RATの歴史、現行品ラインナップ、そしてRAT系ペダルもご紹介!
ミシガン州カラマズーにあるProCo Sound社の工場の、まるで洞窟のような地下施設で生まれた「RAT」。手作りのプロトタイプRATからはじまり、今では世界中のギタリストに使用され 、最もレコーディングに使われるディストーションペダルへと進化しました。
ProCo RATってどんなエフェクター?
RATエフェクターは、1978年に最初にリリースされたディストーションペダルです。それ以来、メタリカからニルヴァーナまで、幅広いギタリストに人気の選択肢となっています。
RATエフェクターのユニークなサウンドは、独自の回路設計によるものです。このペダルは、ゲイン、トーン、ボリュームの3つのコントロールノブを備えています。ゲインノブはエフェクトの歪みの量を調整し、トーンノブは高音と低音のバランスを調整し、ボリュームノブはエフェクトの出力を調整します。
RATエフェクターは、幅広いサウンドを生み出すことができる用途の広いペダルです。クランチからディストーションまで、さまざまな歪みレベルを生成できます。このペダルは、クラシックなロックサウンドを作成したいギタリストに最適なオプションです。
RATエフェクターは手頃な価格で入手できるため、予算重視のギタリストにも最適です。このペダルは、ほとんどのギターショップやオンライン小売店で見つけることができます。
ProCo RATの歴史
RATエフェクターは、1978年にProCoによって最初にリリースされました。このペダルは、元々「RAT」という名前で販売されていましたが、1988年に「RAT2」に改名されました。RATエフェクターはすぐに人気となり、メタリカ、ニルヴァーナ、オジー・オズボーンなど、多くの有名なギタリストが使用しました。RATエフェクターは、そのクラシックなロックサウンドで知られており、今日でもギタリストに人気の選択肢となっています。
1978
“Bud Box” RAT
大量生産する予定のなかった初期のRATペダル。全ての穴は手作業で空けられ、カサカサした黒いコーティングにロゴがシルクスクリーンで入れられた。12個しか作られず、1つがプロトタイプ、残りの11個が製品として販売された。
1979-81
The Rat
量産された最初のRATペダル。個性的な見た目を与えるため、特別に厚さ20ゲージ(4ミリ弱)の金属板を使った筐体がデザインされる。黒く塗装されたメタルの上には白いRATロゴ゙がシルクスクリーンで印刷され、”EQ”は”TONE”と刻印されていた。この”TONE”コントロールは、後のモデルと逆の効き方で、時計回りに回すことで高音域を強くすることが出来る。
1981-83
The Rat (ver. 2)
以前のモデルとの主な違いは、”TONE” コントロールが “FILTER” コントロールに変わったこと。この “FILTER”は時計回りに回すと高音域をカット。Ratロゴは全て大文字だったものが”a”と”t”は小文字にされ、よりスタイリッシュなものへと変更された。
1984-88
Small Box RAT
回路に変更はなく、筐体はより小さいものへと進化し、U字型の12ゲージ(2ミリ程度)のプレートを二つ組み合わせたものに。ProCoロゴもRATロゴの横に追加され、ロゴは白い四角の中に黒でシルクスクリーンに。1986年には、ロゴは黒の上に白で載せられるように変更された。
1984-88
R2DU
1980年代のラックマウント・ブームの中で、ProCoは「R2DU」(一つのラック用の箱の中に二つのRAT回路を備えたもの)を発表。この二つの回路はそれぞれ別々に使うことも、直列で接続してより強くディストーションを掛けることもできた。
1988-
RAT2
次世代のRATペダルの始まり。筐体は以前の形と同じだが、シルクスクリーンのロゴは”Lexan/Mylar”の暗闇で光る蓄光加工になり、オン/オフが視覚的に確認できる赤色LEDも追加。2003年からは、RAT2にもTurbo RATに採用されていた傾斜の掛かった筐体が使われるようになる。
1989-
Turbo RAT
RATが生まれて11年、Turbo RATはRATの音色を拡張する初めての製品として誕生。RATと同じ回路でありながらクリッピングダイオードにLEDが使われたTurbo RATはよりアグレッシブな音を演出。その筐体は今では標準になった傾斜の付いたものになっている。
