ライブで音が埋もれる、借りアンプで音が決まらない、歪みをかけると耳に刺さる——ギターの音作りでこんな悩みを抱えたことはありませんか?
その原因のほとんどは、特定の周波数帯域のバランスが崩れていることにあります。アンプのトーンノブだけでは追いきれないその問題を、ピンポイントで解決するのがイコライザー(EQ)ペダルです。
歪みやモジュレーションと違い、EQは「音を派手に変えるエフェクター」ではありません。しかしベテランギタリストほど足元に必ず置いている、音作りの最終兵器とも言えるペダルです。
この記事では、EQペダルの基本的な仕組みから、グラフィックEQ・パラメトリックEQの違い、用途別おすすめ8選まで徹底解説します。はじめてEQペダルを選ぶ方も、ぜひ参考にしてください。
目次
- イコライザーエフェクターとは?ギターにかける意味
- グラフィックEQとパラメトリックEQ|違いと使い分け
- イコライザーの選び方
- おすすめイコライザー8選
- 1. BOSS GE-7|はじめての1台に迷ったらこれ
- 2. MXR M108S 10 Band EQ|細かく追い込みたい中級者以上の定番
- 3. MXR M109S 6 Band EQ|コンパクトにブースターも兼ねたい方に
- 4. EarthQuaker Devices Tone Job|EQとブースターを1台でこなすブティック系の実力派
- 5. EMPRESS EFFECTS ParaEQ MKII|スタジオ品質の音作りをライブに持ち込む
- 6. Source Audio EQ2|グライコ・パライコ両対応、デジタル時代の万能EQ
- 7. BOSS EQ-200|ギターもベースも、1台で完結する多機能グライコ
- 8. BEHRINGER EQ700|まずEQを試してみたい方への入門機
- よくある質問
- まとめ
イコライザーエフェクターとは?ギターにかける意味
イコライザー(EQ)は、音の周波数帯域ごとの音量を個別に調整するエフェクターです。低音・中音・高音をそれぞれ上げ下げすることで、ギターの音色をピンポイントで整えられます。
ギターにEQをかける主な目的は3つあります。
① バンドアンサンブルで音の抜けをよくする
ギターの「抜け」を決める帯域は主に800Hz〜2kHz付近です。ここをブーストするだけで、ドラムやベースに埋もれていた音がスッと前に出てきます。アンプのトーンコントロールだけでは追いきれない細かい調整が、EQペダルなら可能です。
② 歪みエフェクターの音を整える
オーバードライブやディストーションをかけると、特定の帯域が強調されて音がこもったり、耳に刺さったりすることがあります。EQを歪みの後段に置いて余分な帯域をカットすると、歪みの粒立ちを保ちながら聴きやすい音に仕上げられます。
③ 借りアンプの音を素早く補正する
スタジオやライブハウスの借りアンプは、自分のアンプとは音が異なります。EQペダルを足元に忍ばせておけば、どの現場でも自分の「基準の音」に素早く近づけられます。
グラフィックEQとパラメトリックEQ|違いと使い分け
EQペダルには大きく2つの種類があります。見た目も操作感もまったく異なるので、購入前に違いを把握しておきましょう。
グラフィックEQ(グライコ)
複数の周波数帯域がスライダーで並んでいるタイプです。スライダーの上下がそのまま音のカーブとして視覚化されるため、現在どんな音作りをしているか一目でわかるのが最大の特徴です。
- バンド数は5〜10バンドが一般的
- 直感的に操作できるので初心者にも扱いやすい
- ライブ中のとっさの調整にも向いている
ギター用EQペダルの多くはこのタイプです。
パラメトリックEQ(パライコ)
周波数・ゲイン(音量)・Q幅(帯域の広さ)の3つをノブで細かく設定できるタイプです。ピンポイントで狙った帯域だけを調整できるため、より精密な音作りが可能です。
- 操作に慣れが必要だが自由度が高い
- 録音・レコーディング用途での使用が多い
- ライブよりもスタジオワーク向き
どちらを選ぶべきか
| グラフィックEQ | パラメトリックEQ | |
