QUICK GUIDE
MIDIクロックとDIN SYNCを双方向同時に変換するKENTONのシンクコンバーター。SYNC24とSYNC48の両方に対応し、TR-808やTB-303などのビンテージ機材を、DAWや今のMIDI機器と同じテンポで動かせます。
- ブランド
- KENTON
- 種類
- MIDI機器
- 対応楽器
- ギター用・ベース用
TR-808やTB-303のようなビンテージ機材は、MIDIが登場する前の「DIN SYNC」という方式でテンポを合わせます。そのため、DAWや今のドラムマシンとそのままでは同期できません。この2つの世界をつなぐのが、イギリスのKENTON(ケントン)が手がけるD-Syncです。MIDIクロックとDIN SYNCを、両方向同時に変換できるシンクコンバーターです。
D-Syncとは
D-Syncには、MIDI IN/MIDI OUT/SYNC IN/SYNC OUTの4つの端子があります。MIDI INに入ったMIDIクロックとスタート/ストップをDIN SYNCに変換してSYNC OUTから出し、SYNC INに入ったDIN SYNCをMIDIクロックに変換してMIDI OUTから出します。この2方向の変換は同時に働きます。
KENTONは対応機種の例として、RolandのTB-303、TR-606、TR-808、MC-202などを挙げています。SYNC48モードにすれば、KORGのKPR-77、DDM-110、DDM-220にも使えます。
- MIDIクロック⇔DIN SYNCを双方向同時に変換
- SYNC24(Roland)とSYNC48(KORG)に対応
- MIDI INはオプトアイソレート
- Soft ThruでMIDIデータとシンクをまとめて出力できる
- 電源はUSB Mini-B(5V)。USBは電源専用
2つの使い方
MIDI機器をマスターに、ビンテージ機材を走らせる
DAWや今のハードウェアシーケンサーのMIDI OUTをD-SyncのMIDI INへ、D-SyncのSYNC OUTをビンテージ機材のDIN SYNC入力へつなぎます。DAW側のテンポでTR-808やTB-303を動かしたいときの基本的な接続です。
ビンテージ機材をマスターに、MIDI機器を走らせる
反対に、ビンテージのシーケンサーやドラムマシンのDIN SYNC出力をD-SyncのSYNC INへ、D-SyncのMIDI OUTをMIDI機器のMIDI INへつなげば、ビンテージ機材のテンポにMIDI機器を合わせられます。
SYNC24とSYNC48
DIN SYNCには、4分音符あたり24クロックのSYNC24(Roland)と、48クロックのSYNC48(KORG)があります。D-Syncの初期設定はSYNC24で、SYNC48への切り替えは、KENTONが配布しているパソコン用アプリ「D-Sync Configuration Manager」で行います。本体のボタンで切り替えるタイプではないので、KORG機材で使う場合は事前に設定しておきましょう。
Soft ThruとContinueの設定
初期設定では、MIDI OUTから出るのはSYNC INから変換したクロックだけです。Soft Thruを有効にすると、MIDI INに入ったMIDIデータと、SYNC INから変換したクロックをまとめてMIDI OUTから出力できます。
また初期設定では、MIDIのContinue(途中から再開)メッセージをスタートとして扱います。これを、ソングポジションポインター(SPP)が0のあとのContinueだけをスタートとして扱う設定に変えることもできます。どちらも設定アプリで切り替えます。
LED表示とケーブルの注意
本体のLEDは、緑の点灯がSYNC24モード、赤の点灯がSYNC48モードを示し、MIDIやDIN SYNCを受信すると黄色に点滅します。今どちらのモードかがひと目で分かるので、RolandとKORGの機材を入れ替えて使うときも安心です。
ケーブルは付属しません。DIN SYNCの接続には5ピンDINのケーブルを使いますが、一部のピンしか結線されていない安価なMIDIケーブルでは正常に動かないことがあります。5ピンすべてが結線されたケーブルを用意しましょう。
電源はUSB給電
