小型のヴィンテージアンプをフルアップしたときの、あの崩れかけた歪み。レコーディングでは最高の相棒でも、ライブであの音量は出せない——そう諦めた経験のあるギタリストは少なくないはずです。
カナダのハイエンド・アンプ&エフェクター・ブランド、Revv Amplification(レヴ・アンプリフィケーション)のオーバードライブ「Dirt Dog(Dirtdog)」は、まさにその課題から生まれたペダルです。ギタリストのJoey Landreth(ジョーイ・ランドレス)との共同開発により、彼がアルバム制作のために自作した小型アンプのサウンドを、ボードに載るサイズで持ち運べる形にまとめています。
Joey Landrethが自作したアンプの音を、そのままボードへ
Dirt Dogは、The Bros. Landreth(ザ・ブラザーズ・ランドレス)のギタリストであり、JUNO賞受賞アーティストとしても知られるJoey Landrethとの共同開発モデルです。
出発点になったのは、彼がアルバム『Dog Ear』のレコーディングに向けて自作した一台のアンプ。1940年代の小型アンプに着想を得たそのアンプは、多彩なクランチトーンを生み出した一方で、フルアップした小型アンプをそのままツアーに持ち出すのは現実的ではありませんでした。そこでRevvに持ち込まれたのが「この音を信頼できる形でリグに組み込みたい」という要望です。
メーカーによれば、Dirt Dogは古いアンプ特有の「ブルーム」と「サグ」を抽出し、わずかに歪んだ状態から“今にも壊れそう”な領域まで、どこを切り取っても音楽的に響くよう設計されたオールアナログ回路のペダルとのことです。
クリーンの色づけから、ファットなリードトーンまで
ゲインの設定次第で、エッジ・オブ・ブレイクアップの軽いクランチから、サスティンの伸びる太いリードトーンまでをカバーします。メーカーはこのペダルの核を「弾き手のタッチに反応する、ハーモニクス豊かなオーバードライブ」と説明しており、ピッキングの強弱やギター側のヴォリューム操作に応じてキャラクターが変わる設計です。
クリーンなペダルプラットフォーム系アンプの前段はもちろん、すでに歪んでいるアンプへの上乗せ、あるいはデジタル機材主体のリグに“アナログらしい質感”を足す用途にも向いた一台です。
相互に作用する4つのコントロール
Dirt Dogのコントロールは、それぞれが独立して効くのではなく、互いの効きに影響し合うよう設計されています。ノブの数は4つとシンプルながら、組み合わせ次第で幅広いサウンドが引き出せるのはこの設計によるものです。
GAIN / LEVEL
- この2つの組み合わせが、Dirt Dogのキャラクターを最も大きく左右します。
- GAINを低め、BITEを上げた設定で、チャイミーなエッジ・オブ・ブレイクアップに。
- LEVELをフルまで上げると、“アンプを10にした”ような荒々しいサウンドが得られます。
BITE
- 高域のキャラクターを調整するコントロールです。
- 輪郭のはっきりした鋭いサウンドから、角の取れた滑らかな歪みまで設定できます。
TONE
- 中域のキャラクターを切り替えるコントロールです。
- 右に回すほどパンチと存在感のあるサウンドに、左に回すほど中域を抑えた粘りのあるサウンドへと変化します。
こんなギタリストに向いています
- 小型ヴィンテージアンプをフルアップしたような、荒れ気味のクランチをライブでも使いたい方
- ピッキングやヴォリューム操作でクリーンから歪みまでコントロールしたい方
- ルーツ/アメリカーナ/ブルース系のサウンドを求めている方
- Joey Landrethのトーンや、The Bros. Landrethのサウンドが好きな方
- アンプシミュレーターやデジタルリグに、アナログらしい質感を足したい方
- ノブが少なく、直感的に追い込めるオーバードライブを探している方
逆に、モダンなハイゲインや、EQを細かく追い込んで整えたいタイプの歪みを求めている場合は、方向性が異なります。同じRevvであれば、G3やG4といったディストーション系の方が近い選択になるでしょう。
製品仕様
- 回路方式:オールアナログ
- コントロール:GAIN, BITE, LEVEL, TONE
- バイパス:トゥルーバイパス
- 入出力端子:Input, Output, DC In(トップマウント)
- DC In適応プラグ・サイズ:内径2.1mm / 外径5.5mm
- 電源:9VDC センターマイナス(外部パワー・サプライのみ/別売、電池駆動不可)
- 必要供給電流:18mA以上
- サイズ(最大外形寸法):H53 × L114 × W67mm
- 重量:約271g
- 生産国:カナダ
よくある質問
- 電池で駆動できますか?
-
電池には対応していません。9Vセンターマイナスの外部パワー・サプライが必要で、18mA以上を供給できる電源をご用意ください。
- BITEとTONEはどう使い分けますか?
-
BITEが高域、TONEが中域のキャラクターを担当します。抜けや鋭さを調整したいときはBITE、サウンド全体の押し出し感やスクープ具合を変えたいときはTONEを動かすのが基本です。
- 歪んでいるアンプに使っても効果はありますか?
-
メーカーは、クリーンなペダルプラットフォームだけでなく、すでにプッシュされたアンプに重ねる使い方も想定していると説明しています。GAINとLEVELの組み合わせでアンプへの押し出し方が変わるため、ブースター的な使い方も可能です。
- 「Dirtdog」と「Dirt Dog」は別の製品ですか?
-
同じ製品です。メーカー公式サイトでは1語の「Dirtdog」、販売店では「Dirt Dog」と表記されることが多く、いずれも同一モデルを指します。
- トゥルーバイパスですか?
-
トゥルーバイパス仕様です。ジャックはトップマウントのため、ボード上での省スペース化にも配慮されています。

