カッティングに軽くかければ音に独特のグルーヴが生まれ、アルペジオにかければ幻想的な揺らぎが加わる。
フランジャーのような派手なジェットサウンドとは対照的に、フェイザーが生み出すのはシュワシュワとしたなめらかなうねり。目立ちすぎず、でも外すと何か物足りない——ファンクからロック、アンビエントまで幅広いジャンルで長く愛用されてきた理由がそこにあります。
MXR Phase90をはじめとした定番機から多機能なデジタル機まで、この記事では6機種を選び方のポイントとあわせて紹介します。
フェイザーとは
フェイザー(フェイズシフター)は、入力した音の位相を周期的にずらし、原音と重ね合わせることでシュワシュワとした独特の揺れを作り出すモジュレーション系エフェクターです。仕組みの上ではフランジャーと近いと思われがちですが、フランジャーが「遅延」を利用するのに対し、フェイザーは「位相のずれ」を利用しているため、サウンドの性質が異なります。フェイザーのほうがよりなめらかで音楽的な揺れ感が特徴です。
フェイザーの揺れの強さは「ステージ数(段数)」と呼ばれる位相シフト回路の数によって決まります。MXR Phase90に代表される4ステージが標準的ですが、段数が増えるほど波形が複雑になり、より深い揺れ感が得られます。
使い方はファンクのカッティングやアルペジオとの相性が特に良く、常時オンにして音色のキャラクターとして使うスタイルが一般的です。一方、フランジャーのような飛び道具的な使い方も可能で、ギタリストによってはソロやリフで踏み込む使い方もあります。
フェイザーの選び方
① アナログかデジタルか
フェイザーにはアナログ回路を使ったモデルとデジタル処理のモデルがあります。アナログはMXR Phase90やEHX Small Stoneのように温かみのある有機的な揺れが特徴で、ビンテージサウンドとの相性が抜群です。デジタルはBOSS PH-3のように多段ステージの切替や特殊モードを搭載した多機能なモデルが多く、幅広い音作りができます。まず1台という方にはアナログの定番機が扱いやすくおすすめです。
② ステージ数と操作性
4ステージのシンプルな機種はノブ数が少なく直感的に使えます。より複雑な揺れや特殊な効果が欲しい場合は、8〜12ステージへの切替ができるモデルや、複数のモードを持つモデルを選ぶと表現の幅が広がります。はじめての1台なら、Speed1ノブだけのPhase90のようにシンプルなものから始めると感覚をつかみやすいです。
③ 予算の目安
フェイザーは5,000円前後のコスパモデルから1万円台後半のデジタル多機能機まで幅広い価格帯があります。定番のMXR Phase90やEHX Small Stoneは1万円台前半で購入でき、コストパフォーマンスに優れています。まずは1万円台の定番機でフェイザーの音に親しんでから、必要に応じてグレードアップを検討するのがおすすめです。
フェイザーエフェクターおすすめ6選
※価格は時期によって変動します。購入前に最新の価格をご確認ください。
MXR M101 Phase90|フェイザーの代名詞、Speed1ノブの定番機
1974年の登場以来、フェイザーの定番として半世紀にわたって支持され続けているモデルです。コントロールはSpeedノブひとつだけというシンプルな設計ながら、どの位置に合わせても使える音が出る絶妙なチューニングが施されています。
エドワード・ヴァン・ヘイレンが愛用したことでも広く知られており、ロックからファンク、カントリーまでジャンルを問わず対応できる懐の広さが魅力です。「まず1台」というならこのモデルが最も無難な出発点といえます。
MXR M290 Phase95|Phase90とPhase45を1台に集約したミニサイズ版
Phase90の兄弟機であるPhase45のサウンドも1台で切り替えられるモデルです。Phase90が4ステージの力強い揺れを持つのに対し、Phase45は2ステージのよりなめらかで薄い揺れが特徴。スイッチひとつで2つのキャラクターを使い分けられます。
さらにScriptスイッチのオン/オフで、控えめでクリアなビンテージサウンドと、派手なフィードバック感のあるモダンサウンドを切り替えることが可能。筐体もPhase90より小さくペダルボードへの収まりが良く、Phase90との比較で迷う方にはこちらを推薦できます。
BOSS PH-3|4〜12段切替、Rise/Fallモード搭載のデジタル多機能機
BOSSのデジタルフェイザーで、4/8/10/12段のステージ切替に加え、一方向にのみ位相が上昇・下降し続けるRise/Fallモードという独自の効果を搭載しています。タップテンポやエクスプレッションペダルへの対応など機能面も充実しており、フェイザー1台で多彩な表現をカバーしたい方に向いています。
