Way Huge ウェイヒュージ / WM22 Smalls GREEN RHINO OVERDRIVE MkV 【オーバードライブ】

Way Huge ウェイヒュージ / WM22 Smalls GREEN RHINO OVERDRIVE MkV 【オーバードライブ】

ペダルボードの余白がどんどん減っていく。かといって、長く使ってきたTS系オーバードライブの押し出し感は手放したくない。そんなときに選択肢に挙がるのが、Way Huge Smalls WM22 GREEN RHINO OVERDRIVE MkVです。Way Huge Smallsの小型筐体に収めながら、通常サイズのMkIVとは異なる独自のEQ構成を備えています。

目次

GREEN RHINO MkVはどんなオーバードライブか

GREEN RHINOはWay Hugeの看板とも言えるオーバードライブで、MkVはそのシリーズの中でもっとも小さな筐体を採用したモデルです。VOLUME、TONE、DRIVEという基本の3コントロールに、FREQとCURVEという2つのミニノブが加わった構成になっています。

ここで押さえておきたいのは、MkVが「MkIVをそのまま小型化したモデル」ではないという点です。EQセクションの考え方が入れ替わっており、扱える帯域と操作感が変わっています。この違いを知らずに選ぶと、期待していた使い方ができないこともあります。

MkIV(WHE207)との違い

MkIVは100Hzと500Hzを独立したノブで持ち、両方を同時に動かせました。さらにClassicスイッチによって、VOLUME/TONE/DRIVEだけのシンプルな構成に切り替えることもできます。

対してMkVは、EQをFREQという1つのノブにまとめ、対象となる帯域を内部スイッチで100Hzか500Hzのどちらか一方に固定する方式です。その代わりに、ハイエンドを抑えるCURVEが新たに加わりました。

MkIV(WHE207)MkV(WM22)
EQセクション100Hz/500Hzの独立2ノブFREQ 1ノブ(帯域は内部スイッチで選択)
2帯域の同時操作可能不可(どちらか一方)
CURVE非搭載搭載
Classicスイッチ搭載非搭載
筐体通常サイズWay Huge Smalls

低域と中域を曲ごとに行き来したい方や、Classicスイッチでシンプルな設定に戻したい方にとっては、MkIVのほうが用途に合います。逆に、使う帯域が決まっていて、ボードのスペースを優先したい方にはMkVが噛み合います。

FREQとCURVE、2つのノブの使い分け

FREQ:低域を支えるか、中域を押し出すか

FREQは選択した帯域をブースト/カットするコントロールです。100Hz側を選べば低域の量感を調整でき、痩せた印象になりがちなシングルコイルの下支えや、バンドアンサンブルでの厚みづくりに向きます。500Hz側を選べば中域の押し出しを操作でき、ソロで一歩前に出たい場面や、抜けの調整に使えます。

CURVE:ハイが強いと感じたときの逃げ道

CURVEはハイエンドが強すぎると感じたときに、その部分だけを抑えるためのコントロールです。TONEを絞ると中域から上がまとめて丸くなりますが、CURVEなら高域側を中心に整えられます。明るいキャラクターのアンプや、トレブリーなギターと組み合わせたときの調整幅として機能します。

内部スイッチは同時使用ではなく「選択」

FREQの対象帯域を切り替える内部スイッチは筐体の内側にあり、演奏中に操作するものではありません。100Hzと500Hzを同時に扱うことはできず、あくまでどちらか一方を選ぶ仕組みです。曲ごとに両方の帯域を動かしたい使い方には向かないため、ここは購入前に確認しておきたいポイントです。

コントロール

  • VOLUME:アウトプットレベルを調整します。
  • DRIVE:オーバードライブの深さを調整します。
  • TONE:ウォームからブライトまでEQを調整します。全反時計回りの位置で3kHzを20dB下げる特性です。
  • FREQ:内部スイッチで選択した500Hzまたは100Hzをブースト/カットします。
  • CURVE:強すぎる高域を抑えます。
  • FOOTSWITCH:エフェクトのオン/オフを切り替えます。バイパス方式はトゥルーバイパスです。

