があります。どちらもジャンルを問わず活用でき、ファンク・ロック・ブルースはもちろん、ソロの表情づけにも欠かせないエフェクターです。
Cry Baby系とVOX系、2大系統の違い
Cry Baby系(Jim Dunlop)は、低域から広いレンジでフィルターが動き、ブーミーで派手なかかり方が特徴です。「エグいワウ」を出したいロック・ハードロック系のプレイヤーに向いており、効果がわかりやすいため初心者にもおすすめです。
VOX系は、1967年に登場した世界初のワウペダルを源流とする系統です。Cry Babyより可変幅が狭くナチュラルなかかり方で、温かみのあるクラシックなワウサウンドが特徴。クリーントーンとの相性が良く、ブルース・クラシックロック・ファンク系のプレイヤーに支持されています。
失敗しない選び方 3つのポイント
1. 音のキャラクターで選ぶ
「派手でエグいワウが欲しい」「ロックのソロで叫ばせたい」という方はCry Baby系、「ナチュラルで温かいワウが欲しい」「常時かけてファンキーに使いたい」という方はVOX系が向いています。どちらのキャラクターに近づきたいかを先に決めると選択肢が大きく絞れます。
2. スイッチ方式で選ぶ
ワウペダルのオン/オフは、つま先を踏み込んだときに切り替わる「トゥルーバイパス」と、足を乗せるだけでオンになる「スイッチレス(光センサー方式)」があります。標準的なモデルはトゥルーバイパス式で踏み込みが必要ですが、Morleyのようなスイッチレスモデルはよりスムーズなオン/オフが可能です。演奏スタイルによって使いやすさが変わるため、実際に試せる機会があれば確認しておくと安心です。
3. サイズで選ぶ
標準サイズのワウペダルはボードのスペースをかなり取りますが、踏みやすさと安定感に優れています。Jim Dunlopのミニシリーズのようにコンパクトなモデルはボードの省スペース化に有効ですが、踏み込む面積が小さくなるため操作感が変わります。ボードの構成と演奏スタイルに合わせて選びましょう。
【早見表】あなたに合うワウペダルはこれ
| こんな音・状況 | おすすめモデル | 価格目安 |
|---|---|---|
| まず1台・コスパ重視 | VOX V845 | ¥8,000前後 |
| VOX系の定番・バッファ搭載で音痩せ対策 | VOX V847-A | ¥10,500前後 |
| 派手でエグいロック系ワウ | Jim Dunlop GCB95 Cry Baby | ¥14,800前後 |
| Cry Babyサウンドをコンパクトに | Jim Dunlop CBM95 Cry Baby Mini | ¥18,600 |
| フルシアンテ系の個性的なうねりが欲しい | Ibanez WH10 V3 | ¥20,000前後 |
| 周波数を細かく調整して自分の音を作りたい | Jim Dunlop 535Q | ¥28,000前後 |
| 1967年のヴィンテージサウンドを現代に | VOX V846 Vintage Wah | ¥29,700 |
| 高解像度・ブティック系の本格ワウ | XOTIC XW-1 | ¥32,000前後 |
ワウペダルおすすめ8選
入門(〜1万円)
VOX ヴォックス / V845【ワウペダル】
▶ まず1台。軽量でシンプルな定番入門機
「これぞワウサウンド」といえるクラシックなキャラクターを持つ、VOXの入門モデルです。丸みのある温かいトーンはオールジャンルに対応しやすく、重量も1kg以下と軽量で扱いやすいのが特徴。操作はシンプルで余計な機能がない分、「ワウの感覚をまず体験したい」という方が最初の1台として選ぶのに向いています。
価格目安:¥8,000前後
VOX ヴォックス / V847-A【ワウペダル】
▶ VOX系の王道。バッファ搭載で音痩せに配慮した現行定番
1960年代の定番ワウ「V847」を改良し、高品位なバッファを新搭載したモデルです。オリジナル版に近い温かみのあるサウンドを保ちながら、後段に繋いだペダルやアンプへの影響を最小限に抑えています。可変幅はナチュラルで扱いやすい帯域に収まっており、「VOXのワウを長く使い続けたい」という方に最もおすすめできるモデルです。
価格目安:¥10,500前後
