曲間のわずかな時間に、チューニングを手早く確かめておきたい。足元のペダルが増えるにつれて、音の輪郭が少しずつ細くなってきた。TC ELECTRONICのPolytune 3は、そのどちらにもひとつの筐体で応えてくれるペダルチューナーです。
全弦をジャランと鳴らすだけで6本の状態が一度にわかるポリフォニック・チューニング。±0.02セントまで音程を追い込めるストローブモード。そして同社のBonaFide Bufferも内蔵しています。チューナーとバッファーを兼ねる一台として、ボードの入口を任せられるモデルです。
Polytune 3はどんなチューナー?
2010年に登場した初代Polytuneは、全弦を同時に表示するポリフォニック・チューニングで、ペダルチューナーの使い方を大きく変えました。Polytune 3はその流れを汲むシリーズの3代目です。Polytune 2までの使いやすさはそのままに、TC ELECTRONICが自社で開発したBonaFide Bufferを新たに組み込んでいます。
チューナーとしての速さと正確さに加えて、ケーブルやペダルを通るうちに失われがちな音のハリを支える役目も担います。足元のスペースを増やさずに、ひとつで二役をこなせるのがこのペダルの持ち味です。
Polytune 3の主な特徴
ポリフォニック・クロマチック・ストローブの3モード
全弦を一度に鳴らせばポリフォニック表示になり、どの弦がずれているかがひと目でわかります。1本だけ弾けばモノフォニック表示へ自動で切り替わるので、モードを切り替える手間はありません。
単音のチューニングは、±0.5セントの高速なクロマチックモードと、±0.02セントで合わせ込めるストローブモードから選べます。ステージでは素早く、レコーディング前にはじっくりと、場面に合わせて使い分けられます。
BonaFide Bufferとトゥルーバイパスを切り替えられる
内蔵のBonaFide Bufferは、入力インピーダンス1MΩ、出力インピーダンス100Ω、S/N比112dB超という仕様のアナログ・バッファーです。長いシールドや多くのペダルを経由しても、信号を劣化させずに後段へ送り出します。
バッファーを使わない場合は、トゥルーバイパスに切り替えられます。ボード全体の設計に合わせて選べるのは大きな利点です。
演奏しながら音程を確認できる「Always On」
通常はフットスイッチを踏むと出力がミュートされ、チューナーが起動します。バッファーモードでは「Always On」を使え、音を止めずに演奏中もピッチを表示させておけます。弾きながら弦の伸びや音程のズレを確認したいときに便利です。
明るさを自動で調整する109個のLEDディスプレイ
ディスプレイには高輝度LEDが109個使われています。環境光センサーが周囲の明るさに合わせて輝度を自動で調整するので、日差しの強い野外でも照明を落としたステージでも見やすさが変わりません。
ギターにもベースにも、変則チューニングにも
ギターとベースの両方に対応し、レギュラー以外のチューニングにも合わせられます。基準ピッチはA=435〜445Hzの範囲で1Hz刻みに設定でき、他の楽器と合わせるときにも困りません。
Polytune 3のスペック
| チューニングモード | ポリフォニック/クロマチック/ストローブ |
|---|---|
| 精度 | クロマチック:±0.5セント/ストローブ:±0.02セント |
| 基準ピッチ | A=435〜445Hz(1Hz単位) |
| ディスプレイ | 109個の高輝度LED、環境光センサー搭載 |
| バイパス方式 | トゥルーバイパス/バッファード・バイパス切替(工場出荷時はトゥルーバイパス) |
| バッファー | BonaFide Buffer(入力1MΩ/出力100Ω/S/N比112dB超) |
| 電源 | 9V DCアダプター(センターマイナス・100mA以上、別売)または9V電池(6LR61) |
| サイズ | 幅72×奥行122×高さ50mm |
| 重量 | 300g |
基本的な使い方
- エフェクトボードに組み込み、9Vアダプターまたは9V電池で電源を確保します。
- バッファーを使いたい場合は、取扱説明書の手順に沿ってバッファーモードに切り替えます(初期設定はトゥルーバイパスです)。
- フットスイッチを踏むと出力がミュートされ、チューナーが起動します。
- 全弦をまとめて鳴らすとポリフォニック表示、1本だけ弾くとモノフォニック表示で音程を確認できます。
