BEHRINGER WAHWAH は、1960年代のワウペダルが持っていた音色を出発点に設計された、オールアナログ回路のワウペダルです。フィルターの中核となるインダクターには、初期のワウを特徴づけた HALO スタイルのものが選ばれ、ペダルの踏み込みに対する周波数の動き方はカスタムテーパーのポテンショメーターによって作られています。
初期のワウを特徴づけた HALO スタイル・インダクター
ワウペダルの音色を左右する部品はいくつもありますが、なかでもインダクターの性格は、そのまま「そのワウらしさ」として表に出てきます。1966年に Thomas Organ 社が手がけた初期のワウに使われていたのは、中央に穴の空いたリング状の形から HALO と呼ばれるインダクターで、滑らかで人の声に近い響きを持つことから、後年に登場したさまざまなタイプのなかでも特に高く評価されてきました。
WAHWAH は、この HALO スタイルのインダクターを核にしたオールアナログ回路を採用しています。デジタル処理を挟まず、ペダルの動きがそのままフィルターの動きになる構成なので、踏み込みに対する反応の素直さがそのまま演奏の手応えにつながります。
500Hz〜2kHz を行き来するフィルターと 10dB のゲイン
公式スペックでは、ワウレンジは 500Hz から 2kHz、フィルターゲインは 10dB と示されています。ここはギターの音がバンドのなかで存在感を持つ帯域そのもので、ヒール側では 500Hz 付近のふくよかな中低域が、トウ側では 2kHz 付近の鋭い中高域が持ち上がります。低域まで落ち込まず、耳に刺さる高域にも届かない範囲に収まっているため、踏み込みのどこで止めても音楽的に使える位置に留まりやすい設計です。
フィルターゲイン 10dB という値は、ピークとなる周波数がどれだけ持ち上がるかを示すもので、ワウ特有の母音のような響きの強さを決めています。ペダルを止めたままにするいわゆるコック・ワウでも、この山がはっきり出ることで音の輪郭が変わります。なお S/N比 は、ヒールダウン・トウダウンのいずれの位置でも 85dB です。
スイープの表情を作るカスタムテーパーポット
ワウの弾き心地は、ペダルの角度に対してピーク周波数がどのカーブで動くかによって大きく変わります。同じ帯域を扱っていても、カーブの切り方次第で、踏み始めから一気に音色が変化するものもあれば、じわりと動くものもあります。WAHWAH に搭載されているのはヴィンテージ寄りのスイープを狙って設計されたカスタムテーパーのポテンショメーターで、細かく揺らすカッティングから、大きく踏み抜くソロまで、足の動きに対して連続的に音色が追従します。
ペダルボードに収めやすい筐体
外形寸法は 203.07 × 101.46 × 66.8mm(H×W×D)です。長く定番として使われてきたクライベイビー系のワウが奥行き 254mm 前後であることを踏まえると、幅はほぼ同じまま、奥行きだけが約 5cm 短いことになります。ワウはボード上で場所を取りやすい機材なので、この差はレイアウトを組むうえで効いてきます。
筐体はフルメタルシャーシで、リハーサルからステージまでの持ち運びと踏み込みを前提とした作りになっています。動作温度範囲は 5〜45℃ です。
操作と接続まわり
操作はシンプルで、ペダル先端を踏み込むとエフェクトのオン/オフが切り替わり、オンのあいだは EFFECT LED が点灯します。入出力はいずれも 1/4インチ TS のアンバランス端子で、入力インピーダンスは 1MΩ、出力インピーダンスは 1.5kΩ。バイパス方式はトゥルーバイパスなので、オフ時には信号がそのまま通過します。
電源は 9V DC センターマイナス、300mA 以上に対応し、ACアダプターは別売です。純正のアダプターとしては Behringer PSU-SB が指定されています。9V 電池での駆動にも対応していて、リア側のネジを緩めてバックプレートを開き、電池クリップに端子を押し込む方式です。消費電力は 0.9W なので、電池でもボードの電源からでも扱いやすい範囲に収まっています。
公式クイックスタートガイドの接続例では、WAHWAH をオーバードライブやファズの前段に置く配線が図示されています。ワウとファズの並び順は音色が大きく変わるポイントなので、まずはこの順序から試すと基準を作りやすくなります。
「Real McCoy」という呼び名について
この製品の型番は WAHWAH で、「Real McCoy」は製品名の一部ではありません。公式の製品情報には、記載されている各製品名は各社が所有する商標であり、サウンドモデルの開発中に参考にした製品を示す目的でのみ記載されている、という注記が添えられています。同じ名前を冠した他社製品も市販されているため、購入時は型番で確認しておくと確実です。
主なスペック
| タイプ | アナログ ワウペダル |
| 回路方式 | オールアナログ |
| インダクター | HALO スタイル |
| ワウレンジ | 500Hz〜2kHz |
| フィルターゲイン | 10dB |
| S/N比 | 85dB(ヒールダウン/トウダウン) |
| 入力 | 1×1/4インチ TS(アンバランス)/1MΩ |
| 出力 | 1×1/4インチ TS(アンバランス)/1.5kΩ |
| バイパス | トゥルーバイパス |
| 電源 | 9V DC センターマイナス、300mA 以上(ACアダプター別売/9V 電池駆動可) |
| 純正ACアダプター | Behringer PSU-SB |
| 消費電力 | 0.9W |
| 外形寸法(H×W×D) | 203.07 × 101.46 × 66.8mm |
| 重量 | 2.30kg |
| 動作温度範囲 | 5〜45℃ |
よくある質問
- 乾電池でも使えますか?
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9V 電池 1本で駆動できます。リア側のネジを緩めてバックプレートを開き、電池クリップに端子を押し込んで装着します。ACアダプターを使う場合は 9V DC センターマイナス、300mA 以上のものを別途用意してください。
- ワウがかかる帯域はどのあたりですか?
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公式スペック上のワウレンジは 500Hz〜2kHz、フィルターゲインは 10dB です。ヒール側で中低域、トウ側で中高域にピークが移動します。
- オフのときに音は変化しますか?
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バイパス方式はトゥルーバイパスです。エフェクトオフ時は信号が回路を通らずに出力へ送られます。
- 一般的なワウと比べてサイズはどれくらい違いますか?
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奥行きは 203.07mm です。奥行き 254mm 前後のクライベイビー系と比べると約 5cm 短く、幅(101.46mm)はほぼ同等です。
まとめ
BEHRINGER WAHWAH は、HALO スタイルのインダクターとカスタムテーパーポットという、初期のワウを形づくってきた要素をオールアナログ回路にまとめたワウペダルです。500Hz〜2kHz というスイープ範囲と 10dB のフィルターゲインは、ヴィンテージ志向のワウとして素直な設計で、トゥルーバイパスと 9V 電池駆動への対応、そして奥行きを抑えた筐体が、ボードに組み込むうえでの扱いやすさを支えています。
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