QUICK GUIDE
JHSの定番Morning Glory V4と、KlonタイプのNOTAKLÖNを縦型の1台にまとめた2in1オーバードライブ。左右に独立した入出力とRed Remote端子があり、足元で4つのゲインを切り替えたり、2台のペダルとしてスイッチャーに組み込んだりできます。
- ブランド
- JHS Pedals
- 種類
- オーバードライブ・ブースター
- 対応楽器
- ギター用
JHS Pedalsの定番オーバードライブ「Morning Glory V4」と、Klonタイプの「NOTAKLÖN」を縦型の1台にまとめた2in1ペダルです。左右それぞれに独立した入出力とRed Remote端子があり、ふつうの2in1として重ねがけするだけでなく、2台の別々のペダルとしてスイッチャーに組み込むこともできます。
創業者がずっと足元に置いてきた2台
JHS Pedalsの創業者ジョシュ・スコットは、2009年からどのペダルボードにも同じ2台を置いてきました。ひとつはMorning Glory。マーシャル・ブルースブレイカーをジョシュなりに解釈して設計した、JHSでいちばん売れたペダルです。もうひとつはKlon系のオーバードライブ。1995年にビル・フィネガンが生んだKlonの歪みに惚れ込み、ジョシュはその後もずっと手を加え続けてきました。
そのモディファイが「シャムロック・モッド」です。名前は、Klonの生まれ故郷ボストンの球団ボストン・セルティックスのロゴ(三つ葉のクローバー)にちなんだもの。2023年には、はんだ付け不要のDIYキット「NOTAKLÖN」に組み込まれました。WANDERERは、この2つの回路を、ジョシュ自身のボードと同じ組み合わせで1台に収めたペダルです。
4つのジャックで、2台のペダルとしても使える
これまでの2in1ペダルは、2つの回路が中でつながっていました。順番は入れ替えられても、間にほかのペダルを挟んだり、スイッチャーで別々のループに入れたりはできません。WANDERERはここを変えています。
右端のメイン入力と左端のメイン出力を使えば、ふつうの2in1と同じように2つの回路が直列につながります。中央のオーダー・トグルは先に通る回路の側を指し、NOTAKLÖNとMorning Gloryのどちらを前段にするかを選べます。
いっぽう、回路ごとの個別の入出力ジャックを使うと、2つの回路は完全に独立します。間にコンプレッサーやファズを挟むことも、スイッチャーの別々のループに入れて、プリセットで2台のペダルとして呼び出すこともできます。この使い方のときはオーダー・トグルは回路から外れます。ケースと電源を共有した2台のペダル、と考えるとわかりやすいでしょう。ジャックと電源はすべて上面にあるので、ボードに並べても配線がまとめやすい作りです。
2つのフットスイッチで、4つのゲイン
左右にはそれぞれトグルスイッチがあり、どちらも単にクリッピング・ダイオードを替えるだけのスイッチではありません。
Morning Gloryの「GAIN」トグルを上げると、ゲイン段がまるごと1段追加されます。LEDが赤に変わり、歪みが増えて音量も少し上がり、音にぐっと厚みが出ます。NOTAKLÖNの「+/-」トグルはシャムロック・モッドのスイッチで、上げるとゲインが+4dB増え、中域が持ち上がり、ハードクリッピングが1段加わります。下げた状態はKlonのオリジナルのボイシングです。
どちらのトグルにも専用のRed Remote端子があり、足元から切り替えられます。Red Remoteのほか、ラッチ式のアンプ用フットスイッチでも操作でき、アンプ・コントロール出力のあるスイッチャーならプリセットから両方を切り替えられます。つまみに触れずに、リズム用とリード用の音が2つずつそろうわけです。
| 回路 | トグル | 音の性格 |
|---|---|---|
| Morning Glory | GAIN 下(LED 青) | 開放的で反応のよい標準のオーバードライブ |
| Morning Glory | GAIN 上(LED 赤) | ゲイン段が1段増え、より厚く歪む |
| NOTAKLÖN | +/- 下 | Klonのオリジナルのボイシング |
| NOTAKLÖN | +/- 上(シャムロック・モッド) | +4dB・中域を強調・ハードクリッピングを追加 |
- Morning Glory V4とNOTAKLÖNを縦型の1台に収めた2in1
- 回路ごとの個別入出力で、間にペダルを挟んだり別々のループに入れたりできる
- 左右のトグルにRed Remote端子があり、足元で4つのゲインを切り替えられる
- NOTAKLÖNはGAIN最小で最大+16dBのクリーンブースターになる
- Morning Gloryの高域をおさえるBright Cutスイッチ付き
左右のつまみとスイッチ
左側がNOTAKLÖN、右側がMorning Glory V4です。つまみは左右3つずつで、使い慣れた単体ペダルと同じ感覚で扱えます。
| 場所 | コントロール | 働き |
|---|---|---|
| NOTAKLÖN(左) | VOLUME | 出力音量 |
| NOTAKLÖN(左) | GAIN | 歪みの量。左いっぱいでクリーン、上げるにつれ中域も増える |
| NOTAKLÖN(左) | TREBLE | 高域のブースト/カット。12時がフラット |
| NOTAKLÖN(左) | +/- トグル | シャムロック・モッドのオン/オフ |
| Morning Glory(右) | VOLUME | 出力音量 |