電源は本体のUSB Mini-B端子から5V DCを取ります。各国対応の5V・1AのUSB電源アダプターが付属し、パソコンやUSBハブから給電することもできます。USB端子は電源専用で、パソコンとMIDIをやりとりするUSB MIDIインターフェースの機能はありません。
9V DCのエフェクター用パワーサプライとは給電方法が異なるので、ペダルボードに組み込む場合は、USB電源を別に用意する必要があります。
SYNC-5・THRU-5との組み合わせ
D-SyncのSYNC OUTとMIDI OUTは1系統ずつです。MIDI機器をマスターにして複数のDIN SYNC機器を動かしたいなら、SYNC OUTの先にSYNC-5をつないで5系統に分けます。反対に、DIN SYNC機器をマスターにして複数のMIDI機器を動かしたいなら、MIDI OUTの先にTHRU-5をつなぐか、各機器のMIDI THRUで数珠つなぎにします。
変換が必要か、分けるだけでいいか
TR-808やTB-303などのDIN SYNC機材を、DAWや今のMIDI機器と同期させたいなら、D-Syncが必要です。ビンテージ機材をマスターにしてMIDI機器を動かしたいときや、RolandとKORGのDIN SYNC機材を両方使うときにも活躍します。
DIN SYNCどうし、またはMIDIどうしで台数を増やしたいだけなら、変換は必要ありません。DIN SYNCを分けるならSYNC-5、MIDIを分けるならTHRU-5が合います。
D-Syncの仕様と電源
| 種類 | MIDI⇔DIN SYNC シンクコンバーター |
| 端子 | MIDI IN、MIDI OUT、SYNC IN、SYNC OUT(いずれも5ピンDIN)、USB Mini-B(電源専用) |
| 変換 | MIDIクロック⇔DIN SYNC(双方向同時) |
| モード | SYNC24/SYNC48(設定アプリで切替)、Soft Thru |
| 表示 | 2色LED(緑:SYNC24、赤:SYNC48)、受信時は黄色に点滅 |
| 電源 | USB Mini-Bから5V DC。5V・1Aの各国対応アダプター付属 |
| 消費電流 | 90mA(公式製品ページの表記) |
| サイズ | 110×55×32mm |
| 重量 | 150g(アダプター含まず) |
| 生産国 | イギリス(本体に「MADE IN THE UK」表記) |
仕様はKENTON公式の製品情報と取扱説明書によるものです。消費電流は取扱説明書では50mAと記載されています。
よくある質問
- MIDIからDIN SYNCと、DIN SYNCからMIDIの両方を同時に使えますか?
-
使えます。D-Syncは2方向の変換を同時に行います。
- KORGのSYNC48機材にも使えますか?
-
使えます。初期設定はSYNC24なので、KENTONの設定アプリ「D-Sync Configuration Manager」でSYNC48モードに切り替えてください。
- USBでパソコンとつないでMIDIインターフェースとして使えますか?
-
使えません。USB端子は電源専用です。パソコンからは、MIDIインターフェースなどを使ってD-SyncのMIDI INへMIDIクロックを送ります。
- エフェクター用のパワーサプライで動きますか?
-
D-SyncはUSB Mini-Bから5Vを取る仕様で、9V DCの端子はありません。付属のUSBアダプターか、パソコン・USBハブから給電します。
- 複数のビンテージ機材を同時に同期できますか?
-
SYNC OUTは1系統なので、複数台に送るときは別売りのSYNC-5などで分配します。
まとめ
D-Syncは、MIDIクロックとDIN SYNCを双方向同時に変換し、ビンテージ機材と今のMIDI環境を同じテンポで動かせるようにするコンバーターです。SYNC24とSYNC48の両方に対応し、Soft ThruやContinueの扱いも設定で選べます。
SYNC-5やTHRU-5と組み合わせれば、台数が増えても配線を整理できます。TR-808やTB-303を今のセットに迎え入れたいときの、頼れる橋渡し役です。
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