- 合わせ終わったら、もう一度フットスイッチを踏んで演奏に戻ります。
ポリフォニックとモノフォニックの切り替えは弾き方だけで済むので、操作に迷う場面がほとんどありません。ペダルチューナーを初めて使う人にも扱いやすい作りです。
Polytune 3 MiniやBOSS TU-3との違い
| モデル | チューニング方式 | 精度 | バイパス方式 |
|---|---|---|---|
| Polytune 3 | ポリフォニック/クロマチック/ストローブ | ストローブ±0.02セント/クロマチック±0.5セント | トゥルーバイパス/バッファー切替 |
| Polytune 3 Mini | ポリフォニック/クロマチック/ストローブ | ストローブ±0.02セント | トゥルーバイパス/バッファー切替 |
| BOSS TU-3 | クロマチック(ギター/ベースモードあり) | ±1セント | バッファード・バイパス |
Polytune 3 Miniは、3つのチューニングモードとBonaFide Buffer、Always Onを小さな筐体にまとめた兄弟機です。サイズは幅51×奥行45×高さ93mm、重量は160gで、ボードのスペースを最優先したいときに向いています。一方で電池は使えず、電源はアダプターのみです。
BOSS TU-3は、21個のLEDメーターと高輝度モードを備えた定番のクロマチック・チューナーです。全弦を同時に確認できるポリフォニック表示と、バイパス方式を選べる自由度は、Polytune 3ならではの強みです。
Polytune 3が合うプレイヤー
- ライブの曲間など、限られた時間で全弦の状態をまとめて確かめたい人
- ボードが大きくなり、チューナーとバッファーを一台にまとめたい人
- レコーディングやセットアップで、ストローブの精度まで追い込みたい人
- ギターとベースを持ち替えながら、一台のチューナーで済ませたい人
導入前に確認しておきたいポイント
Polytune 3は幅72×奥行122×高さ50mmで、一般的なコンパクトペダルと同じくらいの大きさです。ボードの空きスペースに収まるか、事前に寸法を確かめておくと安心です。
工場出荷時はトゥルーバイパスに設定されています。BonaFide BufferやAlways Onを使いたい場合は、バッファーモードへの切り替えを忘れないようにしましょう。電源アダプターは付属しないので、9V DC・センターマイナス・100mA以上に対応したものを用意してください。
まとめ|チューナーとバッファーを一台に任せるならPolytune 3
Polytune 3には、全弦を一度に見渡せるポリフォニック表示、±0.02セントのストローブモード、そして信号を支えるBonaFide Bufferがひとつにまとまっています。曲間の素早いチェックからセットアップ時の細かな追い込みまで、足元のチューナーに求める役割を幅広くこなしてくれます。
ボードの入口をどう組むか考えているなら、まず候補に入れておきたい一台です。
よくある質問(FAQ)
- Polytune 3とPolytune 3 Miniの違いは?
-
どちらも3つのチューニングモードとBonaFide Bufferを搭載し、Always Onにも対応しています。主な違いはサイズと電源です。Polytune 3は幅72×奥行122×高さ50mm・300gで、9V電池でも動きます。Miniは幅51×奥行45×高さ93mm・160gと小さく、電源はアダプターのみです。
- ベースのチューニングにも使えますか?
-
はい、ギターとベースの両方に対応しています。
- 電池でも動きますか?
-
9V電池(6LR61)で動作します。ボードに組み込む場合は、9V DC・センターマイナス・100mA以上に対応したアダプターやパワーサプライを使うと安定して運用できます。アダプターは別売です。
- チューニング中は音がミュートされますか?
-
フットスイッチでチューナーをオンにしている間は、出力がミュートされます。バッファーモードではAlways Onを使え、ミュートせずに演奏しながら音程を表示できます。
- 買ったときの設定はトゥルーバイパスとバッファーのどちらですか?
-
工場出荷時はトゥルーバイパスです。バッファーを使う場合はバッファーモードに切り替えてください。
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