歪みが足りないときはオーバードライブ、多めにいきたい曲はディストーション…。そんな欲張りに応えてくれるのがBOSS OS-2(OverDrive/Distortion)。COLORノブでODとDISTを無段階にブレンドでき、ライブでも宅録でも一本化しやすいのが魅力です。本記事では使いこなしのコツ、ジャンル別プリセット、比較検討のポイントまでをまとめました。
OS-2はどんなペダル?要点だけ先取り
- COLORノブ:左に回すほど“OD寄り”、右に回すほど“DIST寄り”。中間でブレンド。
- DRIVE:歪み量。低めでクランチ、高めでサステイン豊かに。
- TONE:明るさと抜けを調整。会場やアンプで微調整。
- LEVEL:音量。クリーンと同じくらい(ユニティ)から少し上げるのが実用的。
- 用途:ロック、ポップス、90sオルタナ、J-ロック、HR/HMのリズムまで幅広く対応。
- 仕様のポイント:9V電池 or PSAアダプター対応、堅牢なBOSSコンパクト筐体、バッファード・バイパス。
電源 | 9V電池 or ACアダプター(BOSS PSAシリーズ) |
---|---|
入出力 | モノラルIN / モノラルOUT |
コントロール | LEVEL / TONE / DRIVE / COLOR |
まずはここから:失敗しない基本セッティング
ノブ位置は“時計の針”で表記。ギターやアンプにより微調整してください。
① 抜けるロック・クランチ(コード主体)
- COLOR:10時(OD寄り)
- DRIVE:10時
- TONE:12時
- LEVEL:クリーンと同音量〜やや上
ストロークで粒立ちが出て、バンドでも埋もれにくい設定。シングルコイルのジャキっと感が活きます。
② 太い90sオルタナ(リフ/パワーコード)
- COLOR:3時(DIST寄り)
- DRIVE:2時
- TONE:11時
- LEVEL:曲中で埋もれない程度に
中低域に厚みが出て、単音リフ〜刻みまで気持ちよく伸びます。ハムバッカーと好相性。
③ クリーンの艶を足す“太さブースト”
- COLOR:11時
- DRIVE:9時
- TONE:12時
- LEVEL:1時(少し持ち上げる)
わずかにコンプ感と押し出しを加える小技。ソロ前に踏むとメロが前に出ます。
実際の使いどころとコツ
- バンドで埋もれるなら:TONEをわずかに上げ、COLORをOD側へ。中域の存在感を確保。
- 音が硬い/耳に刺さるなら:TONEを11時へ下げ、COLORをやや中央に戻す。
- リードで伸びが欲しいなら:DRIVEを1時前後、LEVELを少し上げてサステインを確保。
- ペダルの並び:基本はチューナー→ダイナミクス→OS-2→モジュレーション→空間系。ブースター併用時は前段でゲイン押し、後段で音量押し。
他モデルと比べるとどう違う?
モデル | キャラクター | 得意 | 扱いやすさ | ひとこと |
---|---|---|---|---|
OS-2 | OD⇄DISTをブレンド可能 | 幅広いロック/ポップス | ◎ | 1台で二役。迷いにくい |
BD-2 | 真空管風の張りとエアー感 | クランチ/ニュアンス重視 | ◎ | 素直で繊細。ピッキングが活きる |
OD-3 | 厚みある中低域と抜け | コードの厚み/歌伴 | ◎ | コシが出て混ざり良し |
DS-1 | タイトでエッジー | 80s〜90sロック、リフ | ○ | 切れ味重視ならこちら |
「1台で幅広く対応したい」ならOS-2。キャラを固定して尖らせたいなら各専用機(BD-2/OD-3/DS-1)もチェック。
おすすめしたいプレイヤー
- 初めての歪みで迷っている人(状況に合わせて音を寄せたい)
- ライブで曲ごとにODとDISTを使い分けたい人
- 宅録で“抜けるトラック”と“太いトラック”を作り分けたい人
よくあるつまずきと回避法
- 音がモコっとする:TONEを少し上げ、COLORを中央〜やや左へ。不要低域はアンプ側で調整。
- ハウリング気味:DRIVEを控えめに、LEVELで押す。ギターのPU高さを見直す。
- 曲間の音量差:LEVELを基準化し、ソロだけブースト。踏み替え回数を減らせます。
ギター/アンプ別・簡易プリセット早見表
組み合わせ | COLOR | DRIVE | TONE | 狙い |
---|---|---|---|---|
シングル×クリーンFender系 | 10時 | 10時 | 12時 | キラっと抜けるクランチ |
ハム×クリーンFender系 | 12時 | 11時 | 11時 | 太さと輪郭の両立 |
ハム×ブリティッシュ系 | 2時 | 1時 | 11時 | 厚みある90s〜現代ロック |
初心者でも安心:使い方は3ステップ
- まずLEVEL=クリーンと同音量に合わせる(耳でOK)。
- COLORで方向性(OD寄り or DIST寄り)を決める。
- DRIVE→TONEの順に微調整。最後にLEVELを微修正。
よくある質問
Q. COLORの“正解”はありますか?
A. 正解はバンドや曲次第。基本は中央付近から、抜けが欲しければ左へ、厚みが欲しければ右へ振ると決めやすいです。
Q. クリーンがしっかり出るアンプと相性は?
A. 相性良好です。Fender系ならOD寄りで粒立ち、ブリティッシュ系ならDIST寄りで厚みが作りやすいです。
Q. ノイズが気になります。
A. DRIVEを上げすぎるとノイズは増えます。必要ならゲートを後段に。電源は安定したアダプター推奨。
Q. BD-2/OD-3/DS-1から乗り換える価値は?
A. 固有キャラを活かしたいなら現行機のままが◎。曲ごとにODとDISTを行き来したいならOS-2が便利です。
Q. 前段や後段に置くおすすめは?
A. 一般的には歪みは前段。後段のコーラス/ディレイ/リバーブで広がりを作るとまとまります。
Q. 電池運用はできますか?
A. 可能です。長時間の使用や安定性重視ならアダプター(BOSS PSA)を推奨します。
まとめ
OS-2は「曲ごとに欲しい歪み像が変わる」現場で力を発揮します。COLORで方向性を素早く決め、DRIVE/TONEで微調整――この流れを覚えれば、初めてでも短時間で“使える音”に到達できます。迷っているなら、まずはこの1台から。
