CUSTOM AUDIO JAPAN カスタムオーディオジャパン / CAJ AC/DC Station VII 【パワーサプライ】

CUSTOM AUDIO カスタムオーディオ / CAJ AC/DC Station VII パワーサプライ 【パワーサプライ】

CAJ(Custom Audio Japan)の AC/DC Station VII は、幅91mmの筐体にトランスを用いたリニア方式の電源部を収めたパワーサプライです。1990年代にラックシステム専用のカスタム電源として生まれたシリーズは、エフェクトシステムの形が変わるたびに設計を見直しながら第7世代に到達し、DC OUT を5系統に絞ることで、第6世代の半分近い設置面積に収まりました。

目次

第7世代で到達したサイズ感

幅91mm・126gという実寸

本体寸法は91mm(幅)×33mm(奥行き)×23.3mm(高さ)、重量は126gです。第6世代の AC/DC Station VI が167mm・235gでしたから、奥行きと高さはそのままに、幅と重さがおよそ半分になった計算になります。奥行き33mmという数字はコンパクトエフェクター1台分よりも浅く、ペダルボードの手前列の下や、ペダル同士のわずかな隙間といった、これまで電源を置くには足りなかった場所が候補に入ってきます。

アナログエフェクターを数台だけ並べたミニマルなボードはもちろん、マルチプロセッサーを軸に据えつつアナログペダルを数台足したシステムで、ペダル側だけに電源を供給する用途にも収まりのよい大きさです。

リニア方式を変えずに小型化している

電源トランスが生むAC(交流)をDC(直流)に変換するリニア方式は、スイッチング方式に比べると小型化と軽量化の面では不利な構成です。それでもパルスノイズの無い安定したクリーン電源が得られることから、ハイエンドオーディオの領域では今も主流であり続けており、AC/DC Station シリーズも初代から一貫してこの方式を採ってきました。第7世代はその電源部を維持したまま筐体を詰めているので、小さくなった代わりに音質面で妥協した、という種類の小型化ではありません。

AC/DC Station VI との相違点

現行の第6世代 AC/DC Station VI は併売されており、両者は置き換えの関係というより、供給系統数とサイズのどちらを取るかで選び分ける関係にあります。

AC/DC Station VI(第6世代)AC/DC Station VII(第7世代)
DC OUT 数85
ボルテージメーターありなし
寸法167×33×23.3 mm91×33×23.3 mm
重量235 g126 g
付属DCケーブルあり(CAJ DC Cable 2.1 ×8)なし

供給可能電流はどちらも450mAで共通しています。つまり VII で減っているのは分配できる系統の数であって、供給できる電流の総量ではありません。5台までで足りるボードなら、同じ電源容量をより小さな筐体で使えることになります。

5系統・450mAで組めるシステム

消費電流の目安から逆算する

450mAという数字がどれくらいの規模に相当するのかは、エフェクターの種類ごとの消費電流を並べてみると見えてきます。CAJ が公開しているシリーズ共通の参考値は次のとおりです。

  • アナログ・オーバードライブ/ディストーション:4mA〜20mA
  • デジタル・コーラス/フランジャー:20mA〜25mA
  • デジタル・ディレイ/リバーブ:50mA〜60mA
  • MIDI対応デジタルEQ:75mA
  • MIDI対応・メモリー機能などを備えた多機能デジタルエフェクター:75mA〜200mA

アナログのオーバードライブとディストーション、デジタルのコーラス、ディレイ、リバーブ、EQを組み合わせたボードで合計約300mAというのが、CAJ の挙げている試算例です。5系統という上限のほうが先に来るケースが多く、450mAの容量には余裕が残ることになります。ただし多機能デジタル機を複数台つなぐ構成では話が変わってくるので、手持ちの機材の実測値を足してから判断したいところです。

非アイソレート出力という前提

本機は電源アダプターから供給されるAC12VをDC9Vに変換する安定化電源器で、5つのDC9V OUTPUT はアイソレートされていません。同じ電源ラインを共有するため、デジタルエフェクターを混ぜて接続した場合には、他のペダルにノイズが乗る可能性があります。

アイソレート出力が必要な場合

各出力が独立した電源が必要であれば、同じ CAJ の DC/DC Station II が該当します。世界各地の電圧に対応するスイッチング方式のアダプターを使用するモデルで、系統ごとにアイソレートされたDC出力を備えています。

