Providence プロヴィデンス / VLC-1 VELVET COMP ベルベットコンプ【コンプレッサー】

Providence / VLC-1 VELVET COMP 【コンプレッサー】

コンプをかけると音が平たくなってしまう、かといって外すとカッティングの粒がそろわない。そんな悩みを抱えたことのあるギタリストは多いのではないでしょうか。Providence(プロヴィデンス)のVLC-1 VELVET COMPは、名前のとおりベルベットのような滑らかなかかり方が持ち味のコンプレッサーです。ATTACKでピッキングの立ち上がりの出方を選べるので、艶のあるアルペジオから伸びのあるリード、歯切れのよいカッティングまで、弾き方に合わせて素直に寄り添ってくれます。新品・中古の価格と在庫を比べたい方は、下のショップリンクから最新情報を確認できます。

目次

VLC-1 VELVET COMPはどんなペダルなのか

「滑らかさ」を軸にしたシンプルなコンプレッサー

VLC-1は、ルーティングシステムやケーブルでも知られる国内ブランドProvidenceのコンプレッサーです。コントロールはLEVEL、ATTACK、SUSTAINの3つだけ。ブレンドやトーンといった補助的なつまみは持たず、かかり方の質そのもので勝負している、潔い構成のペダルです。

目指しているのは、ベルベットのようにスムーズで、艶のあるコンプレッション。音を押しつぶして揃えるというより、弾いたニュアンスを残したまま粒立ちを整えていく方向性で、ギターの音色そのものを大きく変えずに使えるところが長く支持されている理由のひとつです。

今剛が長年愛用してきたコンプ

VLC-1は、数多くのレコーディングやライブで活躍してきたギタリスト、今剛が長年にわたって使い続けてきたペダルとしても知られています。2017年には、Providenceのブランド20周年とVLC-1の累計5,000台突破を記念して、今剛のシグネチャーモデル「VLC-1TK」が250台限定で発売されました。機材の選択肢が増え続けるなかで、第一線のプロのボードに残り続けてきたという事実は、このペダルの実力を何よりよく物語っています。

ATTACKとSUSTAIN、2つのつまみで決まるかかり方

ATTACK:ピッキングの立ち上がりをどう残すか

VLC-1の使い勝手を大きく左右するのが、ATTACKです。右に回すとピッキングした瞬間のアタック音がしっかり前に出て、左に回すとアタックが抑えられ、角の取れた柔らかい立ち上がりになります。

カッティングで一音一音の歯切れを出したいなら右寄りに、アルペジオやクリーンのコードをふわっと鳴らしたいなら左寄りに。コンプをかけるとピッキングの表情が消えてしまうと感じていた方ほど、このつまみの恩恵を感じやすいはずです。

SUSTAIN:リミッター的な使い方から強めのコンプまで

SUSTAINは、音の伸びを決めるつまみです。左に回すとサステインは短くなり、大きな音が入ったときだけレベルを抑えるリミッターのような使い方ができます。右に回すほどサステインが長くなり、リードプレイで音を気持ちよく伸ばしたい場面にも対応します。

このサステインの可変幅は広めにとってあり、軽く整える程度のかけ方から、はっきりとコンプレッション感のある音まで1台でカバーできます。クリーンでもドライブサウンドでも使えるので、ボードの中で役割を固定しすぎずに済むのもうれしいところです。

LEVEL:オン時の音量をそろえる

LEVELはエフェクトオン時の出力レベルを調整します。コンプはかけ具合によって体感音量が変わりやすいので、ATTACKとSUSTAINを決めたあとに、オフ時と音量がそろうところへ合わせておくと、踏んだ瞬間に音量が跳ねたり引っ込んだりせずに済みます。

取扱説明書に載っている設定例
  • リミッターサウンド:LEVEL 3時前後/ATTACK 2〜3時/SUSTAIN 7〜8時
  • カッティング用:LEVEL 2時前後/ATTACK 12時/SUSTAIN 12時

はじめて触るときは、この2つを出発点にして、ATTACKとSUSTAINを少しずつ動かしていくと狙いの音に近づきやすくなります。

音質と使いやすさを支える2つの工夫

S.C.T.サーキット(シングル・コンタクト・トゥルーバイパス)

一般的なトゥルーバイパスでは、エフェクトをオフにしたとき、ギターの信号がスイッチの接点を2か所通ります。VLC-1が採用しているS.C.T.サーキットは、バイパス時に通る接点を1か所だけにした構成です。信号が通る接点が少ないぶん、音質面でも信頼性の面でも有利になります。

コンプはボードの前段に置かれることが多く、オフにしている時間も長いエフェクターです。オフのときの音の素直さにまで気を配っている点は、毎日使う道具としての安心感につながります。

電池の残量がわかるマルチファンクションLED

LEDはオン/オフの表示に加えて、電池の電圧を見守る役目も持っています。電池の電圧がおよそ7Vを下回ると、LEDが暗くなり、消えはじめます。その時点でもエフェクトは動作しますが、本来の性能を保つためには早めの交換がおすすめです。電池で使っている方にとっては、ライブ中に突然音が出なくなる不安を減らしてくれる、地味ながらありがたい機能です。