|---|---|---|
| 操作のしやすさ | ◎ 直感的 | △ 慣れが必要 |
| 調整の精度 | ○ 帯域固定 | ◎ 自由に設定 |
| ライブ向き | ◎ | △ |
| 録音向き | ○ | ◎ |
| 初心者向き | ◎ | △ |
迷ったらグラフィックEQがおすすめです。視覚的にわかりやすく、ライブでもスタジオでも使いやすいため、はじめての1台に最適です。
イコライザーの選び方
EQペダルを選ぶときに見るべきポイントは3つです。
① バンド数で選ぶ
バンド数とは、調整できる周波数帯域の数のことです。バンド数が多いほど細かい音作りができますが、その分操作が複雑になります。
- 5〜6バンド:シンプルで扱いやすい。はじめての1台に最適
- 7〜10バンド:細かい調整も可能。中級者以上におすすめ
- 10バンド以上:プロ仕様。レコーディングや本格的なライブ向け
迷ったら7バンド前後を選ぶと、使いやすさと自由度のバランスが取れます。
② ノイズの少なさで選ぶ
EQはゲインを上げるほどノイズも増幅されやすいエフェクターです。特にブースター用途で使う場合は、S/N比(信号対雑音比)が高いモデルを選ぶことが重要です。安価なモデルはノイズが乗りやすいため、予算が許すなら信頼性の高いブランドを選びましょう。
③ 用途で選ぶ
| 用途 | おすすめのタイプ |
|---|---|
| ライブ・バンド | グラフィックEQ(視認性重視) |
| ブースター兼用 | ゲインブースト機能付きモデル |
| 録音・宅録 | パラメトリックEQ or 多バンドモデル |
| ベース兼用 | 低域対応の広帯域モデル |
おすすめイコライザー8選
※掲載している価格は時期や販売店によって変動する場合があります。最新の価格は各販売店でご確認ください。
1. BOSS GE-7|はじめての1台に迷ったらこれ
こんな人におすすめ:はじめてEQペダルを使う初心者・ライブで手軽に音を整えたい方
BOSS GE-7は100Hzから6.4kHzの範囲を7バンドで調整できるグラフィックイコライザーです。長年にわたって世界中のギタリストに使われてきた定番中の定番で、現在も現役で販売されています。
特徴
- 7バンドのスライダーが視覚的にわかりやすく、はじめてEQを触る方でも迷わず操作できる
- ブースターとしても使えるLEVELノブ搭載。EQとボリュームアップを同時にこなせる
- BOSSらしい頑丈な筐体で、ライブでの踏み間違いや落下にも強い
価格帯:数千円台
ひとこと:「とりあえずEQを試してみたい」という方に最初に手に取ってほしい1台。コンパクトなサイズと手頃な価格で、足元への導入ハードルが低いのも魅力です。
2. MXR M108S 10 Band EQ|細かく追い込みたい中級者以上の定番
こんな人におすすめ:GE-7では物足りなくなった方・より精密な音作りをしたい中級者以上
MXR M108Sは、長い間MXRの定番イコライザーであった「M108 10 Band Graphic EQ」にノイズリダクションとトゥルーバイパス機能を追加してアップグレードしたモデルです。
特徴
- 10バンドで31.25Hz〜16kHzまでをカバー。GE-7では調整できない超低域・超高域まで追い込める
- ノイズリダクション回路搭載で、ゲインを上げてもノイズが乗りにくい
- トゥルーバイパス仕様のため、オフ時に原音への影響がない
価格帯:2万円台
ひとこと:GE-7から乗り換えるギタリストも多く、「EQはこれで完結」と言わせる完成度があります。幅広い周波数コントロールと耐久性を兼ね備えた、ステージでの使用にも最適な1台です。
3. MXR M109S 6 Band EQ|コンパクトにブースターも兼ねたい方に
こんな人におすすめ:ペダルボードのスペースを節約したい方・EQとブースターを1台で済ませたい方
MXR M109S 6-Band Graphic EQは、MXRの6バンドグラフィックイコライザー「M109」に新たにノイズリダクション回路を搭載したニューモデルです。100Hz、200Hz、400Hz、800Hz、1.6kHz、3.2kHzという6つの帯域ごとに±18dBのブースト/カットが可能です。
