Fulltone フルトーン / OCD【ディストーション】

弱く弾けば澄んだ音、強く弾けば荒々しい歪み。ギターのボリュームを絞れば、きれいなクリーンへすっと戻る。Fulltone OCD(Obsessive Compulsive Drive)は、そんな真空管アンプのような反応を足元で引き出せるオーバードライブ/ディストーションです。アンプとギターが持つ本来の音色を大切にしながら、豊かな倍音を加えてくれます。ブースターとしても、単体の歪みペダルとしても使え、長年にわたって多くのギタリストのボードに並び続けてきた定番機です。

目次

OCDの特長

ピッキングに応じて表情を変える広いダイナミックレンジ

OCDの持ち味は、ダイオードでクリップする一般的なオーバードライブよりも広いダイナミックレンジです。ピッキングを強くするか弱くするかで歪み方が大きく変わり、コンプレッション感の少ない自然な歪みが得られます。弾き手のタッチがそのまま音に表れるので、フレーズごとに強弱をつける演奏にもしっかり応えてくれます。

アンプとギターの個性を活かす

OCDは、つないでいるアンプやギターの音色を塗り替えることなく、複雑な倍音を加えていきます。歪みペダルを踏むと音がこもってしまう、愛用の機材の個性が薄れてしまう。そんな悩みとは無縁のオープンなサウンドです。

ギターのボリュームできれいにクリーンアップ

ギター側のボリュームを上げ下げするだけで、深い歪みからクランチ、澄んだクリーンまで、その間にある多彩なサウンドを行き来できます。ペダルをオンにしたまま、手元の操作だけで曲の展開に合わせて音色を変えられるのは、OCDならではの大きな魅力です。

小音量でもアンプを鳴らし切ったような感触

自宅で鳴らせる程度の音量でも、アンプを目一杯ドライブさせたような感触が得られます。クリーンはダイナミックに、歪みは倍音が鳴り響くサウンドになります。

真空管のような歪みを生む独自の回路

OCDは、まずJFETオペアンプを歪ませ、その後段でMOSFETのペアによるハードクリッピングを行うという、ほかに例の少ない組み合わせで真空管のような歪みを作り出しています。出力にも十分な余裕があるため、使い方は大きく3通りです。アンプの前段に置いて入力を押し込むブースターとして。マスターボリューム付きアンプを、一般的なオーバードライブよりも深くドライブさせる用途として。そして単体で、Class Aアンプのようなきらびやかさと複雑な倍音を備えたディストーションとして。それぞれの場面でOCDは力を発揮します。

V2で進化したポイント

1MΩのClass A JFET入力

V2では入力段にClass A構成のJFETを採用し、入力インピーダンスを従来の330kΩから1MΩへ引き上げました。シングルコイルからハムバッカーまで、さまざまなピックアップとの相性がよくなっています。OCDより前につないだ機材の影響も受けにくく、タッチへの反応はシリーズの中でもいちばん敏感です。

後段の影響を受けないバッファード出力

出力段にバッファーを備え、OCDの後ろにつなぐ機材の影響から切り離しています。ボードのどこに置いても音が安定するうえ、歪みを抑えた設定でも、従来のOCDより豊かなサステインと倍音が得られます。

トゥルーバイパスとエンハンスド・バイパスを選べる

本体内部のスイッチで、バイパス方式をトゥルーバイパスと、Fulltone独自のエンハンスド・バイパスから選べます。エンハンスド・バイパスは、ペダルやケーブルが増えたときに失われがちな音の鮮度やピッキングのダイナミクスを補い、オン・オフ時のポップノイズも抑えます。大きなボードを組むならエンハンスド・バイパス、シンプルな構成ならトゥルーバイパス、という具合に、システムに合わせて選べます。

切り替えるときは、側面の4本のサムスクリューを外してケースを開け、スイッチを上(エンハンスド・バイパス)か下(トゥルーバイパス)に動かします。中間の位置で止めると音切れやノイズの原因になるので、上下どちらかに確実に入れてください。

