BOSSの人気ルーパー「RC-500」と「RC-505」。どちらもプロも使う定番モデルですが、いざ購入となると「ギター弾き語りなら?」「ビートボックスやボーカルループなら?」「宅録メインなら?」と迷いやすい組み合わせです。本記事では、boss rc 500 vs rc 505というテーマで、トラック数・入出力・操作性・用途別の向き不向きを整理しつつ、後継機RC-505mkIIにも軽く触れながら、あなたのスタイルに合う1台を選びやすいように解説していきます。
スペック表の数字だけではわかりにくい「使い方のイメージ」も、具体的なシチュエーションに落とし込んで紹介するので、初めて本格ルーパーを導入する人や、ステップアップ先を探している人の参考になれば幸いです。
目次
結論:boss rc 500 vs rc 505 は「用途」と「設置スタイル」で選ぶ
はじめに結論から。RC-500とRC-505はどちらも高音質・高機能なルーパーですが、得意なシチュエーションが大きく異なります。
ざっくり結論:ギター中心ならRC-500、パフォーマンス重視ならRC-505
RC-500はペダル型の2トラック・ルーパーで、ギターやベース、弾き語りでのライブやスタジオワークにフィットする設計。ペダルボードに組み込んで足元だけで完結させたい人に向いています。
RC-505はテーブルトップ型で5トラック搭載、各トラックにフェーダーとボタンが用意されている「パフォーマンス・ルーパー」。ボーカル、ビートボックス、シンセ、サンプラーなどを手元で操作しながら、見せるライブや配信に強いモデルです。
どちらも音質・機能は十分なので「やりたいことのイメージ」が重要
どちらも長時間録音に対応し、リズム機能やエフェクトも搭載されています。「どっちが上位機種か」ではなく「自分のスタイルに合っているか」で選ぶのがポイントです。
・ペダルボードにルーパーを組み込みたいギタリスト/ベーシスト
・机の上でマイクやシンセをつないで、手でフェーダーを操作しながらループを重ねたいパフォーマー
このどちらに自分が近いかをイメージすると、RC-500かRC-505かがかなり絞りやすくなります。
RC-500とRC-505の基本スペック比較
まずはRC-500とRC-505の基本的な仕様をざっくり整理しておきます。細かな数字よりも、「どんな使い方に向いているか」が伝わるように要点に絞って見ていきましょう。
共通しているポイント
・長時間録音に対応したステレオ・ルーパー
・複数メモリーへのフレーズ保存が可能
・内蔵リズムパターン搭載で、ドラム代わりにも使える
・外部フットスイッチやMIDIでの拡張にも対応(設定次第)
どちらも「本格的なステージや制作」に対応できるスペックを持っているので、「とりあえず安い入門機を」と考えるより、最初からここらへんのクラスを狙うのも現実的な選択肢です。
RC-500の概要
・ペダル型/2トラック・ステレオルーパー
・ギター/ベース向けのインプットと独立XLRマイク入力
・内蔵リズム、シンプルなループFX
・ペダルボードに載せやすいサイズながら、本格的な機能を搭載
RC-505の概要
・テーブルトップ型/5トラック・ルーパー
・各トラックにフェーダー&コントロールボタン
・ボーカル加工用など多彩な入力エフェクト&トラックFX
・ビートボックス、ループパフォーマンス、DJ的な操作に強い
スペックざっくり比較表
| 項目 | RC-500 | RC-505 |
|---|---|---|
| トラック数 | 2トラック | 5トラック |
| 本体スタイル | ペダル型(床置き) | テーブルトップ型(机上) |
| 主な操作 | フットスイッチ | フェーダー+ボタン |
| 主な想定ユーザー | ギター/ベース/弾き語り | ボーカル/ビートボックス/DJ/配信 |
| リズム機能 | 内蔵ドラムパターンあり | 内蔵ドラム+エフェクト |
| エフェクト | LOOP FX中心 | インプットFX+トラックFXが豊富 |
| 設置のしやすさ | ペダルボードに組み込みやすい | デスク上・キーボードスタンドなどに設置 |
数字だけ見るとRC-505のほうが「上位」に見えますが、ペダル型が必要ならRC-500一択とも言えるので、優劣より「自分のスタイルに合っているか」を基準にすると選びやすくなります。
操作性の違い|ペダル型RC-500 vs テーブルトップRC-505
RC-500:足元で完結するルーパーペダル
