QUICK GUIDE
1系統のDIN SYNC(SYNC24)信号を5系統へ分配するKENTONのスプリッター。入力をアクティブ回路で整えてから送り出すので、分岐ケーブルでは不安定になりがちな台数でも、TR-808やTB-303などのビンテージ機材をそろって走らせられます。
- ブランド
- KENTON
- 種類
- MIDI機器
- 対応楽器
- ギター用・ベース用
ビンテージのリズムマシンやベースライン、シーケンサーを何台も並べて、同じテンポで一斉に走らせたい。そんなときに必要になるのが、MIDIより前から使われてきたテンポ同期の規格「DIN SYNC」の分配です。イギリスのKENTON(ケントン)が手がけるSYNC-5は、1台から出たDIN SYNC信号を5台へ同時に送り出すスプリッターボックスです。
DIN SYNCとは
DIN SYNCは、MIDIが普及する前にRolandなどの機材で使われていたテンポ同期の方式で、SYNC24とも呼ばれます。MIDIと同じ5ピンDIN端子を使いますが、中を流れているのはMIDIではなく、テンポを刻むクロックとスタート/ストップの電気信号です。
見た目が同じ端子でも中身は別物なので、DIN SYNCの機器にMIDI信号を送っても同期はしません。KENTONも、SYNC-5は「MIDI製品ではなく、入力も出力もMIDIではない」とはっきり注意しています。
SYNC-5でできること
SYNC-5は、シーケンサーやリズムマシンなど1台の送り元から受け取ったDIN SYNC信号を、5つのDIN SYNC OUTから同じ内容で出力します。それぞれを各機器のSYNC INにつなげば、1台の送り元のテンポで最大5台を同時に動かせます。
- DIN SYNC IN ×1 → DIN SYNC OUT ×5
- 入力はアクティブ回路で信号を整え、最大15Vまで受け付ける
- 出力はショートしても壊れない設計
- 遅延は1マイクロ秒未満
- Roland(SYNC24)にもKORG(SYNC48)にも使える(相互変換は不可)
- 電源は9V DC センタープラス(アダプター付属)
分岐ケーブルではなくSYNC-5を使う理由
DIN SYNCは分岐ケーブルでも分けられます。2〜3台程度ならそれでも問題なく動きますが、台数が増えるにつれて電圧の低下やジッター(タイミングの揺れ)、クロックの取りこぼしといったトラブルが起こりやすくなります。
SYNC-5は、入力をアクティブ回路で整えたうえで、5つの出力からそれぞれきれいな信号を送り出します。各出力は約+5Vで振れ、分岐ケーブルを使えば、1つの出力で少なくとも2台を駆動できます。
SYNC24とSYNC48
DIN SYNCには、4分音符あたり24クロックのSYNC24(Roland)と、48クロックのSYNC48(KORG)があります。SYNC-5はRoland機材を主な対象に設計されていますが、KORG機材にも使えます。ただし、24と48を変換する機能はないので、同じ方式の機材どうしで使う必要があります。
ケーブルとLEDの注意点
DIN SYNCでは、1番ピンでスタート/ストップを、3番ピンでクロックを送り、2番ピンはグラウンドです。MIDIケーブルの中には一部のピンしか結線されていないものがあり、そうしたケーブルではDIN SYNCが正常に動かないことがあります。5ピンすべてが結線されたケーブルを使いましょう。ケーブルは付属しておらず、KENTONでは専用のケーブルを別売りしています。
本体の「ACTIVE」LEDは、電源を入れると点灯します。シンク信号を受けると、遅いテンポではクロックに合わせて点滅し、速いテンポでは点滅が速すぎて少し暗めに点灯しているように見えます。シンク信号がないままスタート信号だけが来ると、LEDは消えます。
電源はセンタープラスに注意
電源は9V DCで、プラグの極性はセンタープラスです。一般的なエフェクター(センターマイナス)とは逆なので、エフェクター用のパワーサプライからそのまま給電しないよう注意してください。付属のスイッチング式ACアダプター(各国対応の交換プラグ付き)を使うのが確実です。
取扱説明書では、12Vを超える電圧をかけないこと、9Vを超える非安定化電源を使わないことが注意されています。消費電流は待機時10mA、最大40mAです。
分けたいのはDIN SYNCか、MIDIか
DIN SYNC対応のリズムマシンやシーケンサーを3台以上同期させたい、分岐ケーブルでの同期が不安定になってきた。ビンテージ機材を中心にセットを組んでいるなら、SYNC-5はとても頼りになります。
分けたいのがMIDI信号なら、同じKENTONのTHRU-5を選んでください。MIDIで動く機材とDIN SYNCの機材を同期させたい場合は、MIDIとDIN SYNCを相互に変換できるD-Syncが必要です。
SYNC-5の仕様と電源
| 種類 | DIN SYNC(SYNC24)スプリッターボックス |
| 端子 | DIN SYNC IN ×1、DIN SYNC OUT ×5 |
| 対応 | SYNC24(Roland)、SYNC48(KORG)※相互変換は不可 |
| 入力 | アクティブ回路で信号を整形、最大15V |
| 出力 | 約+5V、ショート保護 |
| 遅延 | 1マイクロ秒未満 |
| 表示 | ACTIVE LED(電源・データ表示) |
| 電源 | 9V DC、2.1mm、センタープラス(安定化・非安定化どちらも可)。スイッチング式ACアダプター付属 |
| 消費電流 | 待機時10mA、最大40mA |
| サイズ | 100×50×35mm |
| 重量 | 110g(アダプター含まず)、200g(アダプター含む) |
| ケース | ヘアライン仕上げのアルミ製 |
仕様はKENTON公式の製品情報と取扱説明書によるものです。
よくある質問
- SYNC-5でMIDI信号も分けられますか?
-
分けられません。SYNC-5はDIN SYNC専用で、入力も出力もMIDIではありません。MIDIを分けたい場合は、同じKENTONのTHRU-5を使います。
- KORGのSYNC48機材でも使えますか?
-
使えます。ただし、SYNC24とSYNC48を変換する機能はないので、同じ方式の機材どうしでつないでください。
- 普通のMIDIケーブルで接続できますか?
-
5ピンすべてが結線されたケーブルなら使えます。一部のピンしか結線されていないMIDIケーブルでは、正常に動かないことがあります。ケーブルは付属しません。
- エフェクター用のパワーサプライで使えますか?
-
電圧は9V DCですが、極性がセンタープラスです。一般的なエフェクター用の出力とは逆なので、付属のアダプターを使うか、極性に注意して給電してください。
- 1つの出力に複数の機器をつなげますか?
-
分岐ケーブルを使えば、1つの出力で少なくとも2台を駆動できます。
まとめ
SYNC-5は、1系統のDIN SYNC信号を5系統へきれいに配る、シンプルな分配器です。分岐ケーブルでは不安が出てくる台数でも、アクティブ回路で整えた信号をそれぞれの機器に送れます。
電源がセンタープラスであることと、5ピンすべてが結線されたケーブルを使うこと。この2点さえ押さえておけば、ビンテージ機材を一斉に走らせるセットの心強い土台になってくれます。
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