中級定番(1〜2万円)
Jim Dunlop ジムダンロップ / GCB95 Cry Baby【ワウペダル】
▶ Amazonワウ売れ筋1位。派手でエグいかかりのロック定番
半世紀以上にわたり世界中のギタリストに使われ続けているワウペダルの王道です。低域から広いレンジでフィルターが動き、Cry Babyならではのブーミーで派手なかかり方はロック・ハードロック・ファンクのリフやソロで特に威力を発揮します。「効果がわかりやすい」「最初に踏んだときの感動が大きい」という理由で、初めてワウを買う方にも多く選ばれているモデルです。
価格目安:¥14,800前後
Jim Dunlop ジムダンロップ / CBM95 Cry Baby Mini【ワウペダル】
▶ GCB95をコンパクト化。省スペースでCry Babyサウンドをボードに収める
GCB95と同じ回路をミニサイズに凝縮したモデルです。通常のCry Babyよりもフットプリントが大幅に小さく、スペースの限られたボードにも組み込みやすくなっています。DC9V対応でアダプター駆動が可能なため、電池交換の手間もありません。「GCB95の音は気に入っているがサイズが大きすぎる」という方の最適解です。
価格目安:¥18,600
個性派・多機能(2〜3万円)
Ibanez アイバニーズ / WH10 V3【ワウペダル】
▶ フルシアンテが愛用した伝説のワウが現代に。VOX・Cry Babyとは一線を画す個性
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテが愛用したことで伝説的な存在となった「WH10」の第3世代モデルです。VOXやCry Babyとは明らかに異なる、独特のうねりと倍音感が特徴で、クリーントーンでもクランチでも個性的な表情を引き出せます。トゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替えスイッチを搭載しており、後段の機材に合わせてバイパス方式を選択できるのも現行版ならではの利点です。
価格目安:¥20,000前後
Jim Dunlop ジムダンロップ / 535Q【ワウペダル】
▶ 6段階の周波数調整で自分の音を作り込める多機能機
ワウのかかる周波数帯域を6段階で切り替えられる、Cry Babyシリーズの多機能モデルです。クリック式のセレクターで低域寄りのファンキーなキャラクターから高域寄りのブライトなキャラクターまで幅広く設定でき、QコントロールとBoostスイッチも搭載。「GCB95を使ってみたが、もっと細かく音を追い込みたい」という方や、複数のジャンルで1台のワウを使い分けたいプレイヤーに向いています。
価格目安:¥28,000前後
ハイエンド(3万円〜)
VOX ヴォックス / V846 Vintage Wah【ワウペダル】
▶ 1967年の名機を忠実復刻。ヴィンテージサウンドを現代に
エリック・クラプトンやジミ・ヘンドリックスが愛用し、現代のワウペダルの原点となった1967年発売の「V846」を忠実に復刻したモデルです。ヴィンテージ仕様のBC109トランジスターやHaloインダクターの復刻品を用いてコンポーネントレベルで再現しており、現行のV847-Aとは異なるビンテージライクな温かみと色気のあるサウンドが特徴です。「本物のヴィンテージワウの音が欲しい」「クラプトンやジミヘンのあの音に近づきたい」という方への、現行で最も忠実な選択肢です。
価格目安:¥29,700
XOTIC エキゾチック / XW-1【ワウペダル】
▶ ブティック系の高解像度サウンド。自分だけのワウを作り込める
Q幅・ゲイン・トレブルなど複数のパラメータを内部スイッチで調整できる、国産ハイエンドワウです。音の解像度が高く音痩せが少ないため、どんなボード環境でも自然に馴染みます。踏み込みの重さや反応も調整可能で、自分の演奏スタイルに合わせて細かくカスタマイズできます。「既存のワウでは物足りない」「自分だけの音を追求したい」中上級者に向けた、現行国産ワウの最高峰のひとつです。
価格目安:¥32,000前後
VOXワウペダル全機種ガイド
VOXはワウペダルの生みの親ともいえるブランドで、現在も幅広いラインナップを展開しています。用途と予算に合わせて選べる全機種を紹介します。