VLC-1が向いている人、別の選択肢が合う人

VLC-1が向いている人

  • カッティングやアルペジオの粒をそろえつつ、ピッキングの表情は残したい
  • コンプらしい「つぶれた感じ」よりも、自然で滑らかなかかり方が好み
  • つまみが少なく、迷わず音作りできるコンプを探している
  • リミッター的な軽いかけ方から、リード用の長いサステインまで1台で済ませたい

別の選択肢を検討したほうがいい人

VLC-1には、原音とコンプ音を混ぜるブレンド(ミックス)つまみや、音色を調整するトーンつまみはありません。原音のアタックをそのまま残しながら薄くコンプを混ぜる、いわゆるパラレルコンプレッションのような使い方をしたい方は、ブレンド機能を持つコンプのほうが目的に合うでしょう。

また、VLC-1はギター用として作られたモデルです。ベースで使うコンプを探している場合は、同じProvidenceからベース用のBASS BOOT COMP BTC-1が出ているので、あわせてチェックしてみてください。

ペダルボードに組み込むときの実務情報

サイズは115(D)×72(W)×50(H)mm、重さは電池を除いて約250gです。一般的なコンパクトエフェクターとくらべても奥行き・高さともに控えめなので、ボードのすき間にも収めやすいサイズ感です。

コントロールLEVEL、ATTACK、SUSTAIN
接続端子INPUT、OUTPUT(1/4インチ・フォンジャック)、DC 9V入力ジャック
電源9V電池、またはACアダプター
消費電流DC 9V 約5mA(エフェクトON時)
バイパス方式S.C.T.サーキット(シングル・コンタクト・トゥルーバイパス)
外形寸法115(D)×72(W)×50(H)mm
質量約250g(電池を除く)

電源は9V電池(006P)とACアダプターの両方に対応しています。電池は底面パネルのネジを外して交換します。消費電流は数mA程度とごく少ないので、電池駆動でも扱いやすく、パワーサプライの出力容量で困ることもまずありません。

ACアダプター・パワーサプライを使う場合

ACアダプターは、Providence純正のPAP-509DCJまたはPAE-101Pの使用が指定されています。他社製のアダプターやパワーサプライを使う場合は、DC9Vを安定して供給できる、電圧レギュレーター内蔵のものを選んでください。

なお、アンプにつないだ状態で入力ジャックのプラグを抜き差しするとノイズが出て、スピーカーを傷めるおそれがあります。接続を変えるときは、アンプのボリュームを下げてから行うと安心です。長期間使わないときは、液漏れを防ぐために電池を外しておきましょう。

よくある質問

VLC-1はリミッターとしても使えますか?

使えます。SUSTAINを左に回してサステインを短くすると、大きな音が入ったときだけレベルを抑えるリミッターのような使い方になります。取扱説明書でも、LEVEL 3時前後、ATTACK 2〜3時、SUSTAIN 7〜8時がリミッターサウンドの設定例として紹介されています。

歪みエフェクターと組み合わせても使えますか?

はい。VLC-1はクリーンサウンドだけでなく、ドライブサウンドでも幅広い音作りができるように設計されています。SUSTAINの可変幅が広いので、歪みの前段で軽く粒をそろえる使い方から、しっかりサステインを稼ぐ使い方まで対応できます。

ブレンド(ミックス)つまみはありますか?

ありません。コントロールはLEVEL、ATTACK、SUSTAINの3つです。原音とコンプ音を混ぜるパラレルコンプレッション的な使い方をしたい場合は、ブレンド機能を持つ別のコンプレッサーを検討するとよいでしょう。

電池の交換時期はどうやってわかりますか?

LEDで判断できます。電池の電圧がおよそ7Vを下回るとLEDが暗くなり、消えはじめます。その状態でもエフェクトは動作しますが、効きが弱くなったり出力レベルが下がったりすることがあるため、早めに交換してください。

今剛シグネチャーのVLC-1TKとは何が違いますか?

VLC-1TKは、Providenceのブランド20周年とVLC-1の累計5,000台突破を記念して、2017年に250台限定で発売された今剛のシグネチャーモデルです。通常のVLC-1は継続して展開されている定番モデルなので、手に入れやすさの面では通常モデルが選びやすいでしょう。

まとめ

VLC-1 VELVET COMPは、LEVEL、ATTACK、SUSTAINの3つだけで、滑らかで艶のあるコンプレッションを作れるペダルです。ピッキングの立ち上がりを選べるATTACKと、リミッター的な使い方から長いサステインまでこなすSUSTAIN。そこに、オフ時の音に配慮したS.C.T.サーキットと、電池の残量を知らせるLEDが加わっています。

派手な機能で目を引くタイプではありませんが、そのぶん毎日のプレイに自然になじみます。コンプをかけると弾いている手ごたえが薄れてしまう、と感じていた方にこそ、一度試してみてほしい一台です。

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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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