電源まわりで確認しておきたいこと

電源は9V電池、または9V ACアダプター(Dunlop ECB003など)に対応します。DC Brick、Iso-Brick、Mini Iso-Brickといったパワーサプライからの供給も可能です。

電源ジャックは5.5mm×2.1mm、外側スリーブがプラスのセンターマイナス仕様です。消費電流は18.5mAなので、一般的なパワーサプライであれば余裕をもって供給できます。外部電源を接続すると電池は自動的に切り離される仕組みで、電池運用の場合は使わないときにインプットジャックを抜いておくと消耗を抑えられます。

向いている人、そうでない人

向いているのは、ボードの省スペース化を進めたい方、TS系の中域感を土台にしつつ低域か中域のどちらかを重点的に整えたい方、そして高域の暴れをTONEとは別軸で抑えたい方です。

そうでないのは、低域と中域を曲ごとに同時に動かしたい方や、Classicスイッチのようなシンプルモードを求める方です。この場合はMkIVのほうが構成として合致します。筐体サイズよりも操作の自由度を優先するなら、通常サイズを検討する価値があります。

入手性について

WM22はJim Dunlopの公式サイト上でレガシープロダクト(生産完了品)として扱われています。国内では流通在庫や中古が中心となるため、状態や付属品を確認したうえで検討するのがおすすめです。

主な仕様

型番WM22
コントロールVOLUME、TONE、DRIVE、FREQ、CURVE
内部スイッチFREQ帯域選択(500Hz/100Hz)
バイパスTrue Bypass
入力インピーダンス600kΩ
出力インピーダンス3kΩ
公称入力レベル+6dBV
スループットゲイン1kHzにて最大+50dB
TONE特性全反時計回りで3kHz時−20dB
消費電流18.5mA
電源9V電池/9V ACアダプター(9VDC・センターマイナス/5.5mm×2.1mm)
サイズ58mm(W)×103mm(D)×55mm(H)※ノブ・ジャックを含む外形

※各測定値はコントロールをセンター位置にした状態のものです。

よくある質問

100Hzと500Hzを同時に使えますか?

できません。FREQが対象とする帯域は内部スイッチでどちらか一方を選ぶ方式です。両方の帯域を独立して操作したい場合は、100Hzと500Hzを個別のノブで備えたMkIV(WHE207)が該当します。

乾電池でも動作しますか?

9V電池(006P)で動作します。外部電源を接続している間は電池が切り離される構造です。電池で運用する場合は、使わないときにインプットジャックを抜いておくと消耗を抑えられます。

パワーサプライの選び方で注意点はありますか?

9VDC、センターマイナス、5.5mm×2.1mmのプラグに対応した出力を使用します。消費電流は18.5mAのため、一般的なアイソレート電源であれば1系統で問題なく供給できます。

TONEとCURVEはどう使い分けますか?

TONEはウォームからブライトまで全体の明るさを調整するコントロールで、全反時計回りの位置では3kHzを20dB下げる特性を持ちます。CURVEはそれとは別に、強すぎる高域を抑える役割です。TONEを絞りすぎずに高域だけ整えたいときにCURVEが活きます。

現在も新品で購入できますか?

Jim Dunlopの公式サイトではレガシープロダクト(生産完了品)として掲載されています。国内では流通在庫や中古での取り扱いが中心です。

WM22 GREEN RHINO OVERDRIVE MkVは、Smalls筐体という制約の中でEQの構成を組み直したモデルです。使う帯域を絞り込める方にとっては、サイズと調整幅のバランスが取れた選択肢になります。低域と中域の両方を同時に動かしたい場合はMkIVという道も残されているので、自分の使い方がどちらに寄っているかを基準に選ぶと迷いにくくなります。

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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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