エド・シーランが一人でオーケストラのように演奏する姿を見て、「自分もああいうことをやってみたい」と思ったことはありませんか。
それを実現してくれるのが、ルーパー(Looper)です。演奏したフレーズをその場で録音してループ再生し、次のフレーズを重ねていく——たった1台のペダルが、一人の演奏を何人分もの厚みに変えてくれます。
練習にも、曲作りにも、ライブパフォーマンスにも使えるルーパーですが、いざ選ぼうとすると機種が多く、どれが自分に合うのか迷ってしまいます。
この記事では2026年現在の現行モデルから9台を厳選。予算・用途・スキルレベル別に整理しましたので、あなたに合う1台を探すヒントにしていただければ幸いです。
【早見表】あなたに合うルーパーはこれ
「どれを選べばいいかわからない」という方は、まずここを確認してください。
| こんな使い方・状況 | おすすめモデル |
|---|---|
| とにかくシンプルに。まず1台試したい | BOSS RC-1 / TC Electronic Ditto |
| フレーズを保存したい・リズムに合わせて練習したい | BOSS RC-5 |
| ステレオで録音したい・PCと連携したい | TC Electronic Ditto X2 / EHX 720 |
| Aメロ→サビのある「楽曲」として演奏したい | BOSS RC-10R |
| 弾き語り・ボーカルもループさせたい | BOSS RC-500 |
| 2つのループを同時に使いたい・エフェクトも欲しい | TC Electronic Ditto X4 |
| プロ仕様・複数楽器・複雑なパフォーマンスを足元で完結 | BOSS RC-600 |
ルーパーエフェクターとは
ルーパーでできること
ルーパーは、演奏したフレーズをリアルタイムで録音し、ループ(繰り返し)再生するエフェクターです。録音中のループに別のフレーズを重ねる「オーバーダブ」を使えば、一人でもバンド演奏のような厚みのあるサウンドを作り出せます。
- 練習に:コード進行を録音してその上でアドリブ練習。メトロノームよりも楽しく、実践的に上達できます。
- 曲作りに:思いついたフレーズをその場で録音・保存。アイデアを逃しません。
- ライブに:一人でバンドサウンドを再現。弾き語りやソロパフォーマンスの幅が一気に広がります。
シングルトラックとマルチトラックの違い
シングルトラックは1つのループに音を重ねていく方式。操作がシンプルで、練習用や入門機に多いタイプです。マルチトラックは複数のループを独立して操作できるため、「Aメロのループを残しながらサビのループに切り替える」といった複雑な表現が可能になります。ライブで使い込みたいなら、マルチトラックが大きな武器になります。
失敗しない選び方 4つのポイント
1. トラック数で選ぶ
練習用途なら1トラック(RC-1・Ditto)で十分です。バッキングを録音してその上でソロを弾く——この基本的な使い方には1トラックで完結します。ライブで曲の構成を表現したい場合は2トラック以上(RC-500・RC-600)があると表現の幅が大きく広がります。
2. 保存機能の有無
「今日録ったフレーズを明日も使いたい」なら保存機能は必須です。BOSS RC-1は電源を切るとデータが消えますが、RC-5以上はフレーズを本体に保存できます。作曲メモとして使いたい方は保存機能ありのモデルを選びましょう。
3. リズム機能のクオリティ
単純なクリック音でいい場合はエントリー機でも対応できますが、ロック・ジャズ・ファンクなどジャンルに合ったドラムサウンドで練習したいならRC-5以上を選ぶと練習のモチベーションが大きく変わります。RC-10Rはドラムとループの連動が特に強力です。
4. マイク入力の必要性
ギターだけでなく声もループさせたい場合はXLR端子(マイクケーブル対応)が必要です。BOSS RC-500・RC-600がマイク入力に対応しています。弾き語りやボーカルのハモリを重ねたい方はこちらを選びましょう。
ルーパーエフェクターおすすめ9選
現行モデルの中から、予算・用途別に厳選した9台を紹介します。
入門(〜1万円)
BOSS RC-1【操作がいちばんシンプルな入門機】
録音・再生・オーバーダブだけに絞ったBOSSの最もシンプルなルーパー。円形のループインジケーターがループの位置を視覚的に示してくれるため、録音タイミングのズレが起きにくい設計です。「難しい設定はいらない。箱から出してすぐ使いたい」という方に最適な1台です。なお電源を切るとデータは消えるため、フレーズの保存が必要な方はRC-5を選びましょう。
TC Electronic Ditto Looper【コンパクトボードに収まる定番】