RC-500は「フットスイッチ前提」の設計なので、ギターやベースを持ったまま、足元の操作だけで完結させたい人に向いています。
・ペダルボードに組み込んで常時オンにしておく
・ライブ中にそのままREC→PLAY→STOPを踏み分ける
・外部フットスイッチを追加して操作を拡張する
こういった使い方を想定して設計されているので、エレキ/アコギ/ベースの「いつもの足元」の延長として扱いやすいのが強みです。
RC-505:手で触る直感操作+フェーダーでミックス
RC-505は机の上やスタンドに置き、手でトラックを操作する前提のルーパーです。5本のフェーダーとトラックボタンを使って、音量バランスやミュート、エフェクトのオンオフをその場でいじれるのが魅力。
・マイクを通したボーカル/ビートボックスを次々に重ねる
・シンセやサンプラーを複数入力してループを構築
・配信画面に本体を映して「操作している様子」も含めて魅せる
こういったスタイルにハマる人は、RC-500よりもRC-505のほうが圧倒的に楽しめます。逆に、常に立ちっぱなしで演奏し、手は楽器から離したくない人には少し扱いにくいかもしれません。
サウンドメイク&エフェクトの違い
RC-500:ギター/ベースとの組み合わせ前提のループ+リズム機能
RC-500は、ギターやベースとの組み合わせを前提としたループとリズム機能が大きな特徴です。
・クリック代わりにもなる内蔵リズム
・ループを瞬間的に変化させるLOOP FX
・シンプルな構成で直感的に扱えるインターフェイス
過度に派手なエフェクトよりも、「演奏を支えるための機能」が中心という印象で、既存のエフェクターボードとの相性も良いタイプです。
RC-505:インプットFX+トラックFXでパフォーマンスを作り込む
RC-505は、ボーカルやビートボックスを加工するためのインプットFX、完成したループを加工するトラックFXが豊富に用意されています。
・ボーカルにフィルターやディレイをかけながら録音
・ビートボックスにスライサーやリバーブを追加
・トラックごとに異なるエフェクトをかけて音のキャラクターを作り分ける
「ループを素材として、リアルタイムに楽曲を組み立てる」「エフェクトのオンオフも含めて表現にしたい」という人には、RC-505のエフェクト環境が大きな武器になります。
ギタリスト視点ではどう違う?
ギタリスト/ベーシスト視点だと、RC-500は足元に置いて「これまでのボードにループ機能を足す」イメージ、RC-505は「机上での創作ツール」として割り切るイメージになります。
・ライブ中心でシンプルにループしたい → RC-500が扱いやすい
・宅録でギターもボーカルもシンセも全部ループしたい → RC-505の柔軟さが活きる
ステージでの立ち位置と、宅録/配信環境のどちらを重視するかで判断すると失敗しにくいです。
用途別|boss rc 500 vs rc 505 どっちが向いている?
ギター・ベース・弾き語り中心の人 → RC-500がおすすめ
・ペダルボードにルーパーを1台足したい
・コード進行+ソロ、リフ+ベースラインなど、2〜3パートを重ねられれば十分
・ライブに持ち出すことが多く、セッティングもシンプルにしたい
こういった条件に当てはまる場合は、RC-500のほうがスッと馴染みやすいはずです。フットスイッチ操作前提の設計なので、「普段のペダル操作の延長」でループ機能を扱えます。
ボーカル・ビートボックス・ループパフォーマー → RC-505がおすすめ
・マイク1本でビートからベース、コードまで全部作りたい
・観客の前でトラックをオンオフしながら見せるループパフォーマンスをしたい
・配信で「ループを組み上げていく過程」も含めて魅せたい
こういった使い方を想定しているなら、RC-505のほうが圧倒的に楽しいはずです。5トラックのフェーダーを使ってミックスしながら演奏できるので、「ルーパー兼簡易ミキサー」のような感覚で扱えます。
DTM/配信/宅録中心で使いたい人
DTMや配信を軸にする場合は、どちらのモデルでも活躍しますが、次のようなイメージで考えると選びやすくなります。
・ギター中心で、たまに宅録もする → RC-500寄り
・机上にマイクやMIDIキーボード、オーディオIFを並べている → RC-505寄り
・手でつまみを触って音を作り込むのが好き → RC-505が相性◎
今あえてRC-505か?それとも後継機RC-505mkIIか?
