くっきりと繰り返すディレイと、輪郭なく広がるリバーブ。そのあいだにある響きを、スライダーひとつで連続的に探っていけるのが、Umbrella Company「HUME」Dissolving Echoです。
HUMEの音は、ディレイの後ろにリバーブをつないだ音とは違います。反響音そのものが少しずつ散らばり、輪郭を失いながらリバーブへと移り変わっていきます。記憶が時間とともにぼやけ、やがてぼんやりとしたイメージだけが残る。そんな移ろいを音にしたような、やわらかく漂うアンビエンスがこのペダルの持ち味です。
ディレイがほどけてリバーブになる、F&Vスライダー
HUMEのサウンドを決めるいちばんの要が、反響音の「散らばりやすさ」を操るF&Vスライダーです。下げきるとディレイ、上げきるとリバーブになり、そのあいだをなめらかに行き来できます。
途中の位置では、繰り返すたびに少しずつ輪郭がぶれていくディレイや、音が乱反射するようなエコー、粒の質感を残しながら広がるリバーブなど、ふたつのエフェクトの境目にある多彩な響きが現れます。スライダーを動かすだけで音の手ざわりが変わっていくので、演奏しながら好みのポイントを探っていく楽しさがあります。
TIMEノブは、ディレイではディレイタイム、リバーブではルームサイズにあたる時間の長さを決めます。DECAYは響きの長さを調整するコントロールで、上げきると残響が減衰しなくなり、弾くたびに音が積み重なっていきます。MIXで原音とエフェクト音のバランスを整えれば、基本のサウンドづくりは完了です。
FLASHBACKで逆再生の響きを重ねる
FLASHBACKトグルを使うと、入力音を逆再生した音を加えられます。上の位置で逆再生のみ、センターで通常の再生のみ、下の位置で逆再生と通常の再生をミックスしたサウンドになります。
F&Vと組み合わせると、逆再生で立ち上がったフレーズが、そのまま霧のように残響へ溶けていく音もつくれます。単音のロングトーンやコードをゆっくり鳴らすだけでも、奥行きのあるサウンドスケープが広がります。
3つのAUXモードで、演奏中に音を動かす
AUXモードトグルでTap Divide、Circulation、Morphingの3つから機能を選び、右側のAUXフットスイッチで操作します。足元でリアルタイムに音を動かせるので、ライブでも表現の幅が大きく広がります。
Tap Divide:テンポに合わせたリズミカルなディレイ
AUXフットスイッチでタップテンポを入力できるモードです。このモードではTIMEノブがサブディビジョンの切り替えになり、1/4、1/2、3/4、1、3/2、2、4の7種類から選べます。軽やかなリズムディレイはもちろん、付点のリズムを刻みながら少しずつほどけていくディレイも得意です。なお、F&VやTIMEの設定によってはテンポと同期しない場合があり、その状態はAUX LEDの点灯で確認できます。
Circulation:動き続けるホールドサウンド
その瞬間に鳴っている反響音をつかまえて、ホールドできるモードです。フットスイッチを軽く押せばラッチ、長押しすればモーメンタリーで操作できます。ホールドした音はオフにするまで減衰しません。一般的なフリーズのように止まるのではなく、円を描くように動き続けるのが特徴です。原音にリバースをかけ続けることもできるので、揺らめくレイヤーを下敷きにしながらソロを重ねるような使い方にもよく合います。
Morphing:ふたつの設定をなめらかに行き来する
現在のノブやスイッチの状態(ライブセッティング)と、あらかじめ保存しておいたもうひとつの設定(Morphステージ)を、なめらかに行き来できるモードです。短いディレイから深いリバーブへといった、ドラマチックな場面転換を足元ひとつで演出できます。
AUXフットスイッチのほか、エクスプレッションペダル(かかと側でライブセッティング、つま先側でMorphステージ)やCV(0-5V)でも操作できます。切り替えにかかる時間は設定メニューで変更でき、即座に切り替わるように設定すれば、プリセット切り替えのような使い方もできます。
ステレオやMIDIにも対応する柔軟な設計
入力と出力はそれぞれ個別にモノラル/ステレオを切り替えられ、モノ、ステレオ、モノ入力ステレオ出力、ステレオ入力モノ出力の4通りのルーティングに対応します。ギター1本でステレオに広げることも、シンセサイザーなどのステレオ機材をそのまま通すこともできます。
MIDIは3.5mm TRS(Type-A)で接続します。MIDIクロックによるテンポ同期、PCメッセージでのプリセットの保存と呼び出し、CCメッセージでのパラメーター操作に対応しているため、MIDIコントローラーを使ったシステムにも無理なく組み込めます。
USB端子はファームウェアアップデート専用です。ファームウェアv1.1.0以降では、バイパスしたときに残響を自然に消えていかせるトレイル機能のオン/オフを設定メニューで切り替えられます。
主な仕様
| エフェクトタイプ | ディレイ/リバーブ(空間系) |
| コントロール | TIME、DECAY、MIX、F&Vスライダー、FLASHBACKトグル、AUX MODEトグル |
| フットスイッチ | BYPASS、AUX |
| 音声入出力 | TS(モノラル)/TRS(ステレオ)、入出力それぞれ切り替え可能 |
| EXP入力 | エクスプレッションペダル/CV(0-5V) |
| MIDI入力 | 3.5mm TRS(Type-A) |
| USB | ファームウェアアップデート専用 |
| 入力インピーダンス | 500kΩ |
| 出力インピーダンス | 1kΩ |
| バイパス方式 | バッファードバイパス |
| 電源 | DC9V(センターマイナス)※電池駆動には非対応 |
| 消費電流 | 200mA |
| 寸法 | D124×W98×H53mm(最大突起含む) |
| 重量 | 385g |
| グラフィックデザイン | ヘルミッペ |
よくある質問
- ディレイとリバーブを別々につなぐのと、何が違いますか?
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HUMEは、ディレイの後ろにリバーブを足した音ではなく、反響音そのものが散らばってリバーブへ変化していく音を狙って設計されています。F&Vスライダーで、ディレイとリバーブのあいだの響きを連続的に選べるのが大きな違いです。
- 電池で動かせますか?
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電池駆動には対応していません。DC9V・センターマイナスで、200mA以上を供給できるアダプターやパワーサプライを使用してください。
- ステレオで使えますか?
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入出力を個別にモノラル/ステレオに設定でき、モノ、ステレオ、モノ入力ステレオ出力、ステレオ入力モノ出力の4通りに対応しています。
- オフにしたときに残響を残せますか?
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ファームウェアv1.1.0以降では、設定メニューでトレイル機能のオン/オフを切り替えられます。オンにすると、バイパスした後も残響が設定に応じて自然に減衰していきます。
- MIDIでは何ができますか?
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MIDIクロックによるテンポ同期、PCメッセージでのプリセットの保存と呼び出し、CCメッセージでのパラメーター操作に対応しています。接続は3.5mm TRS(Type-A)です。
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