Limetone Audio ライムトーン オーディオ / JACKAL【ディストーション】

ゲインを上げるほど音が団子になって、バンドで鳴らすと何を弾いているのか分からなくなる。かといってゲインを削ると迫力が足りない。ハイゲインを使うギタリストが必ず一度は通る壁です。

Limetone Audio JACKALは、その「迫力」と「音抜け」を両立させることを設計の主眼に置いたドライブペダルです。level、gain、3バンドEQというシンプルな操作系でありながら、biteモードとplexiスイッチによって性格の異なるサウンドを持ち、さらに内部トリムでフロントパネル以上に大胆な音作りまで踏み込めます。

目次

Limetone Audio JACKALとは

JACKALは、日本のハンドメイドエフェクターブランドLimetone Audioが手掛けるハイゲイン・ドライブペダルです。Limetone Audioは本機を「ハイゲインでありつつも、ピッキングニュアンスを潰さない、迫力と音抜けを両立したドライブペダル」と位置づけています。

コントロールはlevel、gain、treble、middle、bassの5つが基本。ハイゲインを得意とする回路で、なかでもmiddleの設定が音のキャラクターを大きく左右します。ミドルを持ち上げれば密度の高い前に出るサウンドに、削れば現代的でタイトなドライブへと振れていきます。

内部は9Vで動作しているわけではなく、DC9V入力を受けて内部で18Vまで昇圧する設計です。ハイゲインでもヘッドルームが確保され、音の芯が潰れにくい理由のひとつがここにあります。

3つのサウンドキャラクター

基本サウンド|芯が残るハイゲイン

両スイッチをOFFにした状態が、JACKALの土台となるハイゲイン・ディストーションです。深く歪ませても音の輪郭が保たれるため、単音でもコードでも輪郭が崩れません。パワーコードで潰れず、和音の響きが濁らないという点が、一般的なハイゲインペダルとの分かれ目になります。

biteモード|アタックに独自のバイト感を足す

biteモードをONにすると、ピッキングニュアンスに独自のバイト感が加わります。ゲイン量そのものを増減させるスイッチではなく、弾いた瞬間のアタックの手触りを変えるためのもの。同じセッティングのままでも、OFFのときとは違う食いつきが得られます。

plexiスイッチ|歪み量が大きく減り、別のペダルへ

plexiスイッチをONにすると歪みの量が大幅に減り、プレキシ系アンプの独特のエッジ感を持つペダルへと様変わりします。ハイゲインの延長線上にある「歪みを絞った状態」ではなく、キャラクターごと切り替わる点がポイントです。

この状態を常時ONにして土台の音色として使い、必要な場面で他の歪みを重ねる、あるいはplexi側を軸にプリアンプ的に運用するといった組み方もできます。1台で歪みの段を2つ確保できるため、ボードの構成そのものが変わってきます。

内部トリムで音を追い込む

筐体内部には、BALANCE、RESONANCE、PRESENCEという3つのトリムが用意されています。それぞれ中域、超低域、高域を担当し、フロントパネルのtreble、middle、bass以上に大きく変化するEQとして機能します。

トリム主な帯域役割
BALANCE中域音の密度と前後の押し出しを決める
RESONANCE超低域低音の量感と胴鳴り感を調整する
PRESENCE高域抜けとエッジの立ち方を調整する

効き幅が大きいぶん、使用するギターやアンプに合わせて土台そのものを作り替えられます。フロントパネルのEQは日々の微調整、内部トリムは自分の機材に合わせた一度きりのセットアップ、という役割分担で考えると扱いやすくなります。

電源の注意点【購入前に必読】

JACKALは内部で18Vに昇圧して動作する設計のため、電源まわりの条件が通常のコンパクトエフェクターより厳格です。手持ちのパワーサプライがそのまま使えるとは限らないため、購入前に必ず確認してください。

  • 接続するアダプターは必ずDC9V出力・センターマイナス
  • 10V以上のアダプター(DC12V、DC18Vなど)を接続すると破損する
  • AC出力のアダプター(AC9Vなど)は使用できない
  • 分岐ケーブルは、他の端子のショートによって高い電圧が加わる場合があるため使用を控える
  • アダプターはスイッチングタイプを使用する

動作が案内されているアダプター

  • BOSS PSA-100S2
  • ZOOM AD-16
  • CAJ PB12DC9-2.1
  • FREE THE TONE FA-0905H-JA
  • FREE THE TONE FA-0905D-JA

使用できない・注意が必要な電源

9.6Vや9.8Vといった高めの出力を行うアダプターおよびパワーサプライは使用できません。

  • FREE THE TONE STABILIZED POWER 9.6 AC ADAPTER SP-9
  • K.E.S KIP-AC208MS
  • K.E.S KIP-V.A.C.9
  • K.E.S KIP-001
  • CAJ AC/DC Station VI など

