Fortin Amplification フォーティンアンプリフィケーション / ZUUL+【ノイズゲート】

ゲインを上げた瞬間から鳴り止まない「サー」というノイズ。ブリッジミュートの合間に漏れる不要な残響。Fortin AmplificationのZuul+は、この問題に「ゲートの判断材料をギター本体の生信号だけにする」という方法で答えを出したノイズゲートです。オリジナルのZuulが築いた回路を土台に、Key Thruとグラウンドリフト、そしてHold/Releaseコントロールを新たに備えた上位機にあたります。

目次

ギターの生音だけを見張るKey In/Key Thru

歪みの後ろにゲートを置くと、ゲートは歪んだ信号を見て開閉を判断することになります。ノイズフロアや倍音の残りに反応してしまい、狙った場所で閉じてくれない原因はここにあります。Key Inにギターを直接つなげば、ゲートが見るのはエフェクトを通る前のクリーンな信号だけ。ファズや強烈なディストーションの後ろでも、ピッキングに対して素直に開き、手を止めれば閉じます。

ゲート本体は歪み系の後段、ディレイやリバーブの手前に置かれるため、空間系の余韻を切り落とすこともありません。従来はこの接続に外部スプリッターが必要でしたが、Zuul+はKey Thruからそのまま後段のペダルへ信号を送れます。ボード上の配線とスペースがひとつぶん軽くなる設計です。Key In/Key Thru系統には専用のグラウンドリフトスイッチが用意され、3ケーブル/4ケーブルメソッドで起きがちなグラウンドループを断ち切れます。

切れ際の表情を決めるHoldとRelease

Gateはゲートが開くために必要な信号レベル、つまり感度を決めるつまみです。ここにZuul+ではHoldとReleaseが加わります。Holdは信号が一瞬途切れたときにゲートを開いたまま保つ時間、Releaseはホールドタイムが終わってから完全に閉じきるまでのフェードアウト時間を受け持ちます。

Releaseを浅くすれば音は鋭く断ち切られ、ジェント系のスタッカートに欠かせない歯切れが手に入ります。深くすればゆるやかに減衰し、サステインを残したまま自然にノイズだけが消えていく。同じフレーズでも、ゲートの閉じ方ひとつで曲の印象は変わります。その質感を数ミリ秒単位で自分の側に引き寄せられるのが、Zuul+の効きどころです。

音色への影響と、導入前に確認したいこと

Zuulシリーズはアンプや信号経路の音色に色付けをしない設計で、ゲートを踏んだ途端に音痩せするという類の心配はいりません。ただしバッファーを通す仕様のため、ボードに他のバッファーがない環境では高域の出方が変わったように感じられることがあります。筐体はアメリカ本国製、スイッチは業界標準の3DPTメカニカルによるトゥルーバイパスで、2ケーブル/3ケーブル/4ケーブルメソッドのいずれにも対応します。

エフェクトループで使う場合の注意

Zuulをアンプのエフェクトループに入れて使うには、そのループがシリアル(直列)である必要があります。パラレルループでは正しく動作しません。ループでの不具合はほとんどがこの点に起因するため、導入前にお使いのアンプのループ方式を確認しておくと確実です。

Fortin Zuul+ 基本スペック

コントロールGate / Hold / Release
入出力In、Out、Key In、Key Thru
スイッチ3DPTメカニカル・トゥルーバイパス、Key In/Key Thru用グラウンドリフト
対応接続2ケーブル/3ケーブル/4ケーブルメソッド
電源9〜12V DC センターマイナス(安定化電源、アダプターは別売)
消費電流40mA(9V時)
サイズ112 × 60 × 27mm(W/D/H、ノブ・スイッチを除く)
重量360g(出荷重量)
製造アメリカ製
保証Fortin限定1年保証
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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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