DCケーブルを自分で選ぶという設計

AC/DC Station VII には DCケーブルが付属しません。第6世代までは本数分のケーブルが同梱されていたので、この点は明確な変更です。ただし付属ケーブルは長さが選べないため、実際のボードでは余った分をどこかに畳んで押し込むことになりがちで、配線が膨らむ原因にもなっていました。ケーブルを別立てにしたことで、それぞれの距離に合った長さを選んで、最短の取り回しで組めるようになっています。

CAJ DC Cable 2.1 と5本セットパッケージ

接続には内径2.1mm・センターマイナスのDCケーブルを使用します。CAJ DC Cable 2.1 はLL10からLL100まで長さのバリエーションが用意されており、必要な本数だけ揃えられます。

5系統をすべて使う前提であれば、DC Cable 2.1 5pc pkg という別売のセットもあります。内容はLL20が2本、LL30が2本、LL60が1本で、プラグは内径2.1mm・外径5.5mm。近距離のペダルには短いものを、離れた位置には長いものをという配分になっているので、本体と一緒に用意しておくと配線の見当が付けやすくなります。

付属する AC12V Power Supply について

付属の電源アダプターは AC12V Power Supply で、AC100V 50/60Hz を受けて AC12V/0.5A を出力し、プラグの内径は1.7mmです。寸法は52×64×42mm、重量260g、ケーブル長は1.8m。本体が126gなので、システム全体の重量としてはアダプター側のほうが大きいことになります。

このアダプターは AC/DC Station IV 以降のモデルで共通しており、単体でも入手できます。紛失や破損の際に本体ごと買い直す必要がないのは、長く使ううえで安心できる点です。

使用上の注意

AC12V Power Supply はAC(交流)12Vを出力するアダプターです。DC(直流)電圧を必要とする機器には使用できず、同じ CAJ の DC/DC Station シリーズにも使えません。逆に AC/DC Station VII の入力にDC出力のアダプターを挿すこともできないため、電源まわりを流用する際は入出力の種別を確認してください。

製品仕様

入力AC 12V/プラグ内径1.7mm(付属の電源アダプターを使用)
出力DC 9V ×5/プラグ内径2.1mm/センターマイナス
供給可能電流DC 9V/450mA(付属電源アダプター使用時)
付属品AC12V Power Supply(電源アダプター)/DCケーブルは付属しません
寸法(突起物含まず)本体:91×33×23.3 mm
電源アダプター:52×64×42 mm/ケーブル長1.8m
重量本体:126g/電源アダプター:260g
JANコード4570241480801

よくある質問

DC9V OUTPUT はアイソレートされていますか

アイソレートされていません。5系統は同じ電源ラインを共有しているため、デジタルエフェクターを同時に接続した場合、他のペダルにノイズが発生する可能性があります。各出力が独立した電源が必要な場合は DC/DC Station II が該当します。

エフェクターは何台まで接続できますか

DC OUT は5系統で、合計450mA以内であれば最大5台に供給できます。消費電流が大きいデジタル機を含む場合は、各機材の値を合計して450mAを超えないか確認してください。

DCケーブルは付属しますか

付属しません。内径2.1mm・センターマイナスのDCケーブルを別途用意します。CAJ DC Cable 2.1 は長さのバリエーションが揃っており、LL20が2本・LL30が2本・LL60が1本という5本セットのパッケージも別売されています。

電源アダプターを紛失した場合はどうなりますか

付属アダプターの AC12V Power Supply は単体で入手できます。AC/DC Station IV 以降のモデルで共通のため、旧世代を併用している場合は同じアダプターが使えます。ただし DC/DC Station シリーズには使用できません。

AC/DC Station VI とどちらを選べばよいですか

供給可能電流はどちらも450mAで、違いは系統数とサイズです。6台以上に供給する、あるいは供給電圧を目視で確認したい場合は8系統でボルテージメーターを備えた VI、5台までで設置スペースを詰めたい場合は VII が適します。

幅91mmという寸法は、パワーサプライをボードの構成要素というより配線の一部として扱えるサイズです。5系統という割り切りと引き換えに、リニア方式の電源はそのまま残っている。小規模なアナログボードや、マルチプロセッサーの脇でペダルだけをまかなう電源としては、置き場所の自由度がそのまま音の安定につながる選択肢になります。

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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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