BOSSコンパクトの約半分というミニサイズながら、5分間の録音と無制限オーバーダブを実現した定番ルーパー。ノブはボリュームひとつ、フットスイッチひとつという潔いシンプル設計で、操作に迷うことがありません。非圧縮24ビットのクリアな音質と、音を劣化させないアナログドライスルーも特徴。スペースの限られたボードに最初の1台を加えたい方に。
中級(1〜3万円)
BOSS RC-5【保存+リズム搭載。コンパクトの最強版】
RC-1と同じコンパクトサイズながら、最大99フレーズの保存と高品質なリズム機能を搭載したBOSSの新スタンダード。32bitの内部処理により何度オーバーダブしても音質が劣化しにくく、液晶ディスプレイで設定も直感的に確認できます。「フレーズを保存しておきたい」「ドラムに合わせて練習したい」のどちらかに当てはまるなら、RC-1からこちらへのアップグレードは確実に価値があります。
TC Electronic Ditto X2【ステレオ対応・PCとの連携も可能】
Dittoのシンプルさはそのままに、ステレオI/O・リバース再生・1/2倍速再生・PC音源のバッキングトラック読み込みを追加した上位モデル。2台のアンプに出力してリッチなステレオサウンドを作ったり、PCから音源を取り込んでバッキングとして使う運用も可能です。Dittoの使いやすさを気に入っていて、もう少し表現の幅を広げたい方に向いています。
Electro-Harmonix 720 Stereo Looper【12分録音・ステレオのコスパ機】
最大12分のステレオ録音と無制限オーバーダブを、1〜2万円台で実現したEHXのスタンダードモデル。フレーズの保存・呼び出しにも対応しており、練習からライブまで幅広く使えます。「長めのループを録りたい」「ステレオで使いたいけど予算を抑えたい」という方に向いているコスパの良い選択肢です。
上位(3〜5万円)
BOSS RC-10R【ドラムと同期。「楽曲」として演奏したい方に】
「イントロ→Aメロ→サビ→エンディング」という曲の構成をループで再現できる、ユニークなモデルです。リズムパターンと連動してループを切り替えられるため、ただ同じコードが繰り返されるだけでなく、ドラマチックな展開のあるパフォーマンスが可能になります。ソロギターやソロベースで一曲通して完成させたいプレイヤーに最適です。
BOSS RC-500【マイク入力搭載。弾き語り・ボーカルループの最適解】
XLRマイク入力を搭載し、ギターと声を同時にループできる弾き語り向けモデル。2トラック独立操作が可能なため、「ギターループは残しながらボーカルループだけ消す」といった細かい操作も自在です。弾き語りライブで音に厚みを出したい、コーラスを重ねて一人ハモりを実現したいという方に、最もおすすめできる1台です。
TC Electronic Ditto X4【デュアルトラック+7種エフェクト搭載】
2つの独立したループトラックと、逆再生・半速再生などの7種類のループエフェクトを搭載した上位モデル。シリアル(直列)またはパラレル(並列)モードでの演奏に対応しており、2ループを使い分けるライブパフォーマンスが可能です。MIDIシンクにも対応しているため、バンドや他機材との連携が必要な方にも向いています。
フラッグシップ(5万円〜)
BOSS RC-600【6トラック・9スイッチ。プロ仕様の頂点】
6つのステレオ対応トラックと9つのフットスイッチを搭載した、Loop Stationシリーズの最高峰。49種類のINPUT FXと53種類のTRACK FXを最大4つまで同時使用でき、200以上のリズムパターンと16種のドラムキットも内蔵。MIDIコントロールや外部フットスイッチの拡張にも対応し、プロのステージから制作まであらゆる用途に応えます。「今のルーパーでは物足りない」と感じたときの最終回答です。
BOSSルーパー全機種ガイド
BOSS(ボス)は、ルーパー市場で最も豊富なラインナップと信頼性を誇るブランドです。初心者向けのRC-1からプロ仕様のRC-600まで、用途と予算に合わせて選べる全機種を紹介します。
| モデル | トラック | 保存 | マイク入力 | リズム | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| RC-1 | 1 | なし | なし | クリックのみ | ¥8,000前後 |
| RC-5 | 1 | 99フレーズ | なし | 高品質 | ¥17,000前後 |
| RC-10R | 2(曲構成対応) | あり | なし | ドラム同期 | ¥28,000前後 |
| RC-500 | 2 | あり | XLR対応 | あり | ¥35,000前後 |
| RC-600 | 6 | あり | XLR対応 | 200種以上 | ¥55,000前後 |
BOSS RC-1【シンプル・イズ・ベスト!初めての1台に】