コントロールとスイッチ

DRIVE

時計回りに回すほど歪みが深くなります。10時より下に抑えると、クリーン寄りのサウンドや、基本的なトーンを変えずにアンプの入力をブーストする使い方に向きます。

VOLUME

ペダルから出る音量を調整します。約20dB(HPモードではそれ以上)のゲインがあるため、バイパス時と同じ音量になるのは9時前後です。上げすぎに注意しながら、少しずつ合わせていくのがおすすめです。

TONE

高域だけに働くコントロールで、12時がほぼニュートラルです。DRIVEを12時より上げたハイゲインのリードでは、10時あたりまで下げるとなめらかな音に。時計回りに回せば抜けがよくなり、コンプレッション感も軽くなります。

HP/LPスイッチ

HP(High Peak)に切り替えると、DRIVEのどの位置でも歪みが増し、音量も上がります。さらに1〜2kHz付近の中域がわずかに持ち上がり、VOXやMarshallを思わせるブリティッシュな雰囲気になります。

LP(Low Peak)は色付けが少なく、ギターとアンプの本来の音を忠実に生かすモードです。クリーンブースト、ブラックフェイスやツイード系アンプとの組み合わせ、ブリティッシュ系とは違う方向の音作りに向いています。

18V駆動でさらに広がる表現力

OCDは9Vから18Vまでの電圧で動作します。18Vで駆動すると、よりクリーンで音量感があり、ダイナミックレンジと音の分離感が一段と高まります。18Vで使うときは、ノイズを避けるためにレギュレート(安定化)タイプのアダプターを選んでください。

DCジャックにアダプターを挿すと電池への供給が切り離されるので、電池を入れたままでも消耗しません。電池だけで使う場合は、使わないときにINPUTからケーブルを抜いておくと長持ちします。

音作りの出発点になるサンプルセッティング

サウンドVOLUMEDRIVETONEHP/LP
ブルース/ロックのリズム(ネックPU、クリーンのアンプ)11時10時お好みでLP
ブリティッシュなロックトーン(ブリッジPU、クリーンのアンプ)10時1時お好みでHP

製品仕様

タイプオーバードライブ/ディストーション
コントロールVOLUME、DRIVE、TONE
スイッチHP/LPトグルスイッチ、フットスイッチ(Fulltone製3PDT)、内部バイパス切替スイッチ
バイパス方式トゥルーバイパス/エンハンスド・バイパス(内部スイッチで選択)
入力インピーダンス1MΩ
出力インピーダンス10kΩ(オン時、およびエンハンスド・バイパスでのオフ時)
消費電流約8mA
電源9V電池、またはDC9〜18Vアダプター(2.1mm×5.5mmプラグ、センターマイナス)

よくある質問

オーバードライブとディストーション、どちらの用途に向いていますか?

どちらにも使えます。DRIVEを低めに設定すればアンプを押し込むブースターやオーバードライブとして、DRIVEを上げてHPモードにすれば、しっかりとしたディストーションサウンドになります。

9Vと18V、どちらで使うのがよいですか?

9Vでも問題なく使えます。18Vで駆動すると、よりクリーンで音量感があり、ダイナミックレンジと分離感が高まります。18Vで使う場合は、レギュレートタイプのアダプターを選んでください。

オンにすると音量が大きくなりすぎます。

OCDは約20dBのゲインを持っているため、VOLUMEが9時前後でバイパス時と同じくらいの音量になります。HPモードではさらに音量が上がるので、VOLUMEは控えめな位置から調整してください。

トゥルーバイパスとエンハンスド・バイパスはどう選べばよいですか?

ペダルやパッチケーブルが多いボードでは、失われがちな音の鮮度やダイナミクスを補うエンハンスド・バイパスが向いています。信号経路をシンプルに保ちたい場合はトゥルーバイパスを選べます。切り替えは本体内部のスイッチで行います。

まとめ

Fulltone OCDは、ピッキングの強弱やギターのボリューム操作に素直に反応し、アンプとギターの個性を生かしたまま豊かな倍音を加えてくれるドライブペダルです。HP/LPスイッチでブリティッシュな歪みと色付けの少ないブーストを切り替えられ、V2では1MΩの入力、バッファード出力、選べるバイパス方式によって、現代の大きなペダルボードにもなじみやすくなりました。クランチからディストーションまで1台で幅広くこなす、長く頼れる定番の歪みペダルです。

BRAND

Fulltone

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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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