QUICK GUIDE
ペダルボードの最終段に配置し、サウンド全体のコンディショニングと長尺ケーブルによる音質劣化を防ぐアウトプットドライバー/バッファです。
- ブランド
- 29 Pedals
- 種類
- バッファー・プリアンプ
- 対応楽器
- ギター用
ペダルを何台もつないだボードで、エフェクトをすべてオフにしても音の張りや抜けが物足りない。そう感じたことはありませんか。29 PedalsのOAMP(Output AMPlifier)は、ボードの最終段、アンプの直前に置くための出力ドライバーです。一般的なバッファーやラインドライバー、プリアンプの代わりになるよう設計されていて、最大29dBのクリーンなゲインと、長いケーブルや複数の負荷を余裕で駆動できる出力を備えています。読み方は「ワンプ」。オフ時に使えるインサート・ループも付いていて、ボードの最後に小さな「チャンネル切り替え」を作れるのも特徴です。
29 Pedals OAMPとは
29 Pedalsは、カリフォルニアのBelievable Audioが手がけるペダル・ブランドです。Believable Audioはオーディオ機器の設計・修理やエンジニアリングも行っている会社で、OAMPもカリフォルニアで製造されています。同ブランドにはJFETやTOKI Fuzzy Driverといったペダルがあり、OAMPはそのなかで「信号の出口」を受け持つモデルです。
考え方は同ブランドのEUNA(ユーナ)に近いものの、OAMPは出力段に特化しています。トゥルーバイパスのペダルやパッチケーブル、スプリッター、アンプまでの長いシールドを通るうちに失われがちな信号の勢いを、最後にまとめて立て直す役割です。出力は600Ωの負荷まで駆動でき、パッシブのスプリッターで複数のアンプに分ける使い方にも対応します。
なお、現行品はRev Eです。公式ストアではRev Cが売り切れ、Rev Eに置き換わったと案内されています。
2段のゲインステージと4つのコントロール
本体のコントロールは、つまみ2つとトグルスイッチ2つです。パネルには左から「P」「L」「I」「O」と1文字ずつ書かれています。信号はI(入力段)→L(レベル)→O(出力段)の順に通り、Pで最後に音のキャラクターを整える構成です。
P:Presence(プレゼンス)
右に回し切った状態では、ゆるやかな音の形づけだけがかかります。そこから戻していくと、アンプのトーンスタックのような控えめなミッドスクープが加わります。中域のドライブ感を調整したり、アンプを通さずにライン出力する際にアンプらしい帯域感を足したりする用途を想定したコントロールです。
L:Level(レベル)
2つのゲインステージの間に置かれたトリムです。入力・出力のインピーダンスには影響しません。2つのステージをLowにしてPresenceを最大にしたときのゲインは約6dB、両方をHighにしたときは約29dBです。
I:入力ゲインステージ
High/Low/Brightの3ポジションです。BrightはLowの設定に高域のきらびやかさを加えたものです。このステージはLevelの前にあります。
O:出力ゲインステージ
Low/High/Darkの3ポジションです。DarkはHighの設定から高域を削ったものです。このステージはLevelの後ろにあります。ゲインの設定ごとに音色にも少しずつ違いがあります。
- ボード最終段に置く出力ドライバー。バッファー、ラインドライバー、プリアンプの代わりに使える
- 最大29dBのクリーンなゲイン、最大クリーン出力レベル20dBu
- 600Ωまで駆動でき、長いケーブルやパッシブ・スプリッターにも強い
- オフ時に有効になるインサート・ループで、別のドライブやプリアンプに切り替えられる
- 7.5〜35VのACまたはDCを極性を問わず受け付けるWHATEVER電源
オフ時に働くインサート・ループ
OAMPには外部ループ用のSEND/RETURN端子があり、このループはOAMPをオフにしたときに有効になります。たとえばループに歪みペダルや別のプリアンプをつないでおけば、フットスイッチ1つで「OAMPのクリーンなドライブ」と「ループ側のサウンド」を切り替えられます。ボードの最後にもう1つチャンネルを持つような使い方です。
ループに何もつないでいない状態でオフにすると、OAMPはトゥルーバイパスになります。普段は常時オンで使い、必要なときだけバイパスするといった運用もできます。
WHATEVER電源
