ギターを弾きながら、ローズのまろやかな響きやウーリッツァーの歯切れのいいトーンを鳴らしたい。electro-harmonix KEY9 Electric Piano Machineは、そんな願いにペダル1台で応えてくれるエフェクターです。ギターやキーボードの音を、エレクトリックピアノをはじめとする9種類の鍵盤・打楽器サウンドへと変身させます。
オルガンサウンドで人気を集めたB9、C9 Organ Machineに続く一台で、EHXはこの3機種をひとつの三部作として位置づけています。サウンドの例としてEHXが挙げるのは、ドアーズ「Riders on the Storm」のようなグルーヴや、レイ・チャールズ「What’d I Say」のようなファンク。鍵盤の音色をギタリストの手元に届けてくれるペダルです。
ローズもウーリッツァーも。9つのプリセットで広がる鍵盤サウンド
操作はとてもシンプルです。PRESETノブでサウンドを選び、DRYノブで原音、KEYSノブでエフェクト音の音量を決めます。CTRL 1とCTRL 2の2つのノブは、選んだプリセットに合わせて役割が変わります。ひとつのノブにそれぞれの楽器らしさを決める要素が割り当てられているので、迷わず音を追い込めます。
エレクトリックピアノ系のプリセット
エレクトリックピアノ系は、ローズとウーリッツァーを軸にした5種類です。DYNAMOは、1970〜80年代に使われた改造ローズ「Dyno My Piano」がモチーフ。WURLIはウーリッツァーの定番サウンドです。SUITCASEはフェイザーを通したローズ、EIGHTY EIGHTはトレモロ内蔵のローズ88を再現しています。TRI-GLORIOUSでは、Dytronics/Dyno MyのCS-5トライ・ステレオ・コーラスのサウンドを楽しめます。
マレット、オルガン、スティールドラムまで
KEY9の音色はエレピだけにとどまりません。木製マリンバのMALLETS、モーター式トレモロ付きヴィブラフォンのVIBES、タッチに敏感に反応するパーカッシブなORGAN、金属的な響きのSTEEL DRUMSも入っています。アレンジに打楽器や鍵盤の彩りを加えたいときにも心強い存在です。
| プリセット | サウンド | CTRL 1 | CTRL 2 |
|---|---|---|---|
| 1. DYNAMO | Dyno My Piano仕様のローズ | 低音弦側の低域を加える | ティン(高域の倍音) |
| 2. WURLI | ウーリッツァー | トレモロの深さ | トレモロの速さ |
| 3. SUITCASE | フェイザーを通したローズ | ベースオクターブの付加とティンの調整 | フェイザーの速さ |
| 4. MALLETS | 木製マリンバ | コーラスの深さ | コーラスの速さ |
| 5. EIGHTY EIGHT | トレモロ内蔵のローズ88 | トレモロの深さ | トレモロの速さ |
| 6. TRI-GLORIOUS | CS-5トライ・ステレオ・コーラス | コーラスの深さ | コーラスの速さ |
| 7. VIBES | モーター式トレモロ付きヴィブラフォン | 高音のアタック | トレモロの速さ |
| 8. ORGAN | パーカッシブなオルガン | 高域(トレブル) | ロータリースピーカーの速さ |
| 9. STEEL DRUMS | スティールドラム | コーラスの深さ | コーラスの速さ |
揺れや広がりまで1台で完結
エレピらしさを大きく左右するのが、トレモロやフェイザー、コーラスといった揺れの表現です。KEY9では多くのプリセットにこうしたモジュレーションが組み込まれていて、深さや速さをCTRLノブで調整できます。ORGANではロータリースピーカーの速さまで操作できるので、別途モジュレーションペダルを用意しなくても、それらしい雰囲気がすぐに手に入ります。
原音を活かせる2系統の出力
出力はKEYS OUTPUTとDRY OUTPUTの2つです。KEYS OUTPUTからは、DRYノブとKEYSノブで決めた原音とエフェクト音のミックスが出力されます。DRY OUTPUTからは、入力された原音がバッファーを通して常に出力されます。エフェクトのオン/オフにかかわらず原音を取り出せるので、ギターの音とエレピの音を別々のアンプへ振り分けるといった使い方にも対応できます。
KEY9の実力を引き出すセッティングのコツ
KEY9はエフェクトチェーンの先頭に置くのが基本です。モジュレーション、ディレイ、リバーブはKEY9の後ろにつなぎます。アンプのエフェクトループに入れる使い方には向いていません。
ギターはブリッジ側のピックアップが基本ですが、プリセットによってはネック側でもよく鳴ります。ピックアップの出力が控えめな場合は、KEY9の前にクリーンブースターやコンプレッサーを置くと追従が安定します。歪み系ペダルを前段に置くと入力信号が濁り、トラッキングが不安定になります。歪ませたいときはKEY9の後ろに置いてください。
KEY9は弾いたフレーズに素直に追従するので、チョーキングもそのまま音程に反映されます。本物のエレクトリックピアノは音程が曲がらない楽器なので、ベンドを控えめにするとぐっとリアルに聴こえます。なお、VIBESやMALLETSは高音域になるほど倍音が少なくなる楽器の性質上、ギターでは1弦15フレットあたりまでが実用的な音域の目安です。
B9・C9と組み合わせて鍵盤リグを組む
KEY9は、同じシリーズのB9、C9 Organ Machineと組み合わせる使い方も想定されています。オルガンサウンドのB9・C9とエレピサウンドのKEY9を並べれば、足元だけで本格的な鍵盤リグを組めます。曲ごとにオルガンとエレピを弾き分けたいギタリストにとって、頼もしい組み合わせになるはずです。
スペック
| 回路 | デジタル |
| バイパス方式 | バッファードバイパス |
| オーディオ | モノラル |
| コントロール | DRY、KEYS、CTRL 1、CTRL 2、PRESET、BYPASSフットスイッチ |
| 入出力端子 | INPUT、KEYS OUTPUT、DRY OUTPUT |
| 入力インピーダンス | 1MΩ |
| 出力インピーダンス | 500Ω(両出力) |
| 電源 | 9V DC センターマイナス(9.6V DC 200mA アダプター付属) |
| 消費電流 | 100mA |
| サイズ | 約102(W)×121(D)×57(H)mm |
| 発売年 | 2015年 |
よくある質問
- KEY9はキーボードにも使えますか?
-
使えます。ギターとキーボードのどちらの音も、エレクトリックピアノなどのサウンドに変えられます。
- エフェクターボードのどこに置けばいいですか?
-
エフェクトチェーンの先頭がおすすめです。モジュレーションや空間系は後ろにつなぎます。歪み系を前に置くと追従が不安定になるので、歪ませたい場合もKEY9の後ろに置いてください。
- 電源はどうすればいいですか?
-
9.6V DC 200mAのアダプターが付属しています。本体の消費電流は100mAで、センターマイナスのプラグに対応しています。パワーサプライを使う場合は、電流容量と極性を確認してから接続してください。
- ステレオ出力に対応していますか?
-
KEY9はモノラル仕様です。出力はKEYS OUTPUTとDRY OUTPUTの2つで、原音だけを別系統へ送れます。
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