デジタル処理のため音質は安定しており、ライブでの信頼性も高いモデルです。アナログ機とはサウンドの性質が異なりますが、BOSSらしい扱いやすさはフェイザー入門にも向いています。
Electro-Harmonix Nano Small Stone|1974年登場のアナログ名機をコンパクト化
EHXが1974年から展開する歴史あるアナログフェイザー「Small Stone」のコンパクト版です。Colorスイッチのオン/オフでフィードバック量が変わり、オフでは素直でなめらかな揺れ、オンにするとより太くうねりのある濃厚なフェイズサウンドが得られます。
MXR Phase90とはまた異なる独特の有機的なサウンドが特徴で、よりビンテージ色の強い揺れを求める方に向いています。サイケデリックロックやストーナーロックとの相性も抜群です。
TC Electronic Helix Phaser|TonePrint対応、3モード搭載のステレオ機
フランジャー記事で紹介したVortex Mini Flangerと同様に「TonePrint」機能を搭載したTC Electronicのフェイザーです。スマートフォンや専用アプリからプロギタリストが設定したサウンドをペダルに転送して使えます。
Vintage・Through-Zero・Vibratoの3モードを搭載し、Speed/Depth/Feedback/Mixの4ノブで細かい音作りが可能。ステレオ出力にも対応しており、録音用途や広がりのある音作りをしたい方にも向いています。
ROWIN Phaser|VINTAGE/MODERNモード切替付きのコスパアナログ機
5,000円前後で購入できるアナログフェイザーです。VINTAGE/MODERNのモード切替スイッチを搭載しており、温かみのあるビンテージ系サウンドとよりモダンなキャラクターを使い分けられます。この価格帯でモード切替まで備えているのはコスパ面で優秀です。
コンパクトなサイズでペダルボードへの収まりも良く、「まずフェイザーの音を試してみたい」「予算を抑えたい」という方の入門機として選びやすい1台です。
ボードでの接続位置
フェイザーは一般的に、歪み系エフェクターの後段、ディレイ・リバーブの前段に接続するのが基本です。フランジャーやコーラスと同様、モジュレーション系として同じ位置に置かれることが多いです。
チューナー → コンプレッサー → 歪み系 → フェイザー → ディレイ → リバーブ
ただし、歪みの前に置いてギター本来の音にフェイザーをかけてから歪ませると、また異なる質感が得られます。接続順に絶対のルールはないので、いろいろ試しながら好みの位置を見つけてみてください。
よくある質問
- フェイザーとフランジャーはどう違いますか?
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フェイザーは「位相のずれ」を利用して揺れを作るのに対し、フランジャーは「遅延」を使う仕組みです。フランジャーのほうが金属的で派手なジェットサウンドになりやすく、フェイザーはよりなめらかでシュワシュワとした揺れ感が特徴です。常時オンで音楽的な色気を加えたいならフェイザー、インパクトある飛び道具が欲しいならフランジャーが向いています。
- フェイザーはどんなジャンルに向いていますか?
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ファンクのカッティング、ロックのリフやアルペジオ、アンビエント系サウンドなど幅広いジャンルで活躍します。特にカッティングとの相性は抜群で、グルーヴ感を引き出すのに効果的です。常時オンで音色のキャラクターとして使うスタイルが一般的ですが、曲の要所で踏み込む飛び道具的な使い方も可能です。
- フェイザーをはじめて買うならどれがおすすめですか?
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迷ったらMXR Phase90が最もおすすめです。Speed1ノブのシンプルな設計で操作に迷わず、どんなジャンルにも馴染む汎用性の高いサウンドが得られます。予算を抑えたい方にはROWIN Phaserも選択肢になります。Phase90とPhase45の両方を試したい方にはMXR Phase95がコスパに優れた選択です。
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