アンプのクリーンは気に入っている。でも、ソロで一歩前に出たいときだけ音が埋もれてしまう。かといって歪みペダルを踏むと、今度は元の音色まで変わってしまう。ブースターとオーバードライブのどちらを買うべきか、ここで足踏みしてしまう方は少なくありません。
XOTIC「BB Preamp」は、その両方をひとつの筐体に収めたペダルです。ゲインを絞れば30dB以上のクリーンブースト、上げていけば滑らかに歪むオーバードライブ。さらに±15dBのアクティブ2バンドEQが乗るため、音量を足すだけでなく、音の輪郭そのものを作り込めます。2005年の登場以来、AC Booster・RC Boosterと並ぶXOTICの看板として、20年近く現役であり続けているモデルです。
BB Preampはブースターか、オーバードライブか
製品名に「プリアンプ」とありますが、実際の使われ方はブースターとオーバードライブの中間にあたります。この幅を生んでいるのがプリゲインステージという回路構成で、極めてクリーンな状態から、コンプレッション感をともなった滑らかなオーバードライブまで、ゲインノブひとつで連続的に移り変わっていきます。
つまり、ゲインを絞りきったところは「音量とEQだけを足す装置」として働き、上げていくにつれて「歪みそのものを作る装置」へと役割が変わる。1台で2つの目的を兼ねられるのが、BB Preampが長く選ばれてきた理由です。
ブーストの幅は30dB以上。トランスペアレント系ブースターと呼ばれるペダルの多くが20dB前後であることを踏まえると、余裕のある設計といえます。
4つのコントロールでできること
GAIN/VOLUME
GAINは歪みの量、VOLUMEは出力レベルを受け持ちます。このペダルで最初に決めるべきはGAINの位置です。ここが「クリーンブーストとして使うのか」「歪みペダルとして使うのか」の分岐点になり、そのうえでVOLUMEを上げ下げして、アンプに送り込む量を調整していく流れになります。
VOLUMEには十分な余力があるため、ゲインを絞ったままでもアンプのプリ段を押し込むことができます。真空管アンプと組み合わせて、アンプ側のナチュラルな歪みを引き出す使い方も定番です。
TREBLE/BASS(±15dBのアクティブEQ)
BB Preampのトーン回路は、カットだけでなくブースト方向にも動くアクティブタイプです。可変幅は各バンド±15dB。センターがフラットで、そこから上げれば足し、下げれば引くという、直感的な操作になっています。
この±15dBという幅は、単なる音色の微調整にとどまりません。抜けが足りないシングルコイルのハーフトーンにトレブルを足す、ローが膨らむアンプでベースを削って輪郭を出す、といった「アンプ側では追い込みきれない部分」を補える範囲を持っています。トーンノブが1つしかないオーバードライブから乗り換えると、この自由度の差は大きく感じられるはずです。
セッティングの考え方
1. クリーンブースト(常時オン、あるいはソロ用)
GAINを最小付近まで絞り、VOLUMEでレベルを決めます。TREBLE・BASSはまずセンターに置き、そこから耳で微調整。ギターやアンプの持ち味を保ったまま、前に出したい音量分だけを足せます。バッファーとしても働くため、長いケーブルやパッシブなボードで高域が痩せる環境では、常時オンにしておくという選択肢もあります。
2. 単体オーバードライブ
GAINを9時〜1時あたりに設定し、VOLUMEでアンプとの音量差を合わせます。クランチからミッドゲインまでをここでカバー。EQは、アンプがこもりがちならTREBLEを少し上げ、ローが暴れるならBASSを少し下げるのが出発点になります。
3. 歪みペダルの後段に置いてソロブースト
GAINは低め、VOLUMEは高めに。出力インピーダンスが2kΩと低いため、後段の機器を選びにくく、歪みペダルとアンプの間に挟んでも信号が痩せにくい構成です。ソロで音量とミッドの密度を稼ぎたい場面で機能します。
9Vと18V、電源で変わるヘッドルーム
BB Preampは9V電池でも動きますが、ACアダプター使用時は9V〜18Vに対応します。電圧を上げるとヘッドルームが広がり、コンプレッション感の少ない、よりオープンな出力特性になります。逆に9Vでは早めに音がまとまり、粘りのある方向へ。同じセッティングでも印象が変わるため、パワーサプライに18V出力があるなら、両方試してみる価値があります。
