インピーダンスとはギターやベースなどから出力されたオーディオ信号(交流電流)に対する抵抗のことを指します。エフェクターのサウンドにも様々な影響を与え、ノイズや音質劣化の原因とも深く関わりがあります。
インピーダンスの基礎知識
インピーダンスについて深く学ぼうとすると、あまりにも専門的になりすぎますので、ここではギター、ベース、エフェクターに関する基本的な部分だけを簡単に説明してみたいと思います。
交流抵抗と直流抵抗
ギターやベースのシステムの中ではアンプやエフェクターで使われる電源などは直流、音声を扱う信号はすべて交流になっています。
電気の世界では直流に対する抵抗はレジスタント、交流に対する抵抗はインピーダンスと呼ばれています。
◯交流抵抗:インピーダンス
ではこの抵抗とはなんでしょうか?
エフェクターやアンプの仕様説明を見ているとΩ(オーム)という単位をよく見かけますが、抵抗はこのΩという単位で示されています。
Ωの値、すなわち抵抗値が大きくなれば電気、すなわち音声信号が流れにくくなり、小さくなると逆に流れやすくなります。
→信号が流れにくい
◯抵抗値が小さい:ローインピーダンス
→信号が流れやすい
インピーダンスと音質劣化
さてこのインピーダンスですが、ギターやベース、エフェクターにどのように関わってくるのでしょうか。
通常ギターやベースのピックアップでは、本来微弱な信号を大きくするために、磁力を強化したり、コイルの巻き数を増やしており、出力インピーダンスが高くなります。
このハイインピーダンスの出力信号はかなり微弱なため、入力インピーダンスの低い機材につなぐとレベルが下がってしまいます。
ピックアップからの出力インピーダンスは音の周波数が高ければ高いほど上がるため、高音域のレベルが下がってしまいます。例えばギターを直接、ミキサーにつなぐと、モコモコとこもった音になってしまうのはこのためです。
この現象を防ぐため、アンプやエフェクターの入力インピーダンスは高く設定されており、信号レベルの低下を防いでくれます。
インピーダンスは川の流れ!?
音楽の機材を使用する場合、電圧が高いほうが効率が良いとされており、インピーダンスが高いほど電圧が高く取れるので理想といえます。
ところがインピーダンスが高くなればなるほど今度は「ノイズを拾いやすい」という特性がでてきてしまいます。
インピーダンスは川の流れで例えられる事が多いのですが、インピーダンスが低い状態の時は、幅の広い川にたくさんの水がゆっくりと流れている状態です。
すなわち電流も流れやすい状態といえます。そしてたくさんの水が流れている広い川であれば、石ころを多少投げ込んだとしても、水の流れにはほとんど影響しません。
すなわち外部からのノイズが混入してもあまり影響がありません。
逆にインピーダンスが高い状態の時は、幅の狭い川のイメージです。
水は流れにくく、石を投げ込めば流れそのものに大きな影響を与えてしまいます。すなわち電流が流れにくく、外部からのノイズの影響が大きくなってしまいます。
→電流が流れやすい
→ノイズの影響を受けにくい
→電圧が取りにくい
◯ハイインピーダンス=早く流れる狭い川
→電流が流れにくい
→ノイズの影響を受けやすい
→電圧が取りやすい
大切なのはインピーダンスを合わせること
このように、インピーダンスの高い低いは、ノイズの混入や音質劣化などに影響があるといえます。
ギターやエフェクター、アンプ同士をケーブルで接続して演奏や録音をする際、この「インピーダンス」を見誤ると出音に大きな違いが生じてしまうこともあります。