Mile End Effects マイルエンドエフェクツ / MTHRFCKR=RPTR 【ディレイ】

Mile End Effects マイルエンドエフェクツ / MTHRFCKR=RPTR 【ディレイ】

伸びたテープがよれるように揺れる音程、こもったヒス、ざらついたサチュレーション。古いテープマシンが壊れる寸前に見せる、不安定で少し不気味な表情を、そのまま足元で鳴らせるのがMile End EffectsのMTHRFCKR=RPTRです。ローファイなモジュレーション・ディレイと、テープ・プリアンプ風のオーバードライブをひとつにまとめています。

目次

故障したテープマシンの揺らぎを再現するディレイ

Mile End Effectsは、カナダ・モントリオールを拠点とする小さなエフェクター・メーカーです。MTHRFCKR=RPTRの出発点は、ビルダーが長年続けてきた故障したテープマシンの収集でした。ちょうどいい具合にワウ・フラッターやヒス、サチュレーションが出ている個体を探し続け、その多くは完全に動かなくなる直前のものでした。そこでたどり着いたのがこのペダルです。

狙いは、質の悪いテープや劣化した磁気テープに表れるアーティファクトと、テープを送るキャプスタン・モーターが故障したときの不安定な機械的ニュアンスです。本物のテープマシンなら、いつ完全に壊れてもおかしくないぎりぎりの状態でしか出ない音を、安定して使えます。

MTHRFCKR=RPTRの主な特徴

ランダムで周期のないLFOモジュレーション

一般的なモジュレーションは、一定の周期で規則正しく揺れます。MTHRFCKR=RPTRのLFOは、ランダムで周期を持たないのが特徴です。DCモーターに引っぱられた物理的なテープが、ムラのある速度で磁気ヘッドを通り過ぎていく。そのときの不規則な揺れを再現しているため、予測できない、生きたような揺らぎがディレイ音に加わります。

サイン波とスクエア波で揺れの質感を選べる

WAVEスイッチでは、ランダムLFOの波形をサイン波とスクエア波から選べます。サイン波では、ディレイにかすかな船酔いのような揺れが加わります。暑さでゆがんだレコードや、モーターの調子が悪いテープレコーダーを思わせる質感です。スクエア波は、スピードを上げるとトラッキングの悪いVHSテープやシワの寄ったテープのような揺れになります。スピードを下げると、ヘッドの汚れたテープレコーダーのような音に変わります。

テープ・サチュレーションを加える切り替え式プリアンプ

+dBスイッチでカセットテープ・プリアンプをオンにすると、ジリジリと飽和したテープ・サチュレーション系のオーバードライブを加えられます。歪みの量はGAINで、全体の音量はVOLで調整します。プリアンプは入力が大きいほど激しく飽和するので、ファズやブースターを前段に置けば、さらに荒々しい質感まで踏み込めます。Mile End Effectsは、太いベースシンセとの組み合わせも勧めています。

キルドライ・スイッチとWarpフットスイッチ

WETスイッチをオンにすると、ディレイラインからドライ音がカットされ、エフェクト音だけが出力されます。アンプのパラレル・エフェクト・ループで使うときに便利です。レコーディングでは、リピートを絞った状態でミックスを通し、全体にローファイな質感を加える使い方もできます。もうひとつのフットスイッチ「Warp」はモメンタリー式で、踏んでいるあいだディレイのリピートを自己発振させられます。

MTHRFCKR=RPTRのコントロール

ディレイ

  • D.LVL:エフェクト音とドライ音のバランスを調整します。
  • TIME:ディレイタイムを調整します。
  • RPTS:リピート回数(フィードバック量)を調整します。

モジュレーション

  • LFO SPD:ランダムLFOの速さを調整します。
  • LFO DPTH:ランダムLFOのかかる深さを調整します。
  • WAVE:ランダムLFOの波形をサイン波とスクエア波から選びます。

プリアンプ

  • VOL:プリアンプを含む全体の音量を調整します。
  • GAIN:プリアンプの歪み量を調整します。
  • +dB:カセットテープ・プリアンプのオン・オフを切り替えます。

そのほかのスイッチ

  • WET:ディレイラインからドライ音をカットするキルドライ・スイッチです。
  • Warp:踏んでいるあいだ、ディレイのリピートを自己発振させるモメンタリー・フットスイッチです。

電源について

電源には、2.1mmプラグ・センターマイナスのDC9Vアダプターを使います。容量は100mA以上のものを用意してください。電池では動作しません。

MTHRFCKR=RPTRの仕様

種類ディレイ(切り替え式プリアンプ搭載)
つまみD.LVL、TIME、RPTS、LFO SPD、LFO DPTH、VOL、GAIN
トグルスイッチWET、WAVE、+dB
フットスイッチバイパス、Warp(モメンタリー)
電源DC9V センターマイナス(2.1mmプラグ)、100mA以上
電池駆動非対応

よくある質問

ドライ音を出さずにエフェクト音だけを出力できますか?

できます。WETスイッチをオンにすると、ディレイラインからドライ音がカットされます。アンプのパラレル・エフェクト・ループに組み込むときや、DAWのセンド/バスで使うときに便利です。

ディレイの自己発振はできますか?

できます。モメンタリー式のWarpフットスイッチを踏んでいるあいだ、ディレイのリピートが自己発振します。

電池で使えますか?

電池駆動には対応していません。2.1mmプラグ・センターマイナスで、100mA以上のDC9Vアダプターを使ってください。

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この記事を書いた人

13歳よりエレキギターを始め、学生時代はバンド活動に明け暮れる。音響機器やPAの基礎を専門学校で学びつつ、18歳頃にアルバイトとして始めた大手楽器店にて楽器の買い取り業務を担当。約10年間にわたり音楽機材の買取査定、販売・リペアなどに携わり、数多くのエフェクターに触れる。楽器店退職後、2009年よりエフェクター専門サイト『EFFECTOR COLLECTION BOX』の運営をスタート。

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