センターマイナス、安定化電源推奨。消費電流は9VDC時で6mAと少なく、パワーサプライの容量を圧迫しません。18Vで使う場合は、必ず18V対応の出力端子を使用してください。
現行モデルと、中古で見かけるバリエーション
BB Preampを探し始めると、名前の似たモデルがいくつも出てきて戸惑うことがあります。整理しておきます。
- BB Preamp V1.5/2019年8月登場の現行モデル。オリジナルBB Preampの発展版という位置づけで、サウンドはそのままに、白ノブとバーミリオンオレンジの筐体へ刷新されました。新品で入手できるのはこのモデルです。
- 初代BB Preamp/2005年1月登場。鮮やかなオレンジ筐体に黒ノブ。中古市場の中心はこのモデルです。
- BB Preamp AT(Andy Timmonsモデル)ほか派生機/すでに生産を終えており、流通は中古のみ。回路の仕様が異なるため、同じ音を期待して選ぶと差を感じる可能性があります。
これから1台目として導入するなら、サポートや個体差のリスクを考えても現行のV1.5が無難な選択になります。
スペック
| コントロール | GAIN、VOLUME、TREBLE、BASS |
| EQ | 2バンドアクティブEQ(各±15dB) |
| ブースト量 | 30dB+(クリーンブースト) |
| バイパス | トゥルーバイパス |
| 電源 | 9V電池(006P)×1/ACアダプター(別売)9VDC〜18VDC センターマイナス・安定化電源推奨 |
| 消費電流 | 6mA(9VDC時) |
| 入力インピーダンス | 1MΩ |
| 出力インピーダンス | 2kΩ |
| 外形寸法 | W112×D60×H50mm |
| 重量 | 280g |
よくある質問
- BB Preampは歪みペダルとブースター、どちらとして買うべきですか?
-
どちらの用途にも対応します。GAINを絞ればクリーンブースト、上げれば単体で歪むオーバードライブとして機能する設計です。まずどちらの用途で使いたいかを決めてGAINの位置を定め、そこからVOLUMEとEQを合わせていくと迷いにくくなります。
- 18Vで駆動すると何が変わりますか?
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ヘッドルームが広がり、コンプレッション感が抑えられたオープンな出力特性になります。9Vでは音がまとまりやすく、粘りのある方向へ。どちらが良いかは組み合わせるアンプや好みによるため、18V出力のあるパワーサプライをお持ちなら聴き比べてみてください。
- 接続順はどこに置くのが基本ですか?
-
歪みとして使うなら歪み系のセクション内、ソロブーストとして使うなら他の歪みペダルの後段が基本です。出力インピーダンスが2kΩと低いため後段の機器を選びにくく、置き場所の自由度は高めです。
- 現行モデルと初代で音は違いますか?
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V1.5はオリジナルBB Preampの発展版として、サウンドを引き継ぎながら外観を刷新したモデルと位置づけられています。一方、ATをはじめとする派生機は回路の仕様が異なるため、同一のサウンドを前提に選ぶことは避けたほうが安全です。
- エフェクトオフのときに音質は変化しますか?
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トゥルーバイパス機構を採用しており、オフ時は信号への干渉が最小限に抑えられます。バッファーとしての恩恵を受けたい場合は、GAINを絞った状態で常時オンにするという使い方もあります。
まとめ
BB Preampは、30dB+のクリーンブーストと単体で成立するオーバードライブ、そして±15dBのアクティブ2バンドEQを1台にまとめたペダルです。ブースターと歪みのどちらを買うか決めきれない段階でも、両方向を試しながら自分の使い方を見つけていけます。9V〜18Vの電圧違いという調整幅も残されているため、ボードの構成が変わっても長く付き合いやすい1台です。
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