電源には29 Pedals独自の「WHATEVER」パワーサプライ回路が使われています。7.5Vから35VまでのACまたはDCを、センタープラス/センターマイナスのどちらの極性でも受け付け、電源の種類によって音色が変わらないように設計されています。手持ちのパワーサプライの出力をそのまま使いやすいのは、ボードを組むうえでうれしいポイントです。
国内代理店の案内では、消費電流は約100mA以上となっています。パワーサプライの出力に余裕があるかどうかは事前に確認しておきましょう。
音作りのヒント
OAMPは自分では歪みを足さずに、アンプをブレイクアップさせるだけのゲインを作れます。真空管アンプのクランチを前に押し出したいときは、入力段・出力段をHighにしてLevelで量を決めるのが基本です。反対に、ボードからの信号が熱すぎる場合は、ゲインを抑えた設定で出力を整える使い方もできます。
ライン出力やアンプシミュレーター前段で使う場合は、Presenceを少し戻して中域を落とすと、アンプのトーンスタックを通したような落ち着いた帯域になります。高域が耳に痛いときは入力段をLow、出力段をDarkにするなど、トグルの組み合わせで微調整してみてください。
向いている人・ほかの機材が合う人
ペダルの台数が多く、アンプまでのケーブルが長いボードを使っている人、複数アンプに信号を分けたい人、最終段で「もうひと押し」の張りがほしい人にはOAMPがよく合います。インサート・ループを使えば、クリーン系とドライブ系の切り替えをボードの最後でまとめられます。
一方で、ペダルが数台だけでケーブルも短いシンプルなボードなら、ここまでの出力性能は持て余すかもしれません。より手軽なバッファー兼プリアンプがほしい場合は、EarthQuaker Devices Buffer Preampのようなコンパクトなモデルも比べてみてください。ブースターとして音色づくりを楽しみたいなら、同ブランドのJFETもおすすめです。
仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | アウトプットドライバー/バッファー |
| コントロール | P(Presence)、L(Level)、I(入力ゲイン:High/Low/Bright)、O(出力ゲイン:Low/High/Dark) |
| 最大ゲイン | 約29dB |
| 最大クリーン出力レベル | 20dBu |
| 駆動可能な負荷 | 600Ωまで |
| 端子 | INPUT、OUTPUT、SEND/RETURN(インサート・ループ、オフ時に有効) |
| バイパス | ループ未接続時はトゥルーバイパス |
| 電源 | 7.5〜35V AC/DC(極性不問、WHATEVER電源)、消費電流 約100mA以上(国内代理店表記) |
| サイズ | 125×92×55mm(国内代理店表記) |
| 生産 | アメリカ・カリフォルニア |
よくある質問
- OAMPはボードのどこにつなぎますか?
-
ボードの最終段、アンプやオーディオインターフェースの直前に置く前提で設計されています。ボード全体の信号を最後に整えて送り出す役割です。
- OAMPだけで歪みますか?
-
OAMP自体はクリーンなゲインを作る設計で、自分では歪みを足しません。そのゲインでアンプをブレイクアップさせることはできます。
- インサート・ループはいつ使えますか?
-
OAMPをオフにしたときに有効になります。ループに何もつないでいなければ、オフ時はトゥルーバイパスです。
- どんな電源で動きますか?
-
7.5〜35VのACまたはDCで、極性も問いません。国内代理店の案内では消費電流は約100mA以上です。
- Rev CとRev Eの違いは?
-
公式ストアではRev Cが売り切れてRev Eに置き換わったと案内されています。現在流通しているのはRev Eです。
OAMPでボードの出口を整える
OAMPは、ボードを通ってきた信号を最後にまとめて立て直し、長いケーブルや複数のアンプにもしっかり送り出すための出力ドライバーです。PresenceとLevel、2つのトグルという少ないコントロールで、クリーンな押し出しから帯域の調整まで手早く決められます。
オフ時に働くインサート・ループや、電源を選ばないWHATEVER電源など、ボードの組みやすさに直結する工夫も魅力です。ペダルが増えて音の鮮度が気になってきたら、出口の機材から見直してみてはいかがでしょうか。
BRAND
29 Pedals
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