| モデル | 特徴 | 価格目安 |
|---|---|---|
| V845 | シンプルな入門機。軽量・クラシックなサウンド | ¥8,000前後 |
| V847-A | バッファ内蔵の改良版。音痩せに配慮した現行定番 | ¥10,500前後 |
| V846 Vintage | 1967年の名機を忠実復刻。ヴィンテージサウンド | ¥29,700 |
| V860 | ボリュームとワウを兼ねたデュアル機能モデル | ¥20,000前後 |
VOX V845
シンプルでクラシックなVOXワウの入門機。軽量で扱いやすく、ワウの基本的なサウンドを体験するのに最適なモデルです。
VOX V847-A
V845を改良し高品位バッファを搭載した現行定番機。オリジナルの温かみあるトーンを保ちながら音痩せを軽減しており、長く使い続けられる信頼性の高いモデルです。
VOX V846 Vintage Wah
ヴィンテージ仕様のコンポーネントを用いてコンポーネントレベルで再現した上位モデル。V847-Aよりもさらにビンテージライクな音色で、クラプトンやジミヘンのサウンドに迫りたいプレイヤーへの最終回答です。
VOX V860 Volume/Wah
ボリュームペダルとワウを1台に統合したデュアルモデルです。足元のスペースを節約しながら2つの機能を使い分けられます。ボリューム奏法とワウを組み合わせたいプレイヤーに向いています。
よくある質問
- ワウペダルはボードのどこに繋げばいいですか?
-
基本はエフェクターチェーンの最初(ギターの直後)に置くのが定番です。ワウを歪みの前に置くと原音に近いナチュラルなワウサウンドが得られ、歪みの後に置くとエグく派手なワウ効果が出ます。まずはギターの直後から試して、音の変化を確かめながら自分のスタイルに合った位置を見つけてください。
- Cry BabyとVOX、初心者にはどちらがおすすめですか?
-
どちらも定番ですが、「効果のわかりやすさ」という点ではCry Baby GCB95が入門しやすいです。派手でダイナミックなかかり方はワウの楽しさを直感的に体感できます。一方でVOX V847-Aはよりナチュラルな音色で、クリーントーン中心のスタイルに向いています。好きなアーティストがどちら系のワウを使っているかを調べて選ぶのも良い方法です。
- ワウペダルは電池とアダプター、どちらで使うのがいいですか?
-
アダプター(DC9V)での使用が安定していておすすめです。電池はライブ中に切れるリスクがあり、電圧が下がると音質が変化することもあります。現行の主要モデルはほぼDC9Vアダプターに対応していますが、購入前に電源の仕様を確認しておくと安心です。
- ベースでもワウペダルは使えますか?
-
使えます。ただしギター用ワウをベースに使うと低域が失われ、音が薄くなることがあります。ベースでワウを使いたい場合はベース専用モデルか、低域対応を明記したモデルを選ぶのがおすすめです。Jim Dunlop 105Q Bass Cry Babyのようなベース専用ワウも現行で入手できます。
まとめ
ワウペダルは踏み方ひとつで音の表情が大きく変わる、表現力の高いエフェクターです。用途別にあらためて整理します。
🎸 用途別まとめ
- まず1台・コスパ重視:VOX V845(¥8,000前後)
- VOX系の長く使える定番:VOX V847-A(¥10,500前後)
- 派手でエグいロック系ワウ:Jim Dunlop GCB95 Cry Baby
- Cry Babyをコンパクトに:Jim Dunlop CBM95 Cry Baby Mini
- フルシアンテ系の個性的なうねり:Ibanez WH10 V3
- 周波数を細かく調整したい:Jim Dunlop 535Q
- ヴィンテージサウンドを現代に:VOX V846 Vintage Wah
- 高解像度の本格ワウ:XOTIC XW-1
まずCry Baby系かVOX系かを決めると選択肢が大きく絞れます。上の各製品の価格・在庫は各ショップでご確認いただけます。
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