RC-505には後継機としてRC-505mkIIが登場しており、現在はそちらが現行モデルになっています。中古市場などで初代RC-505も見かけますが、「今あえてどちらを選ぶか」という視点も軽く触れておきます。
RC-505mkIIで強化されたポイント(ざっくり)
・エフェクトの種類や質感がブラッシュアップ
・入出力周りの強化(接続の自由度アップ)
・操作性の見直しや安定性の向上
細かい仕様は公式サイトで確認するのが確実ですが、「これから本格的にループパフォーマンスを始めたい」という場合は、基本的にはRC-505mkIIを検討するのがおすすめです。
初代RC-505を中古で狙うメリット・デメリット
メリット
・状態の良い個体が見つかれば価格がこなれている場合がある
・既存ユーザーが多く、情報も豊富
デメリット
・中古なので状態の個体差が大きい
・今後のサポート・修理面では新しいモデルのほうが有利になりがち
価格重視で中古も含めて検討するか、長く安心して使える現行機を選ぶかは、予算と使用頻度に合わせて判断すると良いでしょう。
購入前チェックリスト|後から後悔しないために確認したいポイント
① トラック数は本当に何トラック必要?
・2トラックでも、工夫すればかなり複雑なアレンジが可能
・5トラックあれば「ドラム/ベース/コード/メロ/効果音」のように役割分担がしやすい
「とりあえず多ければ多いほどいい」ではなく、自分が普段どんなアレンジを組むかイメージしてみると、必要なトラック数が見えてきます。
② 足元操作か手元操作か、ライブスタイルの違い
・ステージでは立ちっぱなしで演奏し、足で操作したい → RC-500系
・机の上で機材を並べて、手で操作しながら見せる → RC-505系
ライブのスタイルに合っていないルーパーを選ぶと、せっかくの機能を持て余してしまうので、ここはしっかりイメージしておきたいポイントです。
③ 接続する機器(マイク/ギター/シンセ/オーディオIF)
・マイク+ギターの同時使用が多いのか
・シンセやリズムマシンなど、ライン機器を複数つなぎたいのか
・オーディオインターフェイスとの併用を前提にするのか
実際に持っている機材を紙に書き出して、「どの端子に何をつなぐか」を事前にイメージしておくと、購入後の配線トラブルが減ります。
④ 自宅メインか? ライブメインか?
・自宅での練習と録音が中心 → 設置のしやすさ・配線のしやすさを重視
・ライブメイン → 持ち運びやすさ・セットアップ時間の短さを重視
「自宅用だから大きくてもいいや」と思っていても、後からライブに持ち出したくなることもあるので、できれば両方のシチュエーションを想定しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)|boss rc 500 vs rc 505
Q. 初めてのルーパーでも、いきなりRC-500やRC-505を選んで大丈夫?
A. 「ルーパー自体が初めて」の場合でも、やりたいことが明確なら最初からこのクラスを選ぶのは十分アリです。最初は多少覚えることが多いですが、慣れてしまえば長く使えるので、買い直しの回数を減らせます。
Q. boss rc 500 vs rc 505、音質に大きな差はある?
A. どちらも本格的なステージや制作に耐えられるクオリティを持っており、「どちらかが明らかに劣る」というレベルの差ではありません。音質よりも、トラック数や操作スタイルの違いを優先して選ぶ方が実用的です。
Q. エレキとアコギ、両方で使うならどっちが便利?
A. 足元で完結させたいならRC-500のほうが扱いやすいです。エレキ用ボードとアコギ用ボードの両方に組み込むこともできますし、マイク入力と組み合わせれば弾き語りの幅も広がります。
Q. マイクと楽器を同時に繋いで使う場合の注意点は?
A. 入力の種類(XLR/ライン)やインピーダンス、レベルを確認してから接続することが大切です。また、ループに乗せたくない音(MCや会話など)はどこに接続するか、ミキサー側でどう分けるかも事前に考えておくとトラブルを防げます。
Q. すでにコンパクトなルーパーを持っているが、ステップアップするならどれ?
A. 「今の使い方のまま、できることを増やしたい」ならRC-500が自然なステップアップになります。一方「ルーパーを中心にしたループパフォーマンスに挑戦したい」なら、RC-505(またはRC-505mkII)で一気に世界が広がります。
以上、boss rc 500 vs rc 505の比較でした。自分のスタイルに合う1台を見つけて、ループの世界を思い切り楽しんでください。

