アルペジオを弾くと音の粒がバラバラ、カッティングがなぜか決まらない——そんな悩みを抱えているなら、コンプレッサーが解決の糸口になるかもしれません。
コンプレッサーは、大きな音を抑えて小さな音を持ち上げ、音のレベルを自然に整えるエフェクターです。「かかっているのかわからない」と言われるほど地味な存在ですが、外すと何か物足りない——縁の下の力持ちという表現がいちばん近いペダルです。
定番の1万円台から本格派の高級機まで、この記事では6機種を選び方のポイントとあわせて紹介しています。
コンプレッサーとは
コンプレッサーは、入力された音のダイナミクス(音量の幅)を圧縮するエフェクターです。強く弾いた音のピークを抑え、弱く弾いた音を持ち上げることで、全体の音量レベルが均一に整います。結果として音の粒が揃い、アルペジオやカッティングが格段に聴きやすくなります。
もうひとつの代表的な使い方がサスティンの延長です。音量を圧縮してから全体をかさ上げすることで、音が自然に長く伸びるようになります。クリーントーンでのリードプレイや、カントリー・ファンクのチキンピッキングとの相性が特に良く、コンプをかけっぱなしにしているギタリストも少なくありません。
なお、コンプレッサーはかけすぎると音の自然なニュアンスが失われやすく、「弾いている感」が薄れる場合があります。薄めにかけて音を整える使い方から始めると扱いやすいです。
コンプレッサーの選び方
① キャラクターで選ぶ:個性派 vs ナチュラル系
コンプレッサーはモデルによってサウンドのキャラクターが大きく異なります。MXR Dyna Compのように音に独特のパンチとコンプ感を付加する「個性派」と、Xotic SP CompressorやKeeley Compressor Plusのように原音のニュアンスを活かしながら整える「ナチュラル系」に大別されます。はじめての1台にはどちらが合っているか、自分の使い方をイメージしながら選ぶとよいでしょう。
② Blendコントロールの有無
Blendコントロールとは、コンプのかかった音と原音の割合を調整できる機能です。これがあると「コンプのかかりすぎ」を防ぎやすく、自然な音作りがしやすくなります。コンプが初めてで「かけすぎてしまいそう」と感じる方は、Blend搭載モデルを選ぶと扱いやすいです。
③ 予算の目安
1万円台前半の定番機でも十分実用的で、ライブ・練習を問わず使えます。2万円台になると音質やコントロールの自由度が上がり、より細かい音作りが可能になります。4万円台以上の高級機はスタジオ品質のコンプ感を求める方向けで、録音にも対応できるクオリティが特徴です。まずは1万円台の定番機からスタートするのがおすすめです。
コンプレッサーエフェクターおすすめ6選
※価格は時期によって変動します。購入前に最新の価格をご確認ください。
MXR M102 Dyna Comp|「パコパコ系」コンプの元祖、定番中の定番
コンプレッサーといえばまず名前が挙がる、MXRの定番機です。SENSITIVITYとOUTPUTの2ノブだけというシンプルな設計ながら、踏んだ瞬間にわかるコンプ感の強さがこのペダルの最大の個性です。音にパンチと独特のまとまりが生まれ、カッティングやカントリー系のチキンピッキングとの相性が特に抜群です。
イングウェイ・マルムスティーンを筆頭に、多くのプロギタリストが長年愛用してきた実績を持ちます。セッティングのコツについては、当サイトの解説記事も参考にしてください。
BOSS CS-3 Compression Sustainer|サスティンを伸ばす定番デジタル機
BOSSの定番コンプレッサーで、「Compression Sustainer」という名称が示すとおり、音の粒を揃えながらサスティンを伸ばす用途に特化したモデルです。LEVEL/TONE/ATTACK/SUSTAINの4ノブ構成で、ATTACKノブで圧縮の立ち上がり感を調整できるのが特徴的です。
デジタル処理による安定した音質と、BOSSらしい耐久性はライブでも安心して使えます。幅広いジャンルに対応できる汎用性の高さから、エレキギターのみならずベースにも使用するプレイヤーが多いモデルです。
Keeley Compressor Plus|Blend搭載でナチュラルに整える中級機の定番
SUSTAIN/LEVEL/BLEND/TONEの4ノブに加え、シングルコイル/ハムバッカーの切替スイッチを搭載した中級機の定番です。Blendコントロールでコンプのかかったサウンドと原音の割合を自在に調整できるため、「コンプをかけすぎず、でも確実に音を整えたい」という方に向いています。
ピックアップの出力差に合わせてモードを切り替えられるスイッチは、異なるギターを持ち替えるシーンでも重宝します。TONEコントロールでコンプをかけた際に失われがちな高域の輝きを補正しやすい設計です。MXR Dyna Compとの音の違いについては、当サイトの比較記事で詳しく解説しています。