「難しい設定は一切したくない。箱から出してすぐに使いたい」という方には、最もシンプルなエントリーモデルであるRC-1が最強です。録音・再生・オーバーダブのみに特化した単機能モデルで、円形のインジケーターでループの長さや位置が一目でわかるのが非常に便利です。
BOSS RC-5【コンパクト最強。練習も曲作りもこれ1台】
RC-1と同じサイズながら、最大99個のフレーズ保存が可能で高音質なドラムリズムを多数内蔵。液晶ディスプレイ付きで設定もわかりやすく、32bitの高音質処理で何度重ねても音が劣化しません。BOSSコンパクトルーパーの新しいスタンダードです。
BOSS RC-10R【ドラムと同期!「曲」として展開させたいなら】
「イントロ」「パターン1(Aメロ)」「パターン2(サビ)」「エンディング」といった曲の構成を作れるユニークなモデル。普通のルーパーとは違い、ドラマチックな展開のあるパフォーマンスが可能で、ソロギターやソロベースでのライブ活動を考えている方に最適です。
BOSS RC-500【弾き語り&ソロパフォーマンスの最適解】
マイク入力(XLR端子)を搭載し、ボーカルやボイスパーカッションのループが可能。2つのトラックを個別に操作できるため、「ギターの音は残したまま、ボーカルだけ消す」といった操作も自由自在。弾き語りライブで音に厚みを出したい方、コーラスを重ねて一人ハモりをしたい方に最もおすすめです。
BOSS RC-600【足元ですべてを支配するフラッグシップ】
6つのトラックを同時に扱え、複数の楽器(ギター、ベース、シンセ、マイクなど)を接続可能。足元のスイッチ機能もカスタマイズし放題のプロ志向モデル。複数の楽器を一人で操るマルチプレイヤーや、既存のルーパー機能では満足できなくなった方の最終回答です。
【番外編】BOSS RC-505mkII【手で操る卓上型。ビートボクサー・ボーカリストに】
足ではなく「手」で操作するテーブルトップ型ルーパー。ヒューマンビートボクサーの世界標準機として有名で、ボーカリストやキーボーディストなど、手元で細かくエフェクトを操作したい方に愛用されています。
よくある質問
- ルーパーは初心者でも使えますか?
- 使えます。BOSS RC-1やTC Electronic Dittoは操作がフットスイッチひとつだけなので、初心者でも数分で基本操作を覚えられます。まずは短いコード進行を録音してその上でアドリブを弾く練習から始めると、ルーパーの楽しさがすぐにわかります。
- ルーパーはエフェクターボードのどこに繋げばいいですか?
- 基本はエフェクターチェーンの最後(アンプの直前)に繋ぐのが一般的です。この位置にすると、それまでの全エフェクトを通った音をそのままループできます。ただし、ループした音にリバーブやディレイをかけたい場合はその手前に入れる使い方もあります。まずはチェーンの最後から試してみましょう。
- ベースでもルーパーは使えますか?
- 使えます。ギター用として販売されているルーパーの多くはベースでも問題なく動作します。ただし低音域の再現性は機種によって差があるため、BOSS RC-5やRC-600のような高音質モデルを選ぶのがおすすめです。
- マルチエフェクターのルーパー機能との違いは何ですか?
- マルチエフェクターに内蔵されているルーパーは、多くの場合録音時間が短く(30秒〜数分程度)、保存機能がないものがほとんどです。専用ルーパーは録音時間が長く、保存・呼び出しやトラック操作など、ループに特化した機能が充実しています。本格的にルーパーを活用したい場合は専用機を選ぶのがおすすめです。
まとめ
ルーパーは、一人の演奏を何倍もの厚みに変えてくれる、ギタリスト・ベーシストにとって強力な武器です。用途別の選び方をあらためて整理します。
🎸 用途別まとめ
- まず試したい・操作はシンプルに(〜1万円):BOSS RC-1 または TC Electronic Ditto
- フレーズ保存+リズム練習がしたい(〜2万円):BOSS RC-5 が最強コスパ
- ステレオ・PC連携が必要(〜2万円):TC Electronic Ditto X2 または EHX 720
- 曲として展開させたい(〜3万円):BOSS RC-10R
- 弾き語り・ボーカルもループしたい(〜4万円):BOSS RC-500
- デュアルトラック+エフェクト(〜4万円):TC Electronic Ditto X4
- プロ仕様・妥協なし(5万円〜):BOSS RC-600
まず予算と「練習用か・ライブ用か」を決めると、自分に合った1台がスムーズに選べます。各ショップの価格をチェックして、お気に入りの1台を見つけてください。
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