また、以下の製品については突発的に10V以上の電圧が発生するなど、本機との相性に関わる問題が報告されています。

  • CAJ AC/DC Station ver.2
  • Noah’sark製パワーサプライ

ボードに組み込む前に、使用予定のパワーサプライがこのリストに該当しないかを確認しておくと安心です。

仕様

タイプディストーション/ドライブペダル
フロントパネルlevel、gain、treble、middle、bass、biteモードスイッチ、plexiスイッチ
内部トリムBALANCE、RESONANCE、PRESENCE
接続端子INPUT、OUTPUT、DC9V In
バイパス方式トゥルーバイパス
入力インピーダンス1MΩ
出力インピーダンス10kΩ以下
外形寸法W117 × D95 × H56mm
重量375g
電源DC9Vアダプター(センターマイナス/別売り)※内部で18Vに昇圧
消費電流48mA
付属品取扱説明書、保証書
JANコード4580558471119

JACKALが向いている人・向いていない人

向いている人

  • ハイゲインでもピッキングのニュアンスを残したいギタリスト
  • バンドアンサンブルで埋もれない、輪郭のある歪みを求めている人
  • クランチからディストーションまで1台でカバーしたい人
  • 内部トリムまで使って自分の機材に合わせ込みたい人
  • モダンで整理された歪みを好む人

向いていない人

  • 荒々しくルーズなヴィンテージ系ディストーションを求めている人
  • 電源環境の制約を受け入れたくない人(対応パワーサプライの確認が必須)
  • 幅117mm・高さ56mmのサイズをボードに確保できない人
  • つまみを1つ回すだけで完成する手軽さを優先したい人

JACKAL MIDNIGHTとの違い

Limetone AudioにはJACKAL MIDNIGHTという派生モデルがあります。名前は近いものの、搭載する機能と想定される使い方が異なります。

JACKALJACKAL MIDNIGHT
切り替え機能biteモード/plexiスイッチbright SW/preamp mode(ドライブとプリアンプの2モード)
キャラクターハイゲイン+プレキシ系エッジミドルゲイン〜ハイゲイン+プリアンプ動作
重量375g368g
外形寸法W117 × D95 × H56mm(共通)
消費電流48mA(共通)

plexiスイッチによる歪み量の大きな変化を求めるならJACKAL、プリアンプとして動作するモードが必要ならJACKAL MIDNIGHT、という選び分けになります。なお電源に関する注意事項は両モデル共通です。

よくある質問

levelつまみを回すとアンプからサラサラ、ガサガサという音がします。故障でしょうか?

故障ではなく仕様です。levelつまみを回した際にこうした音が出る場合がありますが、動作に問題はありません。

9Vの電池で駆動できますか?

電池には対応しておらず、DC9Vアダプター(センターマイナス/別売り)での駆動となります。内部で18Vに昇圧して動作するため、DC12VやDC18Vのアダプターを接続すると破損します。

手持ちのパワーサプライが使えるか分かりません。

DC9V出力・センターマイナスのスイッチングタイプであることが前提です。9.6Vや9.8Vといった高めの出力を行う製品は使用できず、一部のパワーサプライは相性に関わる問題が報告されています。本記事の「電源の注意点」で該当する製品名を確認してください。

plexiスイッチをONにすると、どのくらい歪みが変わりますか?

歪みの量が大幅に減り、プレキシ系アンプの独特のエッジ感を持つペダルへと変化します。ゲインをわずかに絞るというより、キャラクターごと切り替わる挙動です。

内部トリムの調整は必須ですか?

フロントパネルのコントロールだけでも音作りは完結します。内部トリムはフロントの3EQ以上に効き幅が大きいため、使用する機材に合わせてさらに追い込みたい場合に活用する位置づけです。

限定カラーモデルはありますか?

過去に楽器店限定カラーが企画されたことがあります。流通は時期によって変動するため、現在の取り扱いは各販売店でご確認ください。

まとめ

Limetone Audio JACKALは、ハイゲインの迫力とバンドの中での音抜けという、両立が難しい要素を正面から狙ったドライブペダルです。biteモードでアタックの手触りを変え、plexiスイッチで歪み量ごとキャラクターを切り替え、内部トリムで自分の機材に合わせ込む。この3段構えが、1台で長く使い込めるペダルにしています。

導入にあたって唯一気をつけたいのが電源環境です。内部18V昇圧という設計上、対応するアダプターやパワーサプライの条件が明確に決められています。そこさえクリアできれば、ハイゲインでも輪郭を失わないという明確な個性を、ボードの中心に据えることができます。

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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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