≫ Keeley Compressor PlusとMXR Dyna Compを比較
Xotic SP Compressor|ミニサイズにBlendコントロールを凝縮
COMP/VOL/BLENDの3ノブをミニサイズの筐体に収めたコンパクトなコンプレッサーです。Blendコントロールを搭載しているため、原音のニュアンスを活かしながらコンプをかけられます。内部のDIPスイッチでアタックやリリースをさらに細かく調整できる点も中級者に支持されている理由です。
ペダルボードのスペースを節約しながらも本格的なコンプ感を得たい方に向いています。ナチュラルなかかり具合と、コンプとは気づかれないほど自然な音の整い方を好むプレイヤーから評価の高いモデルです。
TC Electronic HyperGravity|TonePrint対応・3モード搭載の多機能機
フランジャー・フェイザー記事で紹介したTonePrint機能を搭載したTC Electronicのコンプレッサーです。Vintage/Spectra/TonePrintの3モードを切り替えられ、オールドスクールなコンプサウンドから現代的なキャラクターまで幅広く対応します。
SUSTAIN/LEVEL/BLENDの3ノブに加えてMODEスイッチを搭載。TonePrintモードではスマートフォンのアプリからプロギタリストのセッティングを転送して使えます。1万円台後半という価格帯でこの機能性は際立っており、多機能なコンプを探している方の選択肢に入ります。
Origin Effects Cali76 FET Compressor|スタジオ品質を求める方への本格機
スタジオ用コンプレッサーの名機をコンパクトペダルに落とし込んだ、高級機の代表格です。世界的に有名なスタジオ機器「UREI 1176」にインスパイアされたオールアナログ回路を搭載し、IN/OUT/ATTACK/RELEASE/RATIO/DRYの6ノブで構成されています。DRYノブによりパラレルコンプレッションが単体で実現でき、10個のLEDゲインリダクションメーターでコンプのかかり具合を視覚的に確認できます。
内部で24Vに昇圧する設計により大きなヘッドルームを確保。FET回路による超高速レスポンスは、ピッキングのニュアンスを細かくコントロールしたい上級者や、宅録・レコーディングにも使える本格的なコンプを求める方に向いています。4万円台という価格帯は決して安くありませんが、他のコンプでは得られない次元の音質を求める方には有力な選択肢です。
ボードでの接続位置
コンプレッサーは一般的に、ボードの最前段——チューナーの直後、歪み系エフェクターの前に置くのが基本です。
チューナー → コンプレッサー → 歪み系 → モジュレーション系 → ディレイ → リバーブ
前段に置く理由は、ギター本来の音のダイナミクスをコンプで整えてから歪みに送ることで、歪みの粒が揃いやすくなるためです。一方、歪みの後に置くと歪んだ音のサスティンを伸ばす効果が得られ、また異なるキャラクターになります。いずれが正解というルールはなく、求めるサウンドに合わせて試してみてください。
よくある質問
- コンプレッサーは初心者でも必要ですか?
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必須ではありませんが、クリーントーンを多用する方やアルペジオ・カッティングをきれいに聴かせたい方には効果を感じやすいエフェクターです。歪み系と違って音が派手に変わるわけではないため、「まず歪みから」という方は後回しにしても問題ありません。
- コンプをかけると弾き心地が変わりますか?
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はい、強くかけると音のダイナミクスが圧縮されるため、強く弾いても弱く弾いても音量差が小さくなります。慣れないうちは「弾いた感じがしない」と感じることもありますが、薄くかけることで弾き心地への影響を最小限にしながら音を整える使い方もできます。Blendコントロール搭載モデルはこの調整がしやすいです。
- コンプレッサーをはじめて買うならどれがおすすめですか?
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個性的なコンプ感を求めるならMXR Dyna Comp、原音を活かしたナチュラルな整い方を求めるならXotic SP Compressorがおすすめです。どちらも1万円台で購入でき、コンプの特性を体感しやすいモデルです。多機能なものを試したい方にはTC Electronic HyperGravityも選択肢になります。
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