ゲインを上げていくと、さっきまで聴こえていたコードの中身がふっと分からなくなって、バンドで合わせたときには音の塊だけが残ってしまう。だからといって歪みを浅くすると、今度はどうにも押しが足りない。ディストーションを選んでいると、この二つのあいだを何度も行ったり来たりすることになります。
佐賀県のハンドメイドブランド、SEASIDESOUNDが手がけたNYAT(ニャット)は、その行ったり来たりを減らしたいという発想から生まれたディストーションです。思い切り歪ませても抜けが良いこと、そしてFILTERコントロールを気持ちよく回せる範囲に収めること。この二つが、NYATの出発点になっています。
80年代の質感を、いまのバンドの音に合わせ直す
NYATが土台にしているのは、80年代を代表するディストーションサウンドの魅力です。あの時代の歪みが持っていた手触りを受け継ぎながら、SEASIDESOUND独自のチューニングを重ねて、現代的なサウンドへとブラッシュアップされています。
深く歪ませても、音が埋もれていかない
NYATが目指しているサウンドは、コードを弾いたときに一音一音の分離が残っていて、単音に切り替えれば太く伸びるリードトーンになる、というものです。歪みの量を稼ごうとすると、まず失われがちなのが和音の粒立ちとシングルノートの芯ですから、その両方を手放さない方向でまとめられているわけです。
ピックアップの守備範囲も広く取られていて、シングルコイルからハムバッカーまで、どちらのギターでもきちんと使えるように作られています。ロックやブルース、ハードロック、オルタナティブと、ジャンルをまたいで持ち出せる懐の深さがあります。
1590Bというケースを選んだこと
NYATに使われているのは1590Bのアルミケースです。Hammond社の定番ダイキャストケースで、外形はおよそ112.4×60.5×31mm。MXRのコンパクトモデルなどと同じくらいの大きさ、といえば感覚がつかみやすいでしょうか。
比べてみると、BOSSのコンパクトは幅73mm×奥行129mmですから、NYATは幅でも奥行きでも一回り小さく収まります。ボードの列がもう埋まっていて、それでもあと一台だけ足したい——そんなときに、この差はけっこう効いてきます。ハンドメイド系の歪みには大きめの筐体を使う製品もありますので、置き場所の都合で候補から外さずに済むのは、地味ながらありがたいところです。
あなたの演奏に素直に応えてくれる、頼れるニャンコ!!
暴れん坊だけれど飼い主には従順なニャンコ。NYATにはそんなキャラクターが与えられています。深く歪ませたときの押しの強さと、弾いたとおりに返してくれる素直さ。その二つを一台の中に同居させようとしたディストーションだと思うと、この名前もなんだかしっくりきます。
BRAND
SEASIDESOUND
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