1991-2005
Vintage RAT
市場に ”ヴィンテージ” の波が押し寄せ、”ラージボックス” RATペダルの再販に対する需要が高騰。このVintage RATと元になったオリジナルRATとの違いは、二つの方法によって簡単に見分けることが出来る。ProCoロゴが”Sound Inc.”を含まず、ペダルの裏に使い勝手のいい電池入れが備わっているものが現在中古市場で一般的に見られるVintage RAT。
1997-2001
BRAT
「BRAT」はProCoが低価格帯のエフェクター市場に参入する皮切りになったモデル。これまでののRATに近い音を出すが、筐体は簡易化。鮮やかな紫と黄色に身を包み、”EQ”コントロールは”FILTER”ではなく”TONE”と印字されている。
2002-
Deucetone RAT
少量生産するガレージメーカーやカスタムエフェクトペダルメーカーがエフェクターの価格をぐんぐん上げていく中、ProCoはその市場で競争するためDeucetone RATを生み出す。R2DU同様一つの筐体の中に二つのRAT回路が含まれているが、ラックタイプではなくペダルタイプ。それぞれのRAT回路は3つのRATサウンドを切り替え可能。
2004-
You Dirty RAT
Deucetone RATのDirty RATセッティングの高い評判を受け、シンプルなシングルチャンネル・エフェクトペダルとしてYou Dirty RATが誕生。ノーマルRATとほぼ同じ回路を持つが、クリッピングダイオードがゲルマニウムに変更されている。
2010
’85 White Face RAT
1988年にデビューし、ディストーションペダルの世界的スタンダードにRAT2が成長した中、より古いモデルのサウンドを懐かしむファンが根強く、その声に応えるべく、1985年当時に生産されていた「スモールボックスRAT」を限定復刻生産。
2010-
新しい世代のディストーションペダル「SOLO」や85 Whiteface Reissue RATをプラットフォームとした「FAT RAT」、そして、フルサイズのRAT2と同じコントロールとサウンドを持ちながら、幅がわずか2インチの「LIL’ RAT」を続々と発表。今もなお進化を続けている。
RATエフェクターのサウンド
RATエフェクターは、中低域に重点を置いた、暖かく太い歪みサウンドを生成します。このペダルは、クランチからディストーションまで、さまざまな歪みレベルを生成できます。RATエフェクターは、ゲインノブとトーンノブを使用して、サウンドを微調整できます。ゲインノブはエフェクトの歪みの量を調整し、トーンノブは高音と低音のバランスを調整します。ボリュームノブはエフェクトの出力を調整します。
RATエフェクターの使い方
RATエフェクターは、クリーンなアンプに接続して使用できます。また、オーバードライブやディストーションペダルの後に接続して、サウンドを追加の歪みでブーストすることもできます。RATエフェクターは、幅広いギターと組み合わせて使用ることができ、さまざまなサウンドを生み出すことができます。
現行RATのラインナップ
ECB山中
ProCo プロコ / RAT2 ラット【ディストーション】
トップギタリストを魅了し続けるディストーションの銘器!
ProCo「RAT2」はロック、ブルース、ジャズなどジャンルを問わず活躍します。ディストーションペダルのスタンダードと言っても過言ではないエフェクターです。
ProCo プロコ / LIL’ RAT リルラット【ディストーション】
RAT2の約半分!サウンドと使用感、そして頑丈さはそのままに。
Proco LIL’ RATは、RAT2のサウンドと使用感、そして頑丈さをそのままに設置面積が半分以下になった、コンパクトなサイズのディストーション・ペダルです。
ProCo プロコ / YOU DIRTY RAT【ファズ】
クリッピングダイオードをゲルマニウムに変更!
You Dirty RATはDeucetone RATのDirty RATセッティングが高い評判を受けて生まれました。ノーマルのRATとほぼ同じ回路を持ちますが、クリッピングダイオードがゲルマニウムに変更されています。
ProCo プロコ / Turbo RAT【ディストーション】
より激しく、より濃密なボトムエンドを求めるギタリストに!
