アンビエント系サウンドの作り方|おすすめエフェクター10選

アンビエント系サウンドの作り方|おすすめエフェクター10選

「アンビエントっぽい空気感を出したいけど、何をどう揃えればいいの?」──そんな人向けに、アンビエント系サウンドの考え方と、必要なエフェクトの役割、そしておすすめエフェクター10選をまとめました。

アンビエントは、速弾きや派手さよりも「空間」「余韻」「質感」が主役。ギターなら、1音が残響として広がり、重なって“景色”になるようなサウンドです。

アンビエントサウンドとは?

アンビエントの要素は大きく分けて次の5つ。全部を揃えなくてもOKですが、どれを強調したいかが見えてくると、エフェクター選びが一気に楽になります。

  • 長い残響(テイル):リバーブの余韻が長く続く
  • パッド感:音の輪郭が柔らかくなり、背景が厚くなる
  • 揺れ:モジュレーションで空気が“うねる”
  • 粒・偶然性:グラニュラー/ランダム要素で質感が出る
  • 無限/固定:フリーズやホールドで“鳴らしっぱ”の土台を作れる

よく出る用語ミニ辞典

  • シマー:残響に高域の倍音(オクターブ成分など)が足され、きらっと浮遊する
  • リバース:逆再生のような吸い込み/立ち上がりを作れる
  • フリーズ:鳴っている残響を固定し、背景の“ドローン”にできる
  • スウェル:アタック(弾いた瞬間)を消して、ふわっと立ち上げる
  • グラニュラー:音を粒状に分解して並べ替える。質感・偶然性が出る

アンビエントに効く“エフェクトの役割”を整理

1)リバーブ:空間の主役

アンビエントの中心になるのがリバーブです。ホール系の自然な広がりから、クラウド/シマー/リバースのような“現実離れした空間”まで、方向性で選べます。

2)ディレイ:余韻の骨格

ディレイは反復によって奥行きを作る役割。テープ風のにじみや、ロングディレイ、リバース系などはアンビエントと相性が良い定番です。

3)モジュレーション:空気の揺れ

コーラス/ビブラート/フェイザーなどで“空気が動く”感じが出ます。アンビエントでは、主役というより残響や反復に表情を付けるサポート役として効きます。

4)フリーズ/ルーパー/グラニュラー:パッドと質感担当

背景を固定して上で演奏したいならフリーズやルーパー。音を粒状に崩して質感を作りたいならグラニュラー。アンビエントを“作品感”のある方向へ寄せやすいカテゴリです。

アンビエントにおすすめエフェクター10選

ここでは「空間・余韻・揺れ・粒感」をカバーできる10台を、アンビエント用途目線で選びました。

1. Strymon BigSky(/BigSky MX)

strymon ストライモン / BIGSKY Reverb【リバーブ】

タイプ:多機能リバーブ(王道アンビエント)
ポイント:空間の方向性が幅広く、プリセット運用もしやすい定番クラス。
向いてる人:「まずはこれで間違いない」を選びたい人。

2. BOSS RV-500

BOSS ボス / RV-500 REVERB【リバーブ】

タイプ:多機能リバーブ(実戦的)
ポイント:多彩なアルゴリズムと細かい調整、プリセット前提の利用におすすめ。
向いてる人:ライブ/宅録の両方でしっかり使いたい人。

3. Eventide Space

EVENTIDE イーブンタイド / Space【マルチリバーブ】

タイプ:個性派リバーブ(異世界・巨大空間)
ポイント:現実離れした残響が得意で、アンビエントの“世界観”作りに強い。
向いてる人:独特の空間表現で差を出したい人。

4. Meris Mercury7

Meris メリス / Mercury7 Reverb 【リバーブ・空間系エフェクター】 Meris メリス / Mercury7 Reverb 【リバーブ・空間系エフェクター】

タイプ:幻想的リバーブ(映画的アンビエンス)
ポイント:漂うような余韻と雰囲気づくりが得意。アンビエントに寄せたい人に。
向いてる人:“音の景色”を主役にしたい人。

5. Walrus Audio Slöer

Walrus Audio ウォルラスオーディオ / Sloer Stereo Ambient Reverb BLUE【リバーブ】

タイプ:アンビエント寄りリバーブ(パッド/シマー系)
ポイント:アンビエント向きの方向性が明確で、雰囲気作りがしやすい。
向いてる人:難しい編集より“それっぽさ”を優先したい人。

6. Strymon Cloudburst

Strymon ストライモン / Cloudburst クラウドバースト【リバーブ】

タイプ:パッド系リバーブ(サウンドスケープ)
ポイント:単なる残響ではなく、背景が“育つ”タイプのアンビエント表現に強い。
向いてる人:少ない操作でサウンドスケープを作りたい人。

7. Source Audio Collider(Delay + Reverb)

Source Audio ソースオーディオ / SA263 COLLIDER【ディレイ】【リバーブ】

タイプ:ディレイ+リバーブ一体型(省スペース)
ポイント:余韻の骨格(ディレイ)と空間(リバーブ)を1台でまとめやすい。
向いてる人:最小構成でアンビエントを作りたい人。

8. Red Panda Particle 2

Red Panda レッドパンダ / Particle V2 【グラニュラー・ディレイ】 Red Panda レッドパンダ / Particle V2 【グラニュラー・ディレイ】

タイプ:グラニュラー・ディレイ(粒テクスチャ)
ポイント:音を粒状に崩して質感を作れる。アンビエントを“音響寄り”に。
向いてる人:空間だけでなく“質感”でアンビエントにしたい人。

9. Chase Bliss MOOD MKII

Chase Bliss Audio チェイスブリスオーディオ / MOOD MKII【ディレイ】

タイプ:フリーズ/マイクロループ系(偶然性)
ポイント:背景を作って、その上で演奏するスタイルと相性が良い。独特の変化が出る。
向いてる人:即興的・偶然性のあるサウンドスケープを作りたい人。

10. Walrus Audio Fable

Walrus Audio ウォルラスオーディオ / Fable Granular Soundscape Generator【ディレイ】

タイプ:サンプル&チョップ系(質感・変化)
ポイント:テクスチャを作る用途で頼れる一台。
向いてる人:普通の空間系では物足りない人。

FAQ(よくある質問)

Q. アンビエントはリバーブだけでできますか?

A. できます。まずは“主役になるリバーブ”を決めるのが近道です。より奥行きを出したくなったら、次にディレイや質感系を足すと発展させやすいです。

Q. ライブで使うなら何を優先すべき?

A. アンビエントは音色の切り替えが多くなりがちなので、プリセットの有無や操作性(足元で迷わないか)を優先すると安心です。

Q. 宅録で気持ちよく広げるには?

A. ステレオ出力に対応した機材を選ぶと、奥行きや包まれ感が出やすくなります(もちろんモノラルでもアンビエントは作れます)。