BOSS DC-2Wは、原音を揺らさずにサウンドへ広がりと奥行きを加える独特の空間系エフェクト「Dimension」を、BOSSのクラフトマンシップを凝縮した「技 WAZA CRAFT」シリーズとして復活させた一台です。ベースになっているのは、コンパクト・ペダルのDC-2 Dimension C。エフェクター好きのあいだでも指折りのレア機種で、そのDC-2自身が、80年代のスタジオワークで一世を風靡したラック・エフェクター「Roland SDD-320 Dimension D」の流れを汲む存在でした。原音をほとんど動かさないまま音像だけを立体的に広げてくれる——この唯一無二のキャラクターが、いまも多くのギタリストやエンジニアに支持されています。
2つのモードで20通りのサウンド
DC-2Wには、性格の異なる2つのモードが用意されています。切り替えは本体のモードスイッチひとつ。それぞれに4つのプリセット・ボタンがあり、しかも本機ではオリジナルにはなかった「2つのボタンの同時押し」に対応します。2モードを合わせると、たった4つのボタンで計20通りのサウンド・バリエーションを切り替えられる計算です。
Sモード(スタンダード)— オリジナルDC-2を再現
Sモードは、オリジナルDC-2のサウンドを再現しつつ、内部回路から見直したモードです。往年のDimensionらしいナチュラルな音像はそのままに、ノイズやS/N面が現代的にブラッシュアップされているので、まずはここから音を確認するのがおすすめです。
SDD-320モード — 伝説のラック機を再現
SDD-320モードは、隠し味的なエフェクトとして多くのエンジニアに愛されたラック・エフェクター「SDD-320 Dimension D」のサウンドを再現したモードです。コンパクト・ペダルのDC-2よりもさらに奥行きのある、スタジオ・クオリティの立体感が得られます。同じ4ボタンでもSモードとはニュアンスが変わるので、曲や楽器に合わせて弾き比べてみると違いがよくわかります。
操作性と接続 — 電子式ボタン&ステレオ対応
操作系はDimensionの象徴ともいえる4つのモード・セレクター・ボタンを踏襲しつつ、電子式スイッチとLEDインジケーターへとアップグレード。視認性と耐久性が向上し、いま自分がどのセッティングにいるのかが一目でわかります。入出力はモノ/ステレオ両対応で、ギターやベースはもちろん、キーボードやアコースティック・ギター、スタジオ機材まで幅広く受け止めてくれます。もちろんメイド・イン・ジャパンです。
DC-2Wは「コーラス」なのか?揺れない立体感という個性
名前や佇まいこそコーラス系に近い雰囲気ですが、DC-2WはいわゆるコーラスのようにLFOでピッチを揺らして「うねり」を出すタイプではありません。原音をほとんど動かさないまま、左右への広がりと奥行きだけをさりげなく足していく——この“揺れない立体感”こそがDimensionならではの個性です。歪みと重ねてもモヤつきにくく、バッキングにうっすら敷くだけで音像がぐっと広がるので、派手さより質感を求める人ほど刺さる一台だと思います。