特徴
- 6バンドに絞られたシンプルな設計で、ライブ中でも素早く操作できる
- ±18dBという大きなブースト幅により、ソロ時の音量アップやブースター的な使い方にも対応
- コンパクトなボディでペダルボードの省スペース化に貢献
価格帯:1万円台後半
ひとこと:M108Sの弟分ながら、ギターの主要帯域はしっかりカバー。「10バンドは多すぎる、でもちゃんとしたEQが欲しい」という方にちょうどいい1台です。
4. EarthQuaker Devices Tone Job|EQとブースターを1台でこなすブティック系の実力派
こんな人におすすめ:音質にこだわりたい方・EQとブースターを1台にまとめたい方
EarthQuaker Devices Tone JobはEQ&ブースター機能を一体化したギターエフェクターです。アメリカのブティックペダルブランドEarthQuaker Devicesらしい、原音を損なわない高品位なサウンドが特徴です。
特徴
- Bass・Mid・Treble・Volumeのシンプルな4ノブ構成で直感的に操作できる
- クリーンブースターとしても機能するVolumeノブで、ソロ時の音量アップも1台で対応
- アナログ回路による自然なトーンシェイピングで、音の芯を失わずに帯域を調整できる
価格帯:2万円台
ひとこと:「スライダーがごちゃごちゃしたEQは苦手」という方にこそ試してほしい1台。シンプルな操作感ながら、音楽的なEQカーブで自然に音が整います。
5. EMPRESS EFFECTS ParaEQ MKII|スタジオ品質の音作りをライブに持ち込む
こんな人におすすめ:録音にも使えるハイエンドなEQを求める方・パラメトリックEQを本格的に使いたい方
EMPRESS EFFECTS ParaEQ MKIIは、ギターサウンドを一切マスクすることなく的確なイコライジングが可能な、パラメトリックEQの最高峰モデルです。
特徴
- 低域・中域・高域それぞれの周波数・ゲイン・Q幅を独立して設定できる本格パラメトリックEQ
- スタジオ環境でのトーン追求に最適な、比類なき精度と柔軟性を持つ設計
- 独立したクリーンブースト回路も搭載しており、EQとブーストを同時にコントロール可能
価格帯:3万円台以上
ひとこと:グラフィックEQでは解決できなかった「あの帯域だけピンポイントで削りたい」という悩みに応えてくれる1台です。一度使うと手放せなくなるという声が多いプロ御用達モデルです。
6. Source Audio EQ2|グライコ・パライコ両対応、デジタル時代の万能EQ
こんな人におすすめ:プリセット保存で複数の現場に対応したい方・グライコとパライコを1台で使い分けたい方
Source Audio EQ2は、各バンドの中心周波数(20Hz〜20kHz)とQ幅の設定が可能なことによりグラフィック/パラメトリックとして機能し、微細な音質補正から大胆なエフェクトサウンドまで多彩なサウンドメイクをクリエイトできる最新鋭コンパクトイコライザーです。
特徴
- 設定したEQは最大128プリセットまで保存でき、本体または外部MIDIコントローラーで任意のプリセットを呼び出すことができる
- ステレオ入出力を備えており、ギターとキーボードなど2つの楽器に個別のEQ設定を割り当てることも可能
- 専用アプリ「Neuro」でPCやスマートフォンから詳細な設定が可能
価格帯:4万円台
ひとこと:「EQペダルはこれ1台で完結させたい」というこだわり派には唯一無二の選択肢です。スタジオ・ライブ・宅録すべてをカバーします。
7. BOSS EQ-200|ギターもベースも、1台で完結する多機能グライコ
こんな人におすすめ:ギターとベースを兼用したい方・2系統のEQ設定を瞬時に切り替えたい方
BOSS EQ-200は2フットスイッチを搭載しながらもコンパクトな本体にシンプルなコントロールを搭載し、サンプリングレート96kHz、AD/DA変換32bitというクラス最高峰の音質を実現したギター/ベース用10バンドグラフィックイコライザーです。
