アメリカン・ハイゲインの歪みを、ペダルボードの上で。VOX CUTTING EDGE(VE-CE)は、新真空管Nutubeを回路の中心に据えたVALVENERGYシリーズの1台です。リフに向いた輪郭のはっきりした歪みから、リードに向いた厚みのある歪みまでを4つのトーン・コントロールで作り分けられます。
Nutubeが受け持つ、真空管らしい反応
Nutubeは、コルグとノリタケ伊勢電子が蛍光表示管の技術を応用して開発した真空管です。従来の真空管と同じくアノード・グリッド・フィラメントの構造を持ち、完全な3極真空管として動作します。豊かな倍音と、ピッキングの強弱にきちんとついてくるレスポンス。CUTTING EDGEはこのNutubeを回路の中心に置くことで、真空管アンプに近い歪み方をコンパクト・ペダルのサイズに収めています。
歪みのキャラクターとして狙っているのは、アメリカン・ハイゲインのチューブ・アンプ。ゲインを上げても音がつぶれて団子にならず、刻んだ音の粒が残るタイプの歪みです。
本体に強い衝撃が加わったとき、高音域のノイズが出力されることがあります。これはNutubeの構造によるもので、故障ではありません。
9Vを15Vに昇圧する回路設計
VALVENERGYシリーズは、9Vの電源電圧を15Vに昇圧し、その電圧ですべてのアナログ回路を駆動しています。ゲインとヘッドルームに余裕が生まれるぶん、強く弾いたときの音の伸びやダイナミクスの出方が変わってきます。9V駆動のペダルでありながら余裕のある鳴り方をするのは、この設計によるものです。
そのぶん消費電流は95mAと大きめです。電池でも動作しますが、連続使用での電池寿命は約2時間。ライブやリハーサルではACアダプター(KA181/別売)の使用が前提と考えておくと安心です。
3つの出力モードで、使える場所が広がる
MODEスイッチで出力モードを切り替えられるのが、CUTTING EDGEの実用面での大きな強みです。
STANDARD:普通の歪みペダルとして
一般的なストンプ・ボックスとして動作します。ギター・アンプのインプットに接続する、いつもの使い方です。
PREAMP:アンプのリターンに挿してプリアンプに
プリアンプ信号を出力します。ギター・アンプのFX LOOP(RETURN)端子や、ギター用パワー・アンプへの接続に適したモードです。外部のキャビネット・シミュレーターやIR(インパルス・レスポンス)と組み合わせることもできるので、アンプのプリ段を丸ごと置き換える運用ができます。
CAB-SIM:ミキサーやDAWへ直結
独自設計のキャビネット・シミュレーター回路を通り、キャビネットをマイキングしたようなサウンドが得られます。ミキサーやDAWといったライン機器への接続向けで、宅録やライン出しのときはこのモードが出番です。
アンプの前、アンプのリターン、オーディオインターフェイス。この3つを1台でまかなえるため、自宅からスタジオ、レコーディングまで同じ歪みで通せます。
TIGHTノブが効く、ローエンドの追い込み
CUTTING EDGEはBASS・MIDDLE・TREBLEの3バンドEQに加えて、TIGHTノブを搭載しています。役割はローエンドの調節。ファットなリズム演奏でローエンドを抑えて輪郭を出したり、逆にパワフルなリフでローエンドを強調したりと、両方向に振れます。
ハイゲインでは低域の処理がそのまま音の締まりに直結します。EQでカットするのとは別軸で低域を作り込めるコントロールが独立しているのは、モダンなハイゲイン・サウンドを狙ううえで実用的です。
リンク機能で、チャンネル切り替えのように使う
LINK端子を備えたVOXエフェクト・ペダル同士を、市販の3.5mmミニ・フォーン・ケーブルで接続できます。複数台つないだ状態で1台をオンにすると、他は自動的にバイパスになる仕組みです。マルチチャンネル・アンプのチャンネルを切り替えるような操作感で、クランチとハイゲインを踏み替えられます。
接続は最大5台まで。3台以上つなぐ場合は市販の分岐ケーブル(ステレオ・ヘッドホン用の分岐タイプも使用可)を使います。ただし、ステレオをL・Rに分けるタイプの分岐ケーブルと、抵抗入りケーブルは使用できません。
波形が見えるOLEDディスプレイ
本体中央のコントラストの高いOLEDディスプレイには、オシロスコープ機能が搭載されています。Nutube回路を通った歪み特性が波形として表示されるので、ノブを回したときに信号がどう変化しているかを目で追えます。
暗いステージで光りものを減らしたいときは、DISPLAY OFFモードで波形表示を消すことも可能です。電源オフの状態でMODEスイッチをSTDにし、EFFECTスイッチを押しながら電源をオン。インジケーターが点灯したらスイッチを離すと「DISP OFF」と表示され、電源を切るまでこの状態が維持されます。
主なスペック
| 型番 | VE-CE |
| タイプ | Nutube搭載 ハイゲイン・ディストーション |
| コントロール | GAIN、VOLUME、TREBLE、MIDDLE、BASS、TIGHT、MODEスイッチ |
| 出力モード | STANDARD/PREAMP/CAB-SIM |
| 接続端子 | INPUT(6.3mmモノラル・フォーン)、OUTPUT(6.3mmモノラル・フォーン)、DC9V、LINK(3.5mm TSミニ・フォーン) |
| 入力/出力インピーダンス | 1MΩ/1kΩ |
| 消費電流 | 95mA(DC9V) |
| 電源 | 9V形アルカリ乾電池(6LF22/6LR61)×1、またはACアダプターKA181(別売) |
| 電池寿命 | 約2時間(連続使用時) |
| 外形寸法(W×D×H) | 72mm×120mm×55mm(突起物含む) |
| 質量 | 350g(電池含む) |
よくある質問
- アンプのリターンに挿して使えますか?
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PREAMPモードに切り替えることで、ギター・アンプのFX LOOP(RETURN)端子やギター用パワー・アンプに接続できます。外部のキャビネット・シミュレーターやIRとの組み合わせにも対応します。
- 電池だけで運用できますか?
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9V形アルカリ乾電池での動作に対応していますが、消費電流が95mAと大きく、連続使用での電池寿命は約2時間です。長時間の使用にはACアダプターKA181(別売)が推奨されています。
- 何台までリンクできますか?
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最大5台までです。3台以上をつなぐ場合は市販の分岐ケーブルを使用します。ステレオをL・Rに分けるタイプの分岐ケーブルと、抵抗入りのケーブルは使用できません。
- ディスプレイの表示は消せますか?
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DISPLAY OFFモードで消灯できます。電源オフの状態でMODEスイッチをSTDにし、EFFECTスイッチを押しながら電源をオン、インジケーター点灯後にスイッチを離します。この設定は電源を切るまで維持されます。
- TIGHTノブはEQとどう違いますか?
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TIGHTノブはローエンドそのものを調節するコントロールです。BASSノブが低音域の音色を整えるのに対し、TIGHTはファットなリズム演奏で低域を抑えたり、パワフルなリフで低域を強調したりといった使い分けができます。
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