時間は、逆流し、跳躍する。伝説の“Mode C”が描く、かつてない幻想的なエコー空間。
Chase Bliss Reverse Mode C (2025) ─ 伝説の「Superdelay」が現代のアートとして蘇る
2008年、エフェクターの歴史におけるひとつの「特異点」が生まれました。Empress Effectsの名機『Superdelay』です。その多機能さの中に隠されていた特定のモード──「Reverse Mode C」。このサウンドは、単なる逆再生ディレイとは一線を画す、奇妙で美しい音楽的な響きで世界中のプレイヤーを虜にしました。
時を経て、その魔法が現代最高峰の技術集団 Chase Bliss の手によって蘇りました。「Reverse Mode C (2025 NEW Design)」は、Empress Effectsとの正式なコラボレーションにより開発された、過去と未来をつなぐリバース・ディレイです。
「Small Batch Bliss」シリーズとして限定生産される本作。2025年モデルは装いも新たな特別デザインを採用しており、ペダルボード上で圧倒的な存在感を放ちます。
音の時間を「彫刻」する。多次元的なサウンド・アーキテクチャ
「前進・後退・上昇」 3つのボイスが織りなすマルチディレクション・エコー
本機の最大の特徴は、エコー音の「進行方向」が一つではないことです。以下の3つのボイスを自由に組み合わせることができます。
- Forward:通常のデジタル・ディレイ(順再生)
- Reverse:テープを逆回転させたようなリバース・サウンド
- Octave Up:煌びやかな高音域を加えるオクターブ・アップ
これらをブレンドすることで、「音が追いかけてくる」ような感覚や、重力を無視して音が上昇していくような、極めて映像的なサウンドスケープを描き出します。
内蔵シーケンサーがもたらす、予測不能で音楽的な「音の運動」
Chase Blissならではの革新的な機能が、内蔵された「シーケンサー」です。これにより、3つのボイス(Forward / Reverse / Octave)をリズミカルに切り替えることが可能です。
例えば、「順再生 → 逆再生 → オクターブ」と音が変化しながら繰り返す設定にすれば、弾いたフレーズが万華鏡のように表情を変え続けます。この「音の運動(Motion)」こそが、他のリバースペダルでは決して真似できない、Reverse Mode Cの真骨頂です。
深淵なるモジュレーションと圧倒的な制御機能
Frequency Shifterが生む、金属的で幻想的なローファイ・テクスチャ
モジュレーション回路にも強いこだわりがあります。一般的なコーラスのようなピッチの揺らぎだけでなく、Frequency Shifter(周波数シフター)を搭載。これにより、ベルのような金属的な響きや、深海に沈んでいくようなダークな揺らぎを加えることができます。
Superdelayが持っていた「初期デジタル特有のローファイ感」を再現しつつ、現代的なクリアさとのバランスが見事に調整されています。
DIPスイッチとMIDIが可能にする、スタジオ機器並みの精密なコントロール
筐体背面には、Chase BlissのアイデンティティであるDIPスイッチを装備。すべてのパラメーターをLFOで動かしたり、エクスプレッション・ペダルに割り当てたりと、モジュラーシンセのような自由度を誇ります。
もちろんフルMIDI対応。スタジオでの緻密なオートメーションから、ライブでのプリセット切り替えまで、プロフェッショナルな現場の要求に完全に応えます。
単なるリバースディレイではない、創造性を刺激する「楽器」
Chase Bliss / Reverse Mode Cは、単に「変わった音が出る」だけのエフェクターではありません。ギターのフレーズを入れるだけで、新しい楽曲のアイデアが次々と湧いてくるような、インスピレーションの源泉となる「楽器」です。
2025年のNEWデザインは、コレクターズアイテムとしての価値も非常に高い一台。他とは違うアンビエント・サウンドを求めている方、そして「音響の実験」を楽しみたいギタリストにとって、これ以上の選択肢はないでしょう。
