BEETRONICS SEABEE LITEは、BBD素子による純アナログ回路をデジタルコントロールで扱いやすくまとめた、リッチで音楽的なコーラスペダルです。名機Seabee Harmochorusの弟分にあたり、ハーモナイズのような複雑な機能を省くかわりに、上質なコーラスサウンドと、プラグインした瞬間に手が伸びるシンプルな操作性へと的を絞っています。蜂の巣を思わせるビートロニクスらしい佇まいはそのままに、甘く奥行きのある揺れであなたのサウンドに彩りを加えてくれる一台です。
信号はフルアナログ、利便性はデジタルで
Seabee Liteの音が通る信号経路は、BBD(Bucket Brigade Device)を核とした完全なアナログ回路です。プリセットの保存やMIDIといった利便性の部分だけをデジタルが受け持ち、肝心の音そのものはアナログのまま――この設計が、真のアナログコーラスならではの甘く艶のあるモジュレーションを生みます。80年代の名盤で耳にするクラシックなコーラスはもちろん、モードやフィードバック、フィルターを組み合わせれば、フランジャー寄りの深いうねりから、劣化したテープで再生したかのようなローファイなサウンドまで、幅広いキャラクターを引き出せます。
3つのモジュレーションモードと、Chorus / Vibee
フロントに並ぶFDBK・RATE・DEPTHの3ノブは、どれも直感的です。ここにMODEトグルが加わり、キャラクターの異なる3種類のモジュレーションを選べます。
- CLASSIC:トライアングルLFO(ディレイタイム約10ms)。広がりのある、耳なじみの良い王道コーラス。
- FLANGEE:独特なLFOカーブ(約5ms)。フランジャー寄りの、液体的にうねる質感。
- WOBBLEE:不規則なLFO(約25ms)。テープのように不安定に揺れる、ローファイなモジュレーション。
そしてもう一つの要が、Chorus / Vibeeの切り替えです。Chorusはドライとウェットを50:50でブレンドし、原音を残したまま自然な広がりを乗せるモード。対してVibeeは100%ウェットで、原音を残さず揺れそのものに振り切ったモードです。より深く、没入感のあるサウンドになり、後述するフィルターの効きもぐっと際立ちます。
ウェット信号を彩る3種類のフィルター
Seabee Liteのフィルターは、ウェット側の信号だけに作用する3ポジションのトグルです。
- BAND PASS:帯域を絞った、少しクセのあるフォーカスしたトーン。
- FLAT:フィルターなし。ウェット信号そのままの素直なサウンド。
- HIGH PASS:低域をすっきり保ったまま、モジュレーションを上に浮かせる。
Chorusモードでは低域を締めてタイトにまとめるトーン調整として、Vibeeモードでは音色そのものを積極的に作り込むツールとして――同じフィルターでもモードによって役割が変わるのが面白いところです。ローファイなビブラート的サウンドは、このVibeeとフィルターの組み合わせから生まれます。
2つのフットスイッチと、即興的なタップ操作
本機のフットスイッチは、バイパスとタップテンポの2つ。タップでモジュレーションを曲のテンポに同期できるほか、フットスイッチには「踏み続けている間だけ効果が変化する」ホールド(ランプ)機能が備わっています。演奏中にレートやデプスをリアルタイムで揺らし、瞬間的にサウンドを持ち上げるといった表現も可能で、単なるオン/オフに留まらないこの操作性がSeabee Liteの持ち味です。
モダンなリグに馴染む、必要十分な拡張性
シンプルな見た目とは裏腹に、現代の機材環境にすっと収まる装備も整っています。本体には合計16個のプリセットを搭載し、メニューを潜ることなくフットスイッチだけでスクロール・保存が可能です。MIDIとエクスプレッションコントロールに対応し、入力レベルはインストゥルメントからラインまで選べるため、ギターはもちろんベースやキーボード、シンセにも問題なく使えます。入力はモノ、出力はステレオ2系統で、Dry/Wetと位相反転の2オプションから選択が可能。消費電流は250mAです。ライブステージからレコーディングスタジオまで、必要な機能が演奏の邪魔にならない位置で待機してくれます。

![BEETRONICS ビートロニクス / SEABEE LITE [Analog Chorus] (PINK) 【Chorus】](https://effectorbox.com/wp-content/uploads/2026/08/beetronics-seabee-lite.jpg)