| Morning Glory(右) | DRIVE | 歪みの量。上げるほど明るさも加わる |
| Morning Glory(右) | TONE | 明るさ。右で明るく、左で暗く |
| Morning Glory(右) | GAIN トグル | 上でハイゲインモード(LEDが赤) |
| Morning Glory(右) | Bright Cut | 右側面の埋め込みスイッチ。最高域をカット |
| 中央 | オーダー・トグル | メイン入出力使用時に、前段にする回路を選ぶ |
ジョシュ・スコット流のセッティング
ジョシュ自身の使い方は、Morning Gloryを前段にして常時オン。トーンはフラットで、アンプが歪み始める手前あたりに合わせます。その上にNOTAKLÖNを重ねたのがリズムの音です。もっと大きなリズムが欲しいときはMorning Glory側のRed Remoteを、リードではNOTAKLÖN側のRed Remoteを踏みます。
歪みの強い側を先にしたいときは、オーダー・トグルを倒すだけです。NOTAKLÖNはGAINを左いっぱいにするとクリーンブースターになり、VOLUMEと合わせて最大+16dBまで持ち上げられます。すでに歪み始めているアンプをもうひと押ししたいときに便利です。シングルコイルでもハムバッカーでも使え、システム全体が明るすぎると感じたら、Morning Gloryの側面にあるBright Cutスイッチで最高域をおさえられます。
単体ペダルとどう違う?
右側の回路は、単体のMorning Glory V4と同じMorning Glory V4です。単体にもRed Remote端子とBright Cutスイッチがありますが、WANDERERではそこにNOTAKLÖNが加わり、2台を自由に組み合わせられるようになっています。クリーンの芯を残す方向を求めるなら、クリーンのブレンドができるMorning Glory CLEANもあります。
すでにMorning GloryとKlon系のペダルを並べている人なら、そのドライブ・セクションを省スペースで置き換えられます。2in1は回路が分けられないからと避けてきたスイッチャー派にも、個別の入出力は大きな魅力です。いっぽうで、Klon系だけをコンパクトに足したいならWARM AUDIO Centavo Modのような単体ペダルのほうが、ボード上の場所も予算もおさえられます。
仕様と電源
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | JHS Pedals WANDERER |
| 種類 | 2in1オーバードライブ(Morning Glory V4/NOTAKLÖN) |
| コントロール | NOTAKLÖN:VOLUME、GAIN、TREBLE、+/-トグル/Morning Glory:VOLUME、DRIVE、TONE、GAINトグル、Bright Cutスイッチ/オーダー・トグル |
| フットスイッチ | 2(左右の回路のオン/オフ) |
| 端子 | メイン入力・出力、回路ごとの個別入力・出力、Red Remote端子×2(上面ジャック) |
| バイパス | バッファード・バイパス(サイレント・ソフトタッチ・スイッチング) |
| 電源 | 9V DC センターマイナス(9Vを超える電源は不可) |
| 消費電流 | 165mA |
| サイズ | 約119×89×38mm(4.7×3.5×1.5インチ) |
9Vを超える電源をつなぐと故障の原因になり、保証の対象外になります。消費電流は165mAと、一般的なオーバードライブより多めなので、パワーサプライの出力にも余裕を持たせておきましょう。Red Remoteは別売です。
よくある質問
- WANDERERだけで4つの歪みを足元で切り替えられますか?
-
左右のフットスイッチで回路のオン/オフはできますが、GAINトグルと+/-トグルを足元で切り替えるには、Red Remoteなどのラッチ式フットスイッチが別に必要です。アンプ・コントロール出力のあるスイッチャーでも切り替えられます。
- 2つの回路の間にほかのペダルを入れられますか?
-
はい。回路ごとの個別入出力ジャックを使えば、間にコンプレッサーやファズなどを挟めます。このときオーダー・トグルは働きません。
- NOTAKLÖNの+/-トグルは何が変わりますか?
-
上げるとシャムロック・モッドになり、ゲインが+4dB増え、中域が強調され、ハードクリッピングが1段加わります。下げた状態がKlonのオリジナルのボイシングです。
- ブースターとしても使えますか?
-
NOTAKLÖN側のGAINを左いっぱいにするとクリーンブースターになり、VOLUMEと合わせて最大+16dBまで持ち上げられます。
- 18Vで駆動できますか?
-
できません。電源は9V DCセンターマイナスのみで、9Vを超える電源は故障の原因になります。
いつもの2台を、ひとつの箱で自由に組み替える
WANDERERの価値は、定評ある2つの回路をただ1台にまとめたことではなく、その2台を本当に別々のペダルとして扱えるところにあります。重ねる順番も、間に挟むものも、スイッチャーでの呼び出し方も自分で決められ、4つのゲインを足元で行き来できます。消費電流が多めな点と、トグルの足元操作にはフットスイッチが別に必要な点だけ、購入前に押さえておくと安心です。
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