Gurus Amp グル / SEXY DRIVE mkII【オーバードライブ】

歪ませると音がつぶれて、ピッキングのニュアンスが消えてしまう。かといってゲインを絞ると、今度は物足りない。オーバードライブ選びで一度はぶつかる悩みではないでしょうか。

イタリアのGurus Ampが手掛ける「SEXY DRIVE mkII」は、まさにこの矛盾に正面から答えを出したペダルです。クリーン信号をどれだけ混ぜるか自分で決められる、というのがその答え。ダンブルアンプやケンタウロスといった名機にインスパイアされたトーンを土台に、アタックの粒立ちを残したまま歪みを深くしていけます。

目次

SEXY DRIVE mkIIとは

Gurus Ampはイタリアのブティックブランドで、Echosex 2°(エコーレック系ディレイ)や1959 DOUBLEDECKERなど、ヴィンテージ機材の再解釈を得意としています。SEXY DRIVEはその中でも看板と言えるOD/ブースターで、mkIIは初代のキャラクターを受け継ぎつつBALANCEコントロールを新たに搭載したアップデート版です。

メーカーによれば、特定の1台をコピーしたのではなく、ダンブルアンプやKlon Centaurをはじめとする歴史的なドライブトーンを参照して設計されたとのこと。ワイドレンジなダイナミクスとアンプライクなレスポンスが、このペダルの基本的な性格です。

サウンドと機能の特徴

BALANCEノブ:歪みの奥に「素の音」を残す

mkII最大のトピックが、クリーン信号とドライブ信号の混ぜ具合を調整するBALANCEコントロールです。歪みを深くするとどうしても埋もれてしまうピッキングのアタックを、クリーン成分を足すことで前に引き戻す。メーカーはこれを「アタックを復活させる」と表現しています。

さらにボトムのトリムポットで、BALANCEノブが扱うクリーン信号の最小/最大レベルそのものを設定できます。つまり「BALANCEを回したときの効き幅」を自分の機材に合わせて追い込めるということ。ギターの出力やアンプの特性に合わせて、一度セッティングしておけば以降は迷いません。

3バンドEQ:ペダルというよりプリアンプの感覚

コントロールはGAIN、VOLUME、BALANCE、そしてBASS/MIDDLE/TREBLEの計6つ。多くのオーバードライブがTONEノブ1つで済ませるところを、SEXY DRIVE mkIIは独立した3バンドEQを備えています。それぞれBass 110Hz、Middle 720Hz、Treble 4500Hzをポイントに設定されており、アンプ側のEQを触らずにこのペダルだけで音作りを完結させることも可能です。

12V駆動とバッファード仕様

電源は9〜12VDC(センターマイナス)に対応し、9V電池でも動作します。12Vで駆動するとヘッドルームが増え、ダイナミックレンジがさらに広がる設計です。パワーサプライに12V出力があるなら、ぜひ試したいポイントでしょう。

バイパスはトゥルーバイパスではなくバッファード。入力側に1基、出力側に2基のバッファを配置し、長いケーブルや複数のペダルを経由しても信号の劣化を抑える狙いがあります。ボード後段からアンプまでの距離が長い環境では、むしろこの仕様が効いてきます。

なお、フェイスプレートの2つの小窓はインジケーターです。PEAKはドライブの深さを、FUELは電池駆動時に残量が少なくなったことを知らせてくれます。

主なスペック

コントロールGAIN / VOLUME / BALANCE / BASS / MIDDLE / TREBLE
EQポイントBass 110Hz / Middle 720Hz / Treble 4500Hz
電源9〜12V DC(センターマイナス)/9V電池
最大消費電流40mA
最大ゲイン+58dB
入力インピーダンス1MΩ以下
出力インピーダンス100kΩ以下
サイズ90(W)×130(D)×40(H)mm
重量0.3kg

SEXY DRIVE mkIIが向いている人

  • 歪ませてもピッキングのニュアンスを失いたくない方
  • クリーンブースターからクランチまで、1台で幅広くカバーしたい方
  • アンプのEQに頼らず、ペダル側で音作りを完結させたい方
  • ダンブル系・ケンタウロス系のアンプライクなトーンに興味がある方
  • ペダルボードが長く、バッファによる信号ケアを重視している方
  • 国産の定番オーバードライブとは違う、ブティックならではの個性を求めている方

逆に、ハイゲインなディストーションを求めている場合は方向性が異なります。SEXY DRIVE mkIIはあくまでミディアムゲインまでの領域で、アンプの美味しい部分を引き出すタイプのペダルです。

よくある質問

初代SEXY DRIVEとの違いは何ですか?

mkIIは初代の基本設計を受け継ぎながら、クリーン信号とドライブ信号をミックスするBALANCEコントロールが追加されたバージョンです。ボトムのトリムポットによる効き幅の設定も、mkIIで加わった要素になります。

トゥルーバイパスではないと音痩せしませんか?

SEXY DRIVE mkIIは入力に1基、出力に2基のバッファを搭載し、信号をできるだけそのまま送り出す設計になっています。むしろケーブルが長い環境や多段接続では、バッファードのほうが高域の減衰を抑えられる場合があります。

12Vで使うと何が変わりますか?

内部のヘッドルームが増えることで、ダイナミックレンジが広がるとされています。9Vでも問題なく動作しますが、パワーサプライに12V出力があるなら比較してみる価値はあるでしょう。

ブースターとしても使えますか?

GAINを絞ってVOLUMEを上げれば、OD/ブースターとして機能します。3バンドEQがあるため、ソロ時に持ち上げたい帯域だけを狙って強調するといった使い方も可能です。

ベースに使っても大丈夫ですか?

BALANCEでクリーン信号を混ぜられるため、低域の芯を保ったまま歪みを加えられます。ドライブさせると音が細くなりがちなベースとは、構造的に相性のよい仕組みです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

目次