特徴
- 10バンドEQを2基搭載しており、パラレル/シリーズ接続で使用することができる。各スライダーは最大15dBまでブースト/カットが可能
- メモリー機能により好みのセッティングを保存・呼び出しが可能。現場ごとの音作りをすぐに再現できる
- ギター/ベース両対応の広帯域設計で、30Hzから12.8kHzまでをカバー
価格帯:2万円台後半
ひとこと:GE-7の上位版と考えるとわかりやすい1台です。「BOSSの安心感はそのままに、もっと高機能なEQが欲しい」という方に最適です。
8. BEHRINGER EQ700|まずEQを試してみたい方への入門機
こんな人におすすめ:EQペダルをはじめて試したい方・できるだけ予算を抑えたい方
BEHRINGER EQ700は数千円台という価格で入手できる7バンドグラフィックイコライザーです。エフェクター入門ブランドとして知られるBEHRINGERらしい、コストを極限まで抑えた設計が特徴です。
特徴
- 数千円台とこのリスト最安値。「EQってどんなものか試したい」という方が気軽に手を出せる
- 7バンド設計でギターの主要帯域はひととおりカバー
- コンパクトなボディでペダルボードにも収まりやすい
価格帯:数千円台
ひとこと:音質やノイズ面では上位モデルに劣りますが、「EQで何ができるか体験する」という目的には十分です。気に入ったらGE-7やMXRへのステップアップを検討してみてください。
よくある質問
- イコライザーはエフェクターの並び順のどこに置けばいいですか?
- 用途によって異なります。音全体のトーン補正が目的なら歪みエフェクターの後ろ(アンプの手前)に置くのが基本です。歪みの前に置くと、EQで持ち上げた帯域が歪みにも影響するため、意図しない音になることがあります。一方、意図的に歪みの前に置いてドライブ量や音色を変える使い方もあります。まずは歪みの後ろから試してみてください。
- EQペダルはギター初心者にも必要ですか?
- 必須ではありませんが、あると便利です。特にバンドで演奏する機会がある方や、スタジオ・ライブハウスの借りアンプを使う機会が多い方には早めに1台持つことをおすすめします。数千円台から入手できるモデルもあるので、まず試してみる価値は十分あります。
- グラフィックEQとパラメトリックEQ、初心者はどちらを選ぶべきですか?
- グラフィックEQがおすすめです。スライダーの位置で音のカーブが視覚的にわかるため、直感的に操作できます。パラメトリックEQは自由度が高い反面、慣れるまでに時間がかかります。まずグラフィックEQで耳を鍛えてから、必要に応じてパラメトリックEQに移行するのがスムーズです。
- EQペダルでノイズが増えることはありますか?
- あります。特定の帯域を大きくブーストすると、その帯域のノイズも一緒に増幅されます。ノイズが気になる場合は、ノイズリダクション回路を搭載したモデル(MXR M108S・M109S等)を選ぶか、ノイズゲートペダルと併用するのが有効です。
まとめ
この記事では、ギター用イコライザーペダルの基本から選び方、おすすめ8選までを解説しました。最後に選び方のポイントをおさらいします。
- はじめての1台なら → BOSS GE-7
- より細かく追い込みたいなら → MXR M108S
- コンパクトにまとめたいなら → MXR M109S
- ブースターも兼ねたいなら → EarthQuaker Devices Tone Job
- 本格的なパライコが欲しいなら → EMPRESS EFFECTS ParaEQ MKII
- プリセット保存で複数現場に対応したいなら → Source Audio EQ2
- ギター・ベース兼用で使いたいなら → BOSS EQ-200
- まず試してみたい・予算を抑えたいなら → BEHRINGER EQ700
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※掲載している価格は時期や販売店によって変動する場合があります。最新の価格は各販売店でご確認ください。