PROCO「TURBO RAT」は最も強烈な”RAT”です。RATと同じ回路でありながらクリッピングダイオードにLEDが使用されよりアグレッシブな音を出します。
ProCo プロコ / FATRAT【ディストーション】
クラシックな歪みはそのままに、音楽シーンに合わせた多機能モデル。
FAT RATは、往年の名機「85 Whiteface Reissue RAT」をベースとし、新たに2つの切り替えスイッチを搭載。クラシックな歪みはそのままに、音楽シーンに合わせた多機能モデルとなっています。
RAT系エフェクターの一覧
ECB山中
RATのサウンドをリスペクトし独自に進化するRAT系ペダルをご紹介♪
JHS Pedals ジェイエイチエスペダルズ / PACKRAT【ディストーション】
40年以上にわたるRATの進化と、それがギターのサウンドに与えた影響に対する究極のトリビュート。
PackRatは、40年以上にわたるRATの進化と、それがギターのサウンドに与えた影響に対する究極のトリビュートです。
Animals Pedal アニマルズペダル / Tioga Road Cycling Distortion【ディストーション】
きめ細やかな歪みが特徴のディストーションペダル。
Animals Pedal Tioga Road Cycling Distortionは従来モデルと比べ、音色全体のレンジが広げられ、より多くのアンプやギターで最高のサウンドが作れるように微調整されました。
CATALINBREAD カタリンブレッド / Katzenkonig【ファズ】
Tone Bender MkIIとRatの融合。
CATALINBREAD KatzenkonigはビンテージUKファズを代表するTone Bender MkIIと、80年代のディストーションを代表するRatを融合したファズ/ディストーション。
FOXGEAR フォックスギア / RATS【ディストーション】
あの名器にインスパイアされたディストーション。
FOXGEAR RATSは、あの名器にインスパイアされたディストーション。ダグ・アルドリッチ氏好みのサウンドにチューンナップされつつも、各プレイヤーのトーンを尊重するよう設計されています。
TONE CITY トーンシティ / Mickey【ディストーション】
表現力豊かなUSディストーションサウンドを手軽に再現!
TONE CITY Mickeyは、オリジナルのRATディストーションに注目したペダルであり、ミニサイズの筐体にUSディストーションサウンドを再現しています。
Formula B Elettronica フォーミュラ・ビー・エレットロニカ / RatRace【ディストーション】
Toneコントロールをスタンダードなスタイルへとチューンナップし、より現代的な使用感を実現。
Formula B Elettronica RatRaceは今尚ディストーションペダルの永遠のスタンダードとして親しまれるRATのオリジナルを再現したディストーション。
WEED ウィード / RAT mod 2way Germ【ディストーション】
RAT本来の歪みにFUZZ的な要素をプラス!
RAT mod / 2way Germaは、クリッピングダイオードにゲルマニウムダイオードを仕様したディストーション/ファズペダル。
ELECTRO-HARMONIX エレクトロハーモニックス / FLATIRON FUZZ【ファズ/ディストーション】
オールドのRATと比べても引けを取らない素晴らしい仕上がり!
Flatiron Fuzz(フラットアイアン・ファズ)は、RAT2をELECTRO-HARMONIX流に解釈したクラシックなファズ/ディストーションペダルです。
idea sound product イディアサウンドプロダクト / IDEA-RTX ver.1【ディストーション】
Vintage RATのサウンドをidea sound productの解釈により大幅に改造。
長きに渡り評価され続けているVintage RATのサウンドをidea sound productの解釈により大幅に改造。ギターのボリュームに対する追従性は、普段アンプで音作りをするギタリストの感覚にベストマッチ。
VOCU ヴォーキュ / 3MODE DISTORTION【ディストーション】
ファットで濃厚、しかも倍音成分をたっぷり含んだディストーション!
3つの歪みモードを選択できる モダンゲイン ハンドワイアリング ディストーションダイオード、オペアンプ、LEDの3つのクリップパーツ(歪ませるための電子パーツ)をスイッチでセレクトできるディストーションです。
RATエフェクターは、長年にわたってギタリストに愛用されてきたクラシックなディストーションペダルです。用途の広いペダルであり、幅広いサウンドを生み出すことができます。RATエフェクターは手頃な価格で入手できるため、予算重視